友達ができない我が子が心配…親はどこまで首を突っ込むべき?
保護者面談の際に「○○君ですが、ひとりぼっちでいることが多いみたいで。私どもでも声がけ等はしているんですけどどうしても・・・」と、担任の先生から言われ、我が子に友達がいない可能性を目の当たりにすると大きな心配が生じてしまいます。
もしかしたら、我が子に友達がいないという現実と、その状況を知らなかったの自分を、責めてしまいたくなるかもしれませんね・・・。
親の自分に友達がいるからと言って、子供にも自然に友達ができるものと思ってしまいがちですが、よく考えると子供は子供の個性があって当たり前、ならずしもそうとは限りませんよね。
もちろん「どうして友達ができないの?」「自分から話しかけて友達を作りなさい!」と責めたてたって良くないことくらいは重々承知、とは言っても、園や学校での生活を一人寂しく送るのはやっぱり辛いだろうと思うと、黙って何もしないでもいられず、ほとんどの人がグッと堪えて、我が子に友達ができない原因について探ることでしょう。
子供に友達ができない原因とはどこにあるのでしょうか?また、友達ができない子供にどのような対策をすべきなのでしょうか?友達関係を作っていくのは本人次第とはいっても、親にサポート出来ることはないのでしょうか?
友達が多い子もいれば、少ない子もいる!
小学校の入学式で、新入生が「一年生になったら」という歌を披露することがあります。冒頭の歌詞には、「一年生になったら、一年生になったら、友達100人出来るかな・・・」という部分があるように、なんとなく大人は子供に「たくさん友達を作って欲しい」と期待をしてしまいます。
ですが、友達がたくさん!という状態が子供本人にとってそんなに魅力的でないのなら、親の持つ園や学校生活のイメージとは食い違いは生じてくるところですね。
重要なのは友達の数ではない
子供がたくさんの友達に囲まれて毎日笑顔で過ごす姿や、放課後は友達との遊びに一生懸命な姿―――親は、子供に友達がたくさん出来たらいいなぁと無意識に期待してしまいがち。親自身、幼少期に自然に良好な友達関係を築くことができていたなら、「友達なんて自然にできる」と考えてしまう部分はあるかもしれませんね。
しかしながら、世の中の子供達が全員、たくさん友達が欲しいと思っているわけではありません。友達の数は少なくても、子供なりに信頼できる子が一人二人いれば満足していることもあるのです。親が勝手に「この子は友達ができない」と思い込んでいるだけで、当の本人は少ないながらも現状に満足している場合もあるのかも知れません。
「友達の数が少ない=友達ができない=心配」という解釈はひとまず止めましょう。子供1人1人、友達作りのタイプは違いますし、友達がたくさんいる子もいれば少ない子も必ずいます。子供自身が友達が少なくてもいいと思っているのなら、心配するのではなく在り方を認めてあげましょう。
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友達ができない子に試して欲しい2つのこと
ですが、子供が友だちができないと悩んでいるのなら、親が子供にしてあげられることはあります!
1.得意なことを見つけてあげる
子供が特に引っ込み思案な性格だったりすると「一緒に遊ぼう」「仲間に入れてくれる?」という一言はなかなか出てきません。
引っ込み思案すぎて心配ならば、様々なことに挑戦する環境を作ってみましょう。サッカー・水泳・そろばん・料理・ダンスなど何でもOK。その中で期間はかかりますが、引っ込み思案なりにも「挑戦する意義」を教えつつ、前向きに過ごしていけるようにサポートをしてあげましょう。子供が頑張ってみたことにはどんな小さなことも褒めてあげて!
何かにつけて自信満々な子供もそうそういないもの。こどもですから、やることなすことへの大抵は経験値は浅く、挑戦と失敗を繰り返して自信を付けていくわけで、自信を育む後ろ盾は親の存在となります。
もしその中で子供が熱中できることが見つかれば自然と自分に自信が持てるようになるかもしれませんね。
2.学校以外でたくさんの人と関わる時間を作る
幼稚園・小学校・中学校の友人がすべてではありません。大人になっても子供時代からの友人がいる人もいますが、大学の友達、社会に出てから仲良くなった友達も多いはず。友達とは成長や環境の変化とともに移り変わって行くものです。ですから、別に特定の場所での友達にこだわる必要はありません。もちろん同年代でなくてもOKです。
例えば小学校で友達ができないのなら、他の場所で友達を作ればいいわけで、習い事や地域のサークルなど、積極的に親が子供を連れだして、たくさんの人と接する機会を増やしてあげれば、自然と子供のコミュニケーション能力も高まっていき、子供なりに友人を見つけてくれることでしょう。
アクションを起こすのは、子供から打ち明けられてから
「うちの子はどうして友達ができないのかしら」「学校の先生に相談しなくちゃ」と親が下手に出ることで、トラブルでないこともトラブルにしてしまっているケースも少なくありません。子供は現状で満足しているとしたら目も当てられません。「友達はたくさんいなければ、幸せではない」イメージを持つのなら、最初に取っ払いましょう。
親が子供に対して何かしらのアクションを起こすのは、子供が「学校で友達がいなくてつまらない」と悩んでいるとき、自分から打ち明けてきたときです。このときばかりは子供をしっかりとサポートするようにしてあげて!子供からの相談をちゃんと聞いて、悩んでいるその気持ちを受け止めてあげましょう。また、親の固定観念をゴリ押しするのではなく、子供がどうしたいかを引き出し子供と一緒に問題の解決を探していく姿勢でいたいですね。
子供に友達ができないのには何か原因が?
友達ができないことを打ち明けてきた子供…。そのとき、我が子に何か問題があるのかもしれないと少し不安になってしまうでしょうか?
友達ができなくて悩む子であれば、とりわけ積極的な性格ではないでしょう。ですが、多少控えめな性格だとしても、それ自体は問題ではありませんし、目立ちはしないとはいえ、むしろ控えめな性格には良いところもたくさん伴うものです。が、本人が友達が欲しいなぁと感じているのなら「どうして友達ができにくいか」は押さえておきたいポイントになります。
友達ができる子できない子にはどんな違いがあるのか、友達ができない理由を探っていきましょう。
年齢別にみる友達ができない子供たち
友達がたくさん出来る子。友達ができない子。さて、友達ができない子にはどのような傾向がみられるのでしょうか?年齢別に友達ができない理由と対応方法を探っていきましょう。
幼稚園(年少)の場合
幼稚園の年少さんという時期は、赤ちゃんと幼児が混ざり合っているような発達段階。友達と楽しく遊んでいる日もあれば、ママのそばを離れたくないと泣き叫ぶ日だってあるでしょう。
まだ年少さんの段階では、1人で夢中になって遊んだり友達と遊ぶよりもママが大好きという子は多く、園でなかなか仲良しの友達ができない様子を見ても焦る必要はありません。
年少さんは友達ができる・できないという感覚はあまりなく「同じクラスで過ごす=みんな友達」という意識が強いと言えます。
幼稚園(年中)の場合
幼稚園の年中さんになってくると、特定の仲の良い友達ができてくる子もいますが、まだまだみんな友達!という感覚は色濃く浸透しています。1日にたくさんの友達と遊び、特定の仲良しさんを作ることなく誰とでも隔てなく遊ぶ子も多く見られます。
我が子に「園で誰と仲が良いの?」と聞いても、「誰も」とつっけんどんに返されると「エッ…」と思ってしまいますが、ちゃんとお弁当を食べ、作品を作ったりなど園にいる時間を無事に過ごしているのであれば、まだ心配しなくても良いでしょう。
その一方で、誰とも馴染むことが出来ずに、一人ぼっちになってしまう子が目立ち始めてくるころ。特別に内気だったり独創的な世界を持つ子だったりはしますが、「友達ができなくてつまんない…」と子供が打ち明けてきたら、子供の話を聞いて「そっか、ほかの子も一緒に遊びたいかもしれないよ^^明日話しかけてみる?」と安心するように促してあげましょう。ですが、4歳の子供が思い切って自分からアクションを起こすことは難しいので、できなくても「頑張ろうと思った」気持ちを褒めてあげましょう。
また、幼稚園の先生にその様子を伝えるなら園にいるあいだ意識してみていてくれるはず。園の先生に「○○君、お友達と先生と一緒につみきで遊ばない?」など声掛けしてもらうなど、友達の輪の中に入っていきやすい環境を整えてもらえるなら、子供も友達とかかわりやすくなるかも知れませんね。
我が子に友達ができないことで心配や不安で悶々としているなら、幼稚園の先生に日中の子供の様子を聞いてリサーチすることも大切です。
幼稚園(年長)の場合
年長さんになると、子供達の中でもリーダー的な存在の子、大人しい子など、一人一人のキャラクターがハッキリとしてきます。そうなると、自然とリーダータイプの子の周りには友達がたくさん集まり、大人しい子は目立たなくなりがち。ひとりぼっちになる子は控えめだから後れを取ってしまいがちな面があります。ですが、大人しい子は友達ができないわけではなく、自分と波長の合う友達を見つけて、一緒に居ることが多いでしょう。
もし、年長さんの段階で「同じクラスのお友達が誘っても、友達との関わりを持とうとしません」などと幼稚園の先生に言われたら、注意してみてあげるべき。子供ながらに自分の殻に閉じこもってしまうときは、子供の心に何か大きな負担がかかっている可能性もなきにしろ非ずと言えます。
こんなときに親をはじめ周りの大人が出来ることは、どんなに忙しくても子供にたっぷりの愛情を注いであげること。殻から出てきても安心だとわかれば、自然と友達と関わる余裕も生まれてくることもあります。
もともと1人遊ぶが好きなど、経過を見守っていられる個性の範疇、つまり発達などに違和感を感じないケースでは、こういうキャラクターの子として受け止めてあげましょう。
小学校低学年の場合
小学校へ入学すると環境がガラリと変化します。それと同時にそれぞれの子供達の変化にも個人差が現れます。入学してすぐに友達がたくさんできる子もいれば、友達ができない子も。しかしながら、低学年のときに「うちの子、友達ができないのでは?」という親の気をよそに、当の本人があまり気にしていないのなら心配しないでいてあげましょう。
小学校に入学したばかりの段階なら親から離れることへの不安感や寂しさが先立って、それがなかなか積極的になれない要因となっていることもあります。同じクラスの同級生と仲良くなれたら学校生活にもっと意識が行くのでは?と思うときは、「今度お家にクラスの子を招待してみたら?」と提案してもよいかもしれませんね。
「学校にいる間は親と離れていても、家に帰ると親が受け入れてくれ、困ったことにもこうやって一緒に考えてくれる」と思えると子供は自然に安心できますし、その安心が友達の輪の中に入るハードルを低くしてくれるでしょう。
ただし、いつも誰とも話すことが出来ない、大勢の子を前にするとパニックになってしてしまうなど、コミュニケーションの様子に明らかな違和感を感じるときは、個性や性格から少し離れた問題がある場合も。発達に問題がある可能性も踏まえて、専門家に相談し正確なアドバイスを経て接し方の方向性を判断していくのが子供のためです。
小学校高学年の場合
小学校高学年になると、子供達の友達関係は大人が考えている以上に、複雑化していきます。積極的にリーダーとなる子、大人しい子だけでなく、中には悪口を言う子など、クラスの中にさまざまなキャラクターが存在します。それぞれの子供たちの中で友達の格付けも始まる時期でもあり、「この子は、大好き。この子はあまり好きじゃないけど、うまく使えそう」など、ずる賢く頭の中で考えてしまう子も。そんななかで人間関係のトラブルが起こったなら、子供の問題だけにはとどめておけないほどに深刻な状況になってしまうこともあります。
また、小学校高学年となると、もう思春期の入り口に差し掛かっている頃で、小さな頃のように親に何でも打ち明けていた子供時代は終わりを迎えています。親の対応も複雑になる子供の悩みに沿って変えていく必要があるでしょう。
子供から悩みを打ち明けてくれたとき
まずは、そんな小学校高学年の子から「学校で友達ができないん」と打ち明けられたら、打ち明けてくれたことに「ありがとう」を言いましょう。できれば、しっかり抱きしめて「打ち明けてくれてありがとう」と、素直に話してくれた子供を全身で受け止めてあげるのがベストです。
子供が「お父さんやお母さんが考えているほど、友達関係は簡単じゃない」「俺(私)の話なんて、どうせわからないでしょ?」と思ってシャットダウンしてしまえば、事態はこじれていく一方ですが、気持ちをしっかり受け止めてもらった上ならば、両親も自分と同じように苦労して悩んできた話も、打開のための考え方の提示も前向きに聞くことが出来るはずです。
- 学校が辛いと打ち明けられた時の子供に寄り添った対応
学校生活が辛いと子どもに告白されたとき、あなたはどう受け止めてあげられますか?学校が辛いという子どものリアルな現状を探り、親としてどう対応すべきなのか、学校以外の選択枠などについても詳しく解説します。
子供が素直に打ち明けてくれたケースならば、子供の気持ちを知るヒントもたくさんありますが、中には「親に友達ができないことを知られたくない」「親に心配をかけたくない」と友達ができないことを黙っているパターンもあります。
ですが、たとえ子供が何も言わなくても、親は子供の言動や行動から何かしらの違和感を覚えるもの。もし、子どもの言動でちょっと気になることがあれば、子供が居心地良いリビング、話しやすい環境に気を配りましょう。それとなく振った話題に寡黙になるならば、「どうしたの?」とも聞けますが、子供がなかなか打ち明けないときには、担任の先生に学校生活の様子を聞いてみるのも良いかもしれません。
友達ができないのは、親のせい?
子供に友達ができない原因を親が作り出していることもあります。子供が友だちができないことに悩んでいるのを知ったのなら、ぜひ一度、ご自分の行動や言動も振り返ってみましょう。
例えば、家庭内でいつも子供を怒鳴っていると、子供の自信が育たないばかりか何に対しても無気力になってしまうこともあります。
「何でこんなこともできないの?」「バカでしょ!」「はぁ、お金かけているのに成績が伸びないし」など心ない言葉は、子供の心をいとも簡単に傷つけます。親に認められることなくただただ傷つけられたなら、子供は人の目を見て話せなくなったり、無気力になり誰とも関わりたくないと思ってしまっても不思議はないのかも知れません。
また、子供は親の言動や行動に非常に敏感です。例えば、親が常時強い口調なら子供の口調も似てくることは往々にしてあります。
子供が無意識のうちに「○○って本当にダメよね!」「やめなさい!」「あっち行って!」などと親に言われた言葉を真似し、たびたび友達を傷つけてしまうなら、友達はできにくくなってしまうでしょう。
親子の対話は子供のコミュニケーションスキルを磨くベースを築きます。否定や命令口調は子供をコントロールする上では楽かもしれませんが、子供というひとりの人間を育てている以上、子供を制圧するような強い口調はNG。「そういうことは、皆が嫌がるからやめようか」「もっと他の方法でしてみれば?」など、提案をするような口調で伝えてきましょう。
子供に友達ができなくても・・・
- コミュ力を鍛えるべし!子供をコミュ障にしない親の接し方
子供のコミュ力を鍛えるためには親のサポートが必要不可欠?将来子供がコミュニケーションで苦労をしないために子供のコミュ力を育みましょう!子供を取り巻く環境の変化や子供のコミュ力を育む親子の接し方とは?
友達とひとくくりにいっても、生涯の親友のような結婚相手との信頼関係をも越える友情を築くこともあれば、年齢や環境が変わるに伴い遊ばなくなって、おとなになった頃には完全に忘れ去ってしまう友達もいます。子供が園や小学校で友達ができないからと、不幸で孤独な人生が決まってしまうわけではありませんよね。
また、もし子供が友達ができないと悩んでいることを伝えてきてくれたのなら、子供は親の愛情を信じて頼ってきてくれた証拠。愛すべき子供が悩んでいたら「相談してくれて嬉しいわ、一緒に考えていこう」と、子供自身が「友達あんまりいないけど、別にいいの」といった様子なら、「あなたが幸せならそれでいい。愛しているよ」と親の気持ちを伝えましょう。
今、現時点では友だちがいなくても、親や兄弟から愛されているし大丈夫!という安心感が、子供の友達作りにも良い影響を与えることを願いましょう。