おじいちゃんと孫が一緒に遊んでいる姿って微笑ましい
子供を公園などで遊ばせていると、おじいちゃんと孫という組み合わせを見かけることが増えました。私たちの父親世代は、まだ子育ては女の仕事という意識が強い人が多く、以前は孫の面倒もあまり見ない人が多かったのですが、イクメンの登場で徐々に変化が起きているのかも知れません。
最近では、おじいちゃんと一緒にプリクラを撮る中高生もでてきました。この現象からも、おじいちゃんも積極的に孫と遊び、おじいちゃんと孫の距離が縮まっていることが伺えます。
実際私も、仕事で忙しいときは父に子供を預けることが多く、子供はじぃじとの思い出をたくさん持っています。そんなおじいちゃんと孫の関係で得られるメリットと、おすすめの遊びやスポットを紹介します。
おじいちゃんと孫が一緒に遊ぶメリット
育児経験があまりないおじいちゃん。そんなおじいちゃんが孫と接することで、おじいちゃんと孫が得られるメリットについて体験談を交えながら見ていきましょう。
1.子供がお年寄りを思いやれるようになる
子供は、おじいちゃんやおばあちゃんと接する機会が増えることで、自然とお年寄りや弱者に対して優しい気持ちが持てるようになります。子供は見ていないようで、接する相手のことを実はしっかり見ています。おじいちゃんと接する中で、子供は相手の動きに合わせられるようになり、おじいちゃんでなくてもお年寄りのことを思いやれるようになります。
やんちゃな子だと思っていたけど…
K.H(30代前半)
5歳になる息子はとにかくやんちゃ。子供が休日の日に私の仕事があると、実家に子供を預けていましたが、やんちゃなので両親が疲れないか心配していました。特に父は足が弱かったので不安でしたが、孫が来ると嬉しいと言ってくれていたので甘えていました。ある日、スーパーで買い物をしていると、息子が足の悪いおばあちゃんが落としたレシートをさっと拾って渡しました。恐らく、父との関係の中で覚えた優しさだと感動しました。
日頃足の弱い大人と接していないと、とっさにはできない対応です。子供は、親から見ると甘えてばかりのように見えますが、日々しっかり成長しているのが分かるエピソードです。
2.おじいちゃんが元気になる
子供をおじいちゃんに預けるとき、体調を考慮するのは当然ですが、大変だろうと遠慮しすぎるのも問題です。男性は、仕事をしなくなると体を動かす機会が減るので、足腰も女性より弱りやすい傾向にあります。孫を預けて強制的に体を動かす機会を作ってあげることで、おじいちゃんは元気な体を持続しやすくなります。
孫とのプールが日課になっています
A.H(30代前半)
曜日によって仕事の帰りが遅くなるときに、実家に子供を預かってもらっています。父は、孫が来ると近所のプールに連れて行くのが日課になっていて、子供もそれを楽しみにしています。父は元々運動嫌いなのですが、孫とプールに行くようになり他の日も通うようになりました。母も、あまり動かない父を心配していたので、プールが習慣になったことを喜んでいます。
自分だけで運動を日課にするのは難しくても、孫と一緒ならできるというおじいちゃんは多いでしょう。プールとまではいかなくても、孫との軽い散歩などが日課になると、自然とおじいちゃんの運動にもなります
3.親以外の大人と接することで子供の世界が広がる
子供に接する大人が一人増えると、それだけ子供の世界は広がります。パパやママが教えられないことも、おじいちゃんやおばあちゃんと接することで学べたり、新しい考え方ができるようになったりします。
手遊びが上手になった
T.I(20代後半)
ママ友家族と公園で遊んでいたとき、5歳の娘が落ちていた葉っぱで笛を作って、他の子供に作り方を教えていました。私は作り方も知らなかったので驚いたのですが、父が子供に教えてくれたようでした。他にも、私が作れないような折り紙を覚えて来たりして、父には本当に感謝しています。
限られた大人と接するだけでは知らないようなこと、私たち世代がよく知らないような遊びも、世代が違う両親と接することで子供は色んな事を学べます。
4.地域の人に子供の顔を覚えてもらえる
地域にもよりますが、おじいちゃんの年齢になると地元の人との付き合いが密なので、一緒に遊ぶことで周囲の大人に顔を知ってもらえる機会が増えます。「〇〇さん家のお孫ちゃん」ということで、周囲のお年寄りに可愛がってもらえるようになると子供にとってメリットになります。
最近では、子供が危険なことをしていても注意をしてくれる人が減りました。顔を知っている子供なら声をかけやすいので、危険なことをしたり危険に巻き込まれそうになったりするとき、周囲の人が子供の顔を知ってくれていることは大きな抑止力になります。
近所の人に野菜をもらったと嬉しそう
T.I(30代後半)
長期休みの際、10歳と8歳の子供を夫の実家に預けることが多いのですが、子供が近所の人に野菜をもらったと、とても嬉しそうに話してくれました。他にも、○○のおばちゃんがお菓子をくれた、隣のおじちゃんが自転車を直してくれたなど、ご近所ぐるみで可愛がってもらえているようで、すごく安心しています。
たくさんの人に愛されているという経験をすると、子供はとても穏やかな性格になります。また、周囲の人が見てくれているということは、見られているということでもあるので、自然と周囲に迷惑をかけるような行動を控えるようにもなります。
5.おじいちゃんの世界が広がる
仕事一筋で生きてきたようなおじいちゃんは、孫を通じて世界を広げることができます。公園などで他の人と会話をしたり、子育てに関心を持ったりすることで、孫がいなければ知り得ないような世界を見ることができるようになるのです。孫育てが終わってからも、ボランティアで子育てに関わるおじいちゃんもいるほどで、孫を通じて生き甲斐を見つけるケースも少なくありません。
父が地域に貢献するようになった
Y.N(30代後半)
仕事ばかりだった父に孫を預けるようになり、笑顔が増えたことを母は喜んでいました。しかしそれだけではなく、出不精の父が孫に竹とんぼや凧を作って喜んでくれた経験をしたことで、地域のボランティアに参加するようになりました。小学校やイベントなどに出向き、モノづくりを教えるボランティアです。新しい生き甲斐を見つけて、家族みんなで喜んでいます。
親である私たちにも、子供ができたことで初めて見える世界があるように、おじいちゃんも孫を通じて新しい世界に接する機会が出てきます。それが、生き甲斐までに発展するというエピソードは素敵です。
6.周囲とおじいちゃんの会話が増える
おばあちゃんは同性であり子育ての先輩なので、会話が途切れるということはありません。しかし、おじいちゃんとなると、実の父親とはいえ何を話していいのか分からないというシーンが出てきます。
子供をおじいちゃんと遊ばせる習慣があると、子供を通しておじいちゃんとの会話が増えます。「子供が、この前おじいちゃんと遊んで楽しかったんだって」といった話から、会話がどんどん広がっていき、あなたのお父さんとの会話が増えていきます。他にも、おばあちゃんとの会話も増えるので、おじいちゃんが周囲とコミュニケーションをとる機会が増えるのは大きなメリットです。
結婚前より今が一番父と仲良しです
H.F(20代後半)
結婚するまでは、父と話すことはあまりなかったのですが、子供が生まれて預かってもらうようになってからは、父と会話をする機会がすごく増えました。たぶん、今が一番父と仲が良いとおもいます。以前は、父と買い物に行くなんてほとんどなかったのに、今は父と子供と一緒に買い物に行くことが増えました。
以前は、父と娘という関係がギスギスしていても、孫ができたことで関係が良くなったという話しはよくあります。お父さんとの関係が希薄だからと子供を預けていないという人は、一度お父さんを頼ってみてはいかがでしょうか。
おじいちゃんと孫が接することは、周囲の家族にもたくさんのメリットがあります。おじいちゃんの体調には気を付けながら、元気であれば思いっきり甘えて頼りましょう。おじいちゃんは、今よりもっと元気になってくれるはずです。
おじいちゃんと孫におすすめの遊びやスポット5つ
おじいちゃんに子供を預けるとき、子供も楽しめておじいちゃんにもメリットのある、おすすめの遊びやスポットを5つ紹介します。おじいちゃんがどこで遊ぼうか迷っていたら、提案してみてください。
1.映画を見に行く
映画は、シニア世代を対象に割引サービスをしているところが多いので、ママやパパと一緒に行くより比較的安く行けるのが魅力です。子供が見たい映画があれば、ぜひおじいちゃんと一緒に行ってもらいましょう。たっぷり2時間ほどはあるので、おじいちゃんもゆっくり時間を過ごせます。
家でDVDやテレビを見るのもいいのですが、映画館までいく道のりを楽しみ、一緒に大きなスクリーンで見たものを共有できることは、自宅では味わえない思い出になります。
2.モノづくりを教えてもらう
おじいちゃんの中には、モノづくりが好きな人も多いので、孫と一緒に工作などをしてもらうのもいいでしょう。夏休みなどは、一緒に課題を済ませてもらうと、おじいちゃんにとっても子供にとっても素敵な思い出になります。
友人のおじいちゃんは、石に絵を書いて飾ったり、竹でモノづくりをしたりするのが上手いので、孫とよくモノ作りをしているそうです。そのおかげか、友人の子供はとても手先が器用で、工作などでは賞を受賞することがあります。
パパやママは日頃忙しく、子供とじっくり時間を取ってモノづくりをするのは難しいですが、おじいちゃんならそれが可能です。手先が器用なおじいちゃんには、孫と一緒に何か作ってくれるようにお願いしてみましょう。
3.公園で一緒に体を動かす
女性はいくつになっても体を動かすので、おばあちゃんは比較的日中動いている人が多いでしょう。しかし、おじいちゃんは元々体を動かすことが好きな人でなければ、なかなか体を動かす機会がありません。
そこで、孫も思いっきり遊べておじいちゃんも体を動かせる公園で遊んでもらうのは、お互いにとってメリットのある遊びです。最近では、公園におじいちゃんと孫で遊びに来ている人たちを良く見かけるので、このメリットを感じている人が多いのでしょう。
また、おじいちゃんの世代は、葉っぱや枝で遊んだ経験のある人も多いので、ママには教えられない自然を利用した遊びを孫に教えてもらえるメリットもあります。
4.市民プールで体を動かす
私が行っている市民プールでは、おじいちゃんと孫という組み合わせを頻繁に見かけます。プールは、子供にとっても良い運動になりますし、おじいちゃんにとっても全身運動のできる良いスポットです。
水が絡む遊び場は危険が多いのですが、監視員が常駐していて大人の多い市民プールは、子供を安心して遊ばせられるのも魅力です。おじいちゃんが遊ぶ場所に困っていたら、近くの市民プールを勧めてあげましょう。
5.雨の日におすすめショッピングモール
雨の日に孫の面倒を見るのは、祖父母の世代には少々大変です。そんなときは、雨の日でも安心して遊べるショッピングモールがおすすめです。キッズコーナーに行けば、子供は勝手に遊ぶのでおじいちゃんも楽に子供の面倒がみられます。
私の子供は、おじいちゃんと度々行ったショッピングモールを見ると「じぃじのお店だ」と言います。父は亡くなりましたが、未だにおじいちゃんとの思い出をショッピングモールが蘇らせてくれるようです。父も、夏や冬でも安心して遊ばせることができていたようなので、おすすめのスポットです。
せっかくおじいちゃんと一緒の時間を過ごすのなら、ママとはできないような遊びをしてもらうのがおすすめです。おじいちゃんの個性に合わせて子供を遊ばせてもらうと、ママが気付かない子供の個性が引き出されることもあります。
おじいちゃんと孫が遊ぶと家族がハッピーになる
おじいちゃんと孫が接することは、お互いにたくさんのメリットがあるだけでなく、周りの家族もハッピーにしてくれます。子供は世界観が広がり思いやりの持てる性格になりますし、おじいちゃんは元気になってくれます。
私も、父にはずいぶん子供の面倒を見てもらいましたし、姪っ子たちを含めると4人、みんなおじいちゃんが大好きです。特に息子は、同性であるおじいちゃんを尊敬していて、たくさんのことを学びました。
おじいちゃんは、おばあちゃんと比べると子供を預けにくいと感じる人も多いですが、おじいちゃんが元気であれば遠慮しないでどんどん頼ってみましょう。