小学生の子供が勉強しないのはなぜ?理由に迫ろう!
小さな体に大きなランドセルを背負って、新しい筆箱や教科書がそろっていくのを嬉しそうに見ていたわが子。小学校に入学するときはあんなにやる気にあふれていたようなのに、いつの間にか勉強を嫌がるようになり、机に向かうことすらしない・・・。
そんな変化に気付いて愕然とするママやパパもいることでしょう。小学生の子供が勉強しない、もしくは勉強したくないと思うようになるのは、なぜなのでしょうか。
興味があることに没頭している
小学生の子供は、中学生や大人と比べると、何かのことに没頭してしまいやすいと言えます。例えば、ゲームに興味を持つと、一日中ゲームのことを考えたり、ゲームをプレイしたりして、宿題はもちろん、食事や睡眠すらおろそかになってしまうこともあります。
子供が全く勉強をしなくなってしまったのは、何か別の夢中になることが現れたからなのではないでしょうか。子供の様子をよく観察し、何に心を奪われているのかしっかり観察しましょうね。
勉強に対して無気力
何かに夢中になっているようではないのに勉強をしない。こんなときは、『無気力症候群』が疑われます。
無気力と言うと、ただ単にやる気が出ないだけなのではと思われるママもいますが、不登校になる理由の上位にも挙げられているので、放置しないようにしましょう。
無気力症候群になる理由
小学生の子供が無気力になる原因は『親子関係』や『友人関係』などの対人関係や『身体的疲労』が挙げられます。
『親子関係』は、親が子供に対してあまりにも口うるさかったり、子供が何でも話せる環境を提供できていなかったりすると、子供は無気力になってしまいます。
また、低学年の子供に多いことが、あまりにもママが強い影響力を持つ場合には、ママと分かれることで精神的なバランスを崩してしまう『分離不安』から無気力が発生することがあります。
『友人関係』では、友人に過度に影響を受けたり振り回されたりすることが無気力に繋がります。また、学校やお稽古場、塾でのトラブルも、子供の無気力を誘発する原因になります。もちろん、これは友人だけでなく教師にも当てはまります。
理不尽で不公平な行為をする教師、子供の人格を否定するような発言をする教師によって、子供が精神的に大きなダメージを受けて無気力になることもあります。
『身体的疲労』は、子供のスケジュールが忙しすぎると起こります。子供の時間的・身体的余裕を考えないで、毎日複数のお稽古事を組み込んだために子供は疲弊し、無気力になってしまいます。忙しすぎて睡眠時間が不足することでも子供は疲弊し、無気力になってしまいます。
親が子供の体力を考慮しないでスケジュールを組んだのではなく、子供自身が望んでスケジュールを忙しくしたとしても、疲労による無気力は起こります。
小学生のうちは、まだ自分がどの程度頑張れるのか、どの程度体力があるのかをしっかりと把握できていないので、自分の能力を超えたスケジュールを組んでしまうことで、無気力になるほど疲労が貯まってしまいます。
そのようなときは、「自分で決めたことだから最後までやり遂げなさい」と見守るのではなく、子供の体力を考慮して、「○曜日は休むようにしようか」とスケジュールを組み直すことも必要です。
子供の体力以上のことをさせていないか、子供がしっかりと眠れているか、いつも親が見守る必要があるのです。
勉強しない子供にどう接することができるか
スケジュールが忙し過ぎるわけでもない、親子関係や友人関係、教師との関係においても大きな問題は見られない。特に理由は見当たらなくても、勉強をしない小学生はいます。では、このような子供にどのように接することが出来るのでしょうか。
頭ごなしに叱るのはNG!
「とにかく勉強しなさい!」「勉強しないとだめでしょ!」「勉強しないなら、ゲームは取りあげるよ!」などと、頭ごなしに子供を叱っても、親が期待するような効果は得られないことが多いです。
万が一、子供が勉強する気になったとしても、勉強の大切さがわかったからでも勉強したいと言う気持ちになったからでもなく、ただ単に「親に叱られたくないから」「うるさく言われたくないから」勉強しているのです。これでは勉強の成果は出ずますます勉強嫌いの子供に育ってしまうことになります。
まずは時間をかけてゆっくりと
子供を勉強へと向かわせるためには、時間をかけて子供とかかわっていくことが必要です。子供が幼いときから、親自身が勉強したり本を読んだりする様子を子供に見せることも、子供が自然と勉強する環境には必要です。
特に小学校の低学年のときは、宿題や家庭学習は親が一緒にすることが基本です。どのように考えていくか説明し、きちんと宿題を仕上げる喜びを覚えさせていきましょう。
それに加え、子供がいつでも勉強できる環境を作ることも大切です。テーブルの上が散らかっているなら、勉強する前に荷物を整理したり、テーブルを拭いたりしなくてはなりませんよね。これでは、決していつでも勉強できる環境とは言えません。
思い立ったときにすぐに椅子に座って本を開くことができるよう、子供が座る可能性がある椅子やテーブル、床はきれいに片づけておきましょう。
もちろん、部屋が清潔で整理整頓されていると、子供の勉強したいという気持ちにプラスに働きます。大人も部屋が散らかっているときは、落ち着いて思考することができませんよね。
小学生の子供も同じです。きちんと整った部屋で勉強をする習慣をつけてあげましょう。
少しでも子供と一緒に勉強する時間を作る
子供が勉強する習慣をつけるために、親が時間をとって一緒に勉強することが大切ということは分かってはいても、仕事や家事、下の子供の育児のためにどうしても時間が取れないという方もいますよね。
そのような方でも、週に1度か2度なら、子供と一緒に勉強する時間を取ることができるのではないでしょうか。
毎日は無理でも、例えば土曜日の朝は一緒に勉強すると決めておき、「金曜日は宿題しなくていいよ。土曜日の朝に一緒にしようね」と子供に伝えるなら、子供も親と勉強する時間を楽しみにするようになるでしょう。
また、ママが勉強を見るとか勉強はパパの担当とか決めてしまうのはオススメではありません。ママかパパのどちらかが時間を取って子供と一緒に勉強するということが、子供の勉強に対するモチベーションに影響を与えますよ。
塾に入れる意味があるか?
子供の勉強を親が見ることができないから、代わりに塾に入れようと考えるママやパパもいます。また学校の勉強だけで良い成績を取ることは難しいと考え、塾に入れようと考えることもありますよね。
近年では小学生用の塾は非常に増え、ほとんどの子供が塾や勉強関係の教室に通っていますが、安易に皆が通っているからと塾に入れるのではなく、本当に塾に入れる必要があるかしっかりと吟味することが大切です。
塾に入れるべきかを考慮するときのチェックポイントを紹介します。
子供が塾で学びたいと思っているかどうか
仲の良い友人が行くから行きたいという理由では、勉強が身につく可能性は低いです。
子供が学校の教え方では理解できないと思っているかどうか
子供が学校での教え方に満足し、学習の進度が遅すぎると感じていないときは、あまり塾に通わせる意味はありません。
放課後の時間や土日を塾で過ごしたいと子供が考えているかどうか
他に子供がしたいお稽古ごとやスポーツがある場合は、勉強を優先させる必要はありません。
複数の塾を見学したか
初めは塾で学びたいと思っていなかった子供でも、自分に合った塾に通うことで、勉強の面白さに目覚めることがあります。塾に行かせようかどうか悩むときは、子供と一緒にいくつかの塾を見学し、子供の反応をしっかりと観察して下さい。その結果、どこかの塾に行きたいと考えることもありますし、塾には行きたくないと結論することもあるでしょう。
宿題をしない子供に対しては宿題の意味を聞かせる
テスト勉強や予習・復習は絶対にしなくてはならないことではありませんが、『宿題』は必ずしなくてはいけない決まりごとです。
宿題を小学生の子供がしないときは、約束を守ることの大切さ、ルールを守ることの大切さ、そして先生が子供1人1人の成長を願って出してくれるものが宿題であることなどをしっかりと話して聞かせる必要があります。
なぜ勉強が必要なのかと尋ねられたとき
小学校低学年のうちは親が話すことに疑問を持つということは少ないですが、小学校の高学年になると、親の話すことでも納得できないことは意見をしたり、理由を追究したりすることも増えてきます。これは、正常な成長の課程ですから歓迎すべきことですが、特に男子の場合、反抗期になると親の話に食って掛かるような反応を示すこともあるでしょう。
今まで大人しく勉強していた子供が、突然「なぜ勉強しなくてはならないのか?」と質問してきた時に何と答えることができるのでしょうか。
具体的にきちんと説明しよう
「勉強は大切だから」「勉強していないと大変なことになるから」などの漠然とした説明をすると、「どうして大切なの?」「大変なことって何?」と話が堂々巡りになってしまいます。勉強の大切さについて聞かれたときには、必ず具体的で子供が納得できる答えを与える必要があるのです。
また「私は小さいときにあまり勉強をしてこなかったから後悔している。あなたには後悔してほしくないから勉強してほしい」などと答えるのも適切ではありません。子供は、「自分も勉強しなかったのに、どうして私にはさせるの?」と親に対する不信感を育ててしまいます。
勉強は面白い!だから学んで賢くなろう!
子供がゲームを好きなら、ゲームに例えて話すのも良いかもしれません。
「ゲームをするときにたくさん情報を集めて、体力をつけていくと、強い相手にも当たれるようになるでしょう。勉強も同じで、たくさん知って、たくさん頭を使う練習をしておくと、これから困ったことやもっと知りたいことが現れても、対応ができるようになるんだよ。」
このように学ぶことや頭を使うことは、将来の自分のための基礎力を蓄えていることなのだということを理解させます。
また何か新しいことを知ったとき、親が素直に喜ぶことで、子供も知ることの楽しさを理解するかもしれません。知ると言うことは楽しい、学ぶことは楽しい、賢くなるのは嬉しいということを、子供にしっかりと自分自身の言葉で話して聞かせてください。
親が勉強に懐疑的だと子供も懐疑的に
「勉強なんて意味があるのかなあ」「これを知ったところで、将来的に何か得はあるのかなあ」などという懐疑的な態度を親が見せると、子供も勉強に対して懐疑的になるかもしれません。
もちろん、勉強することで将来に何かしらの役に立つことはありますが、勉強の根底にある「知りたい」「学びたい」という純粋な知的好奇心が大切であることを子供に教えていきたいものです。
どんなことにも例外は必要
その知識が将来的に役に立つかどうかではなく「一生懸命に学ぶ」という姿勢を小学生のうちに習得することが大切ですが、例外もあります。
例えば、子供がどうしても時間の計算だけはできないとしましょう。「時間の計算は大切だよ。時間の計算は一生使うよ。」と親が子供の不安をあおるような発言をするなら、子供は時間だけでなく算数全般、もしくは勉強全般を嫌いになってしまうかもしれません。
そのようなときは、「また、いつか分かるから」と例外を設けてあげるのです。子供にはまだ時間を計算するだけの能力が熟していないだけなので、今はまだ分からなくてもきつく注意するのは止めましょう。
数ヶ月後、数年後に時間の計算を振り返って見ると「あ、簡単にできた」「なんだ、そういうことか」とストンと腑に落ちるときがやってくることも多くありますよ。
小学生の時期に勉強が楽しいと実感することが大切
小学生のときは、テストの点数に一喜一憂するのではなく「勉強は楽しい」「もっと知りたい」と子供が思えたら良しとしましょう。勉強が楽しいことが分かると、自分から進んで学ぶ子供に成長しますよ。