怒らない子育ての正しい方法
怒らない子育てを成功させるための親の行動・考え方
怒らない子育てとはどのような子育てなのか、成功の秘訣や問題点を解説します。子育てでイライラしてしまう原因や、イライラした時の対処法を知ることで子育てが楽しめるようになります。怒らない子育てはイライラで悩んでいるママにオススメの子育てです。
怒らない子育ての方法は?イライラしない考え方と秘訣
子育てをする上で必ず経験するイライラ。できるだけイライラせずに子育てをしたいと思っているママ、怒らない子育てをしてみませんか?
怒らずに子育てができれば、イライラも減って子育てを楽しむことができます。
これから怒らない子育てをするための考え方や成功させる秘訣を紹介します。
怒らない子育てと叱らない子育てとの違い
子育てをしているとよく耳にする怒らない子育て。最近はネットでもよく話題にあがっています。ですが怒らない子育てが知られるようになってから、しつけもしない叱らない子育てと勘違いして子育てをする親が増えていることが問題点として指摘されています。
怒ると叱るの違いはなんだと思いますか?
違いを簡単に説明すると、怒るのは自分が不快だからイライラしたり感情的になってしまうこと、叱るのは相手を思って冷静に諭すことです。
怒らない子育てとは子どもがしつけしないことや放任することではありません。親が自分の感情に任せて大きな声で怒鳴ったり、親の身勝手な都合を子どもに無理矢理押し付けないように子育てをすることです。
- 叱らない子育ての本当の意味とは?叱らない子育てではどんな子が育つのでしょうか?叱らない子育ての効果、実際の子育てに活かす方法や子育てに生かしたい心理学などちょっと小難しい話も分かりやすく解説。
怒らない子育てを実践する具体的な方法
怒らない子育てをするためには怒らない環境をつくることが大切です。そして叱り方にもコツがあります。怒らずに子育てができるようになる具体的な方法をいくつか紹介します。
イライラの原因になるものは片付けておく
怒らない子育てをするためには、イライラしたり怒ってしまいそうになる原因をできる限り無くすことが重要です。
例えばハサミなど危険な物は必ず手の届かない高い場所に置く、開けられて困る引出しにはストッパーをつける、お菓子など子供が欲しがるものは目の届かない場所に隠しておく、などです。
イライラして感情的になってしまうことのほとんどは子どもが言う事を聞かないことが原因なので、子どもに興味を持たれて困るものは最初から隠しておくことで怒ってしまうきっかけを減らすことができます。
言うことを聞かない時は遊び方を教えてあげる
しかし片付けられるものには限界があります。例えばカーテンや椅子などの家具は基本的に片付けることができません。カーテンを引っ張って遊んだり、椅子に登って立って遊んだり、されると困ったり危ないこともたくさんあります。
そういう時はその遊びをしてはいけない理由を教えてあげたうえで、引っ張る力加減を教えてあげたり、カーテンを使ってかくれんぼしたりと違う遊び方を教えてあげたり、他の遊びに誘導するなどの対処が有効です。
そして言いつけを守り、注意したことを素直に受け入れてくれた時はしっかりと褒めます。子どもは褒められることが大好きです。褒められると自分を好きになることができ、自分に自信をもてるようになります。怒らずに叱ることも大切ですが、普段からいいところを見つけて褒めることもとても大切なことです。
子供には守ってほしいことを先にお願いしておくと効果的
外出先で子どもが道に飛び出しそうになったり、騒いで周りに迷惑をかけた経験はありませんか?イライラの原因になってしまうそういった子どもの行動を予防する方法があります。
外出する前に先にしてはいけないことを伝えて約束しておくと、それを守ってくれることがよくあります。
例えば手をつないで歩いて欲しいときは、外出前に玄関で座って向かい合って目線を合わし手を握りながら「お外に出たら車が来るから必ず手を繋いでね。」とお願いしておきます。
外に出てからいきなり要求するよりも外に出る前に伝えることで、子供も心の準備をしてくれます。そして約束を守ってくれることで褒めるきっかけも作ることができます。
大切なのは叱り方!子どもの年齢や性格に合わせた叱り方
怒らない子育てを実践するためには叱るポイントをパパとママで決めておくことも大切です。
同じことをしていても注意される時とされない時があると、子どもは混乱してしまうからです。
そして叱る時は必ず子どもに、なぜそれをしてはいけないのかがわかるように説明することが怒らない子育てを成功させる秘訣です。
ですが小さい子どもは長々と説明しても理解することができません。小さい子どもには「怪我をしたら痛いよ」「お友達に叩かれたら嫌でしょ?」と短い文章で叱るようにすると伝わりやすいです。ジェスチャーを交えながら叱るのも効果的です。
ある程度の年齢になり、しっかりと自分の言葉を話すことのできる子どもは「怪我をするとどうなる?」ときいたり「お友達に叩かれたらどう思う?」と答えを求める叱り方もできるようになります。
「あなたみたいな悪い子は嫌い!」や「どうしてできないの!」と否定するような叱り方は子どもが自分を責めてしまったり、傷ついてしまうのでやめましょう。
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そして年齢に関係なく大切なことは、叱る時に必ず目を合わすことです。小さな子どもでも叱られているとわかると目を外らしたり、顔を見なかったりすることが多いのですが、その場合はちゃんと目を見るように言いましょう。
また、性格によっても叱る時の環境が選べる場合は叱る場所を選んだり、叱り方を選びましょう。
例えば、おじいちゃんおばあちゃんなど親しい人が近くにいる場合、叱られた時にそちらに助けを求めてしまう性格の子どもはできるだけ2人きりの場所で叱るほうがしっかりと聞いてくれます。
叱り方も、すぐに聞き入れる素直な性格の子には優しい口調で叱り、なかなか聞き入れてくれない性格の子には低い声でゆっくりと叱るなど子どもの性格に合わせた叱り方を知っておくことが大切です。
イライラしても大丈夫!子育てでのイライラを避ける秘訣と対処法
いくら感情的にならずに子育てをしようと思っても、ママも子どもと同じ感情を持った人間です。イライラしないことにこしたことはありませんが、感情的になってしてしまうことももちろんあります。
そうなることが少なくなるようにイライラを避ける秘訣とイライラしてしまった時の考え方や対処法を紹介します。
子どもは自分がしたいことをしてるだけ
子どもは基本的には言うことを聞かないものだ、と自分に言い聞かせることでイライラすることが減らせるようになります。
大人でも自分のしたいことを我慢するとストレスが溜まるくらいですから、子どもは我慢できないのがあたりまえですし、我慢してもらおうと思うことに無理があります。それに小さい子どもは怒られてもすぐに忘れてしまうので、同じことを繰り返しますがママを怒らそうと思ってしているのではありません。
大人とは違う!と割り切ってしまいましょう。
たまには子どもにゆずって、自分も一緒にイタズラしてみる
ちょっとしたイタズラなら自分も子どもと一緒になって同じことをしてみたりすることも効果的です。少しだけ子どもの気持ちがわかったり、なぜイタズラをしてしまう原因わかることもあります。
意外と一緒にイタズラしてみると、新しい遊びや次にイタズラをされそうな新しい問題点を発見できることもあります。
怪我は子どもにとって必要な経験のひとつ
多少の怪我も仕方ない!と割り切ることでもイライラは軽減されます。一度も転んだことのない人なんていませんよね?防げるものは防いであげることも大切ですが、どうすると痛いのか、どんなことが危ないのか、ある程度は子どもが自分で経験して学ぶことも必要です。
もちろん大怪我に繋がりそうなら泣こうがわめこうが、止めなければなりませんが、かすり傷程度で済むのであればイライラしてまで何度も注意する必要はありません。もちろん子どもは痛くて泣いてしまうかもしれませんが、その時に教えてあげれば済む事です。そうすることで子どもも自分で理解し、自分が嫌な思いをしたことをしなくなっていきます。
イライラしたら頭の中をリセット。
実際にイライラしてしまったら、その時は一旦子どもから目を離し、昨日の夜ご飯が何だったか思い出したり、他の事を考えます。そしてそれでイライラがおさまったときは子どもに見つからないようにお菓子を少し食べるなど、自分にご褒美をあげるのもイライラを発散できなくてもストレスをためない秘訣です。
イライラしてしまった原因を考える
もし怒鳴ってしまいそうな時は、そのイライラの原因は前もって防げなかったのかどうか考えます。例えば鞄から財布を取り出してイタズラしていたとしたら、鞄を子どもの手の届く場所に置いていた自分が悪い、と思うことで怒鳴らずに済みます。もちろん、その財布を取り上げると泣きますが「手の届く場所に置いてたママが悪いよね」といって謝ります。そうすることで子どもに対するイライラもおさまっていきます。
子どもと距離を置いてみる
イライラが抑えられなくて声を荒げてしまいそうなら子どもの安全を確認した上で部屋を移動してしまうのもひとつの方法です。物に当たりたいなら子ども見つからないようにクッションなどの柔らかいものなら床に投げつけても誰にも迷惑をかけません。
子どもが泣いて手がつけられない時も部屋を移動する方法が有効です。泣いて興奮してしまっているときは、子どもが自分で泣き止むまで待たないと会話をするのも大変です。家事をしたり、本を読んだり、自分のしたい事をして子どもが落ち着くまで待ちましょう。自分のイライラがおさまったなら子どもの隣で待ってあげるのもいいでしょう。
もしも感情的になって怒ってしまったら素直に謝る
怒ってしまっても自分を責める必要はありません。ママにだって我慢の限界があります。
でも感情的になって怒ってしまったり、言い過ぎてしまった後は「怒ってごめんね」と優しく言ってあげてください。その時に手を握ってあげたり、ハグしてあげると子どもも安心してくれます。
怒らない子育てに失敗。かかわりたくない親子に
冒頭でも説明したように、怒らない子育てと叱らない子育ては全く違います。しかし、実際にそこを勘違いして怒ることも叱ることもしない親がいることも事実です。
本人は怒らない子育てと思っているようですが勘違いして失敗すると、どんな子どもになるのでしょう。
まったく言うことを聞かない子ども
筆者の友人から聞いた話です。
友人が子どもを連れて子育てサロンに行った際、1人で暴れている5歳くらいの男の子がいたそうです。他に小さい子どももいる中でおもちゃや本を投げたり、走りまわったりして遊んでいました。
男の子なので多少のやんちゃは仕方ないのかもしれませんが、友達のおもちゃを取るのは当たり前でサロンの先生に何度注意されてもまったく言うことを聞かなかったらしいのです。
ほかの子のママから、その子のママは怒らない子育てにこだわっていて注意をしても優しく言うだけで、怒ることも叱ることもしないように子育てをしている、と聞いたそうです。
友人はその親子に遭遇して以来、その子育てサロンへ行くのをやめたと言っていました。
叩きたかったら叩く子ども
職場の先輩のお誘いで、先輩の友達が経営する子連れ歓迎のレストランに行った時のことです。
先輩と先輩のお友達にも筆者と娘と同じ2歳の男の子がいました。
同じ2歳でも娘よりも半年近く誕生日の早い男の子たちは言葉もしっかりと話すことができ、子ども同士でも会話ができていました。
食事中、子どもたちをキッズスペースで遊ばせていたのですが、娘は気に入ったおもちゃがあったので1人で遊んでいました。ところが、別の遊びをしていた先輩のお友達の子どもが突然娘に近づき、グーで殴って押し倒したのです。
その子のお母さんは厨房に入っていて叱ることができない状態だったので、筆者がその子に注意しようとして、
「(娘の名前)をどうして叩くの?何も悪いことしてないよね?」と聞くと「叩きたいから!」と言われました。
驚きましたが、とりあえず「叩かれたら痛いからやめてね」と注意しましたが謝ることもせず、その後も何度も叩きにきます。
そしてその子の親も厨房から出てきて一緒に会話している時に、今度は筆者がその子に殴られました。叱るかな?と思ってその子のお母さんを見てみましたが、筆者が殴られているのを笑って眺めています。さすがに痛いのでその子の手を抑えて「痛いからやめて!」と怒ってしまいました。
その子は店のテーブルの上に土足で乗ったり、飾りの杖を振り回したり、とにかくやりたい放題に遊んでいました。
テーブルの上に土足で上がって飛び跳ねていた時だけその子のお母さんが
「お客さんがいる時はテーブルに登ったらだめ。お客さんがいない時にね」と言っていました。しかしそれ以上は注意することもないので、結局飽きるまでずっとテーブルの上で遊んでいました。
後から聞くと、先輩と先輩のお友達は幼児教室で知り合ったそうで、そこで怒らない子育てについて少し教えてもらったそうです。ですが、先輩のお友達はあきらかに失敗しているように感じました。
怒らない子育ての失敗は怒ることと叱ることの違いをわかっていないことが原因になることがほとんどです。
そして叱らない結果、ワガママになってしまったり乱暴者になってしまうことがあり、そうなると周囲の人に迷惑をかけたり嫌がられるようになります。将来的に人間関係でつまずいてしまう危険すらあります。
実際筆者も先輩には申し訳ないですが、そのお友達親子とは二度とかかわりたくないと感じました。
ママも一緒に成長できる怒らない子育て
ここまで怒らない子育ての方法や子どもへの影響を紹介してきましたが、怒らない子育てはママにとってもいい影響があります。
感情的にならない、叱るポイント以外は怒らずに子育てするにはママが感情をコントロールする必要があります。最初のうちは我慢の連続のように感じてストレスがたまるのですが、不思議とそのうち慣れてきます。
そしてイライラしなかった自分やイライラしても怒らずにいられた自分を褒めてあげることもできます。それに、叱ることにもエネルギーが必要ですが、イライラして大声を出すよりも省エネです。
そうすると心に余裕がでてきて、子育てを楽しいと思えることが増えてきます。ママが子育てを楽しむことができれば、子どももノビノビと育ってくれますよ。
- 子どもに嫌われる親の行動とは?子供の心に届かない?り方や褒め方、子供の行動を逐一指示したり子どものSNSや交友関係へ余計な口をはさむなど、「毒親」と呼ばれる子供の接し方についても説明します。
怒らない子育てでママが実感した子どもの嬉しい成長体験談
失敗すると大変な怒らない子育てですが、成功すると子育てを楽しむことができます。
怒らない子育てをしてよかったと感じるママの声を紹介します。
お姉ちゃんもママにみたいに
2人の女の子のママです。1人目の時から怒らない子育てをしていました。
下の子が泣いていると必ず泣いている理由を聞いてくれるのですが、その時はイスから落ちて泣いていました。すると上の子は
「落ちたら痛いよ?わかった?もう乗ったらだめよ。」と言って下の子の頭を撫でてくれました。自分がママに注意されているような言い方で下の子に優しく注意しているのを見てとても驚きました。どちらかというと上の子は聞き分けがいいほうですが、その姿をみて怒らない子育ては成功しているんじゃないかと感じました。
怒らずに叱るとわかってくれる
魔の2歳児といわれるイヤイヤ期に入り、怒ることに疲れている時に怒らない子育てを知りました。
ついイライラして大声をあげてしまい、子どもはギャン泣き、手がつけられなくなる、という悪循環だったのですが、イライラを堪えるようになってから子どものイヤイヤが少し落ち着いた気がします。イヤ!と言い出してもこちらが落ち着いて理由を説明することで話を聞いてくれる事も増えました。感情的に怒るのではなく冷静に淡々と叱ると子どもも感情的になりにくいような気がします。
怒らない子育てが成功すると他の人の気持ちがよくわかったり、感情的になりにくい優しい子どもになることが多いそうです。きっと多くのママが自分の子どももそうなってくれることを願って子育てしているのではないでしょうか。
怒らない子育ては子育てが楽しくなる魔法
怒らない子育ては子どもの行動をすべて受け入れた上で、注意したり叱ったりすることが基本になります。怒らずに子育てをすると聞くと少し難しそうですが、考え方やコツがわかればできる子育てです。
イライラせずに子育てがしたい、子どもに怒ってばかりいる気がするママにはオススメです。今まで大変に感じていた子育てが少しずつ楽になるかもしれません。