母娘関係の悩み1.娘との喧嘩&確執
母と娘の関係にはいつも悩みがつきものです。
ときに友達以上に気が合うことがあれば、どうしても許せないことがあると大きな喧嘩につながってしまうこともありますよね。それは娘がママと同じ性別なので、無意識的に自分と重ねあわせてコントロールしてしまいがちなためです。
育児は自分の考えと違う態度をとられることがしばしばあるので、「娘もひとりの人間だから仕方がない…」と頭ではわかっていても、どこかで理解できない娘に対してイライラが募り、最悪な場合は家族で実の娘である存在にもかかわらず「嫌い」だと感じてしまい母娘の確執にまで発展してしまうケースです。
娘との喧嘩や確執はどのようなことがきっかけで生まれてしまうのでしょうか?そしてふたりの間に生じてしまった亀裂はどうしたら修復できるのでしょうか?
なぜ母と娘の間に確執ができる?
最近は「毒親」「毒母」と呼ばれる母親のトラウマに悩まされている成人女性が増え、ニュースなどで取り上げられることも度々あります。既婚女性を対象に母親との確執があるかアンケートを実施したところ、なんと4割もの女性が母親との間に何かしらのしこりを感じていることがわかりました。
この母と娘の確執は、反抗期を迎える中学生から高校生頃の間に生まれやすいと言われています。この時期に生じた小さなわだかまりが、大人になってからもずっと母と娘の関係を苦しめてしまうことも往々にしてあるのです。
- 娘を嫌いだと感じてしまう原因は何?母と娘に生じる確執
娘を嫌いだと感じてしまっている人、過去に感じた人は沢山います。解決策も沢山あり自分に合った方法を色々と試しながら大人になっても仲の良い母娘でいられることを目指しましょう。
母親の言葉に傷つき、心の傷になっている
学生時代に娘とけんかをしたとき、ママは「産んだことを後悔している」「大嫌い」などつらい言葉を無意識的に言ってしまうことがあるかもしれません。ママ自身は忘れているかもしれませんが、娘の心には深い傷になってずっと残ってしまうことがあるのです。
ママは反抗期の娘からその何倍もひどい言葉を投げかけられることもあるかもしれませんが、そこは大人として親として一歩二歩くらいは引いて、言ってはいけない言葉のラインを持っていた方がいいでしょう。
しつけに愛情を感じられなかった
娘が成人してから困らないようにと、マナーやルールを口すっぱく言っているママもいるでしょう。しかし、ひとりの大人としてママから自立しようとしている思春期の子供にとって、ママの注意は逆効果になることがあります。その結果娘から反抗的な態度を取られてママはイライラ…ふたりの関係が負のスパイラルに陥ってしまうきっかけにつながってしまいます。
ときに子供はママからすると信じられない態度や振る舞いをすることもありますが、常識の範囲内であればそっと見守ってあげることも大切です。
ママとの間にできた確執は娘にどう影響する?
母と娘の関係が不仲な場合、娘が大人になってから悪い影響が出ることもあります。娘にとってママの姿は、将来娘が感じる幸福感や充実感に対して影響力を持っています。同性であるママの生き方や娘への接しかたが、娘の将来の価値観にいつの間にか強く関係しているのです。
将来の娘の子育てに、現在の母娘の確執が連鎖する
娘は無意識のうちに自分が育てられたように自分の子供へ接します。そのためママと確執やしこりが残っている場合、娘が子供へきつく当たってしまったり、最悪な場合虐待につながってしまうことも否定できません。
確執ができたきっかけはほんの些細なことであることは多く、母と娘のつながりはそれだけ根が深くなりやすいところがあるのかも知れません。
自己肯定感が低く、人間関係が苦手になる
幼少期からの親子関係の中で自然と構築された潜在意識は、子供にとって人間関係を含むあらゆることに影響を及ぼすと言われています。娘が最初に気づく対人関係はまずは身近にいるママ。その姿や関わりから多くのことを学びます。
長い時間一緒に過ごしたママとの関係が悪くなり、傷つく言葉や態度を繰り返し浴びてしまうと、その経験が娘の価値観を形成し、無意識的に自分を否定する思考に走ってしまうこともあります。
自分を受け入れられないだけでなく、他人も受け入れることができず、対人関係が苦手になってしまったり、自分に自信が持てなくなってしまったり、マイナス思考になってしまったりするのです。
娘を嫌いになる前に/母と娘が確執から脱出する方法
娘との喧嘩やイライラが長く続いてしまうと確執につながってしまい、娘が成人してからも溝が埋まらないまま関係が修復しづらくなる可能性があります。そうはならないためにも、確執ができる前にママが一度心の余裕を取り戻して、娘との関係性を客観的に捉えることが大切。
余裕を取り戻すには夫や友達に話を聞いてもらうことや、家事をお休みして家族と離れてお出かけして心と体の疲れを癒すことを意識しましょう。ママがリフレッシュできると、自然と家族にもいい影響をもたらしてくれますよ。
- 母親が嫌い!理由の多くは過干渉?過保護になってない?
例え子供が母親が嫌いになろうと母親をやめられるわけではありません。子供が母親を嫌う理由からどのように接するべきか対応を探っていきましょう。とりわけ思春期の子供は反抗期真っ只中で取り扱いは難しい?!
母と娘の関係は難しいもの!信頼できる人に話を聞いてもらう
まずは第3者に話を聞いてもらうことが大切です。心のモヤモヤを言葉にするだけでも、自然とスッキリしてきて娘のことを許せる余裕が出てくるでしょう。意外にも同じような悩みを抱えているママ友もたくさんいるかもしれません。共感できる人がいると「自分だけじゃなかった」と安心感にもつながりますよね。
さらに他人のアドバイスに耳を傾けることも大切です。ママだけの考え方では盲目的になってしまい「娘のしつけはこうしなければならない」と思い込んでしまっていることもあるため、冷静に考えるとママの意見が間違っていたなと思えることもあるでしょう。大人になってからも不仲が続いている親子には、親が子供の意見を受け入れなかったケースが多いと言われています。
休息とり、心に余裕が持てるようにする
確執ができやすい時期は、娘に対して余裕を持って見守れなくなった場合に多くなると言われています。毎日家事や仕事に追われ、その上反抗期の娘の態度に振り回されてしまうとママはイライラしてしまいがちですよね。イライラが募ると、娘に心ない言葉をかけてしまうこともあるでしょう。
たまには家族に家事をお願いしてみたり、企業の家事代行サービスを活用するなどして、家族と離れてひとりきりや友達と食事をするだけでも家族との関係性を客観的に捉え直すいい機会になるかもしれません。週に1度くらいは家事から解放されて、自分の世界を楽しむ時間を作ってみてもいいでしょう。
母娘関係の悩み2.仲が良すぎる親子も問題?共依存の可能性も
母娘の共依存とは、娘はママが大好きで何でも言うことを聞く、ママは娘のことに熱心で本人以上に学校や塾のお世話をする、お互いに自立できずに依存しあっている関係です。近年急増しているこのような仲のよすぎる母と娘の関係に専門家は警鐘を鳴らしています。
共依存の関係にある娘とママは一卵性母娘(いちらんせいおやこ)、友達母娘(ともだちおやこ)や母娘カプセル(おやこカプセル)とも呼ばれています。一見すると理想的な母と娘の関係性に見えますが、実は仲が良すぎる関係にも素知らぬ顔でいられない問題が・・・。
仲がよすぎる母娘関係の問題点
娘にとっては何気ない話も深刻な悩みも、ママにはなんでも話すことができて、一番の理解者はママ。休日はママとお出かけをしたり映画を見に行ったり。母娘旅行、スマホはお揃い、服は貸し借りが当たり前…といった友達よりもママの方が仲良しという関係だとしても、お互いの距離感が上手く取れていれば問題ありません。ですが、子供にとってママの存在が何よりも大事!という状況に陥ってしまうと様々な問題が発生してしまう恐れがあります。
娘が中学生や高校生のころなら、ママとの仲が良いことの問題が表層化することは少ないですが、過度な関係が大人になってまでずっと続いてしまうと、娘にとって社会的な問題が様々でてくる危険性があります。
まず、お互いに依存してしまう「共依存」の関係は、相互に気づかう関係において第三者を排除する傾向にあるため、娘が世間的に間違った行動をしていても親は娘を肯定してしまい、母と娘以外の対人関係において問題が発生しやすくなってしまう問題があるのです。
娘が大人になってからも人生を幸せに生きてほしいと願うなら、そろそろママは娘から自立する時期がきているのかもしれません。
アダルトチルドレン
アダルトチルドレンとは、子供時代の環境が影響して大人になっても生きづらさを抱えていることを指します。ママと共依存の関係で娘が育ってしまうと、幼少期に身についた考え方や感じ方の偏りのせいで社会に適応できないなどの問題を抱えてしまいます。
パラサイトシングル
仲がよすぎるママと娘の関係が大人になってからも続いてしまうと、ママは娘が実家から出てしまうと心の拠り所がいなくなったような感覚に襲われてしまう恐怖のあまり、実家から出ることに反対してしまいます。
娘も経済的にも精神的にも楽な実家にいたいので、実家を出るべきときに出ないならいつまでたって完全に自立ができないという問題点が挙げられます。
一緒にいて居心地のいい娘がずっと実家にいてくれることで「娘に老後を見て欲しいからずっと実家にいて欲しい」といつまでも娘のことを縛りつけてしまう欲求が出てきてしまうかもしれません。
ママが娘の結婚生活を妨害してしまうことも
娘が男性と付き合い始めたり、結婚すると、娘をとられたような感覚に陥ってしまうママもいます。嫉妬からカップルや夫婦の関係を妨害する要因になることがあり、娘が結婚してママとは違う家庭を持ったとしても、ママは娘を支配しようとするなどの行動に出てしまうことも。
ママが娘に必要以上に口出しをして、娘は信頼するママからの助言なので鵜呑みにしてしまうことでそれにうんざりするパートナーから離婚を切り出されてしまったり、親が婚活や結婚生活を邪魔したことをきっかけに、埋められない確執が生じてしまうなどのトラブル例は実際に多くあります。
共依存関係で育った娘はどうなる?
ママと共依存関係を持って育った娘はどのような大人に育つでしょうか?ママ以外の第三者とは対人関係を築くのが難しくなっているため、自分を依存させてくれるパートナーを選びがちで、パートナーと上手くいかないケースが多いとされています。
さらに娘は自分が育てられた環境と同じように、自分の子供にも共依存の関係を無意識のうちに築こうとするので、共依存関係は親子何代にわたって連鎖してしまうことが多いです。
共依存関係から抜け出すには!?ママが今からできること
ママの立場から娘との共依存の関係に気づけた場合、それはすごいことです。それは、きっとママ自身も同じように育てられたために、共依存を当たり前のように行動してしまっているケースが多いから。ここで「娘との関係を見直したい」と気づけた自分を褒めてあげてください。そして今こそが娘から自立する機会と言えるでしょう。
カウンセリングを受けて、母親自身が精神的に自立しよう
まずはなぜ自分が娘に依存しているのか、その背景にある問題に気付くことが大切です。
そのためには専門的な力を借りることも重要なため「カウンセリング」を行うことも有効な手段です。地域で娘との関係を相談できる場所があれば、勇気を持って一歩踏み出してみましょう。
趣味やママ友以外の友人関係を作り、「家族オンリー」の人生から脱却
ママ自身が娘以外との対人関係で自分自身の世界を広げることも大切です。今までは子供の成長が何よりの生きがいで、お金も習い事やお出かけなどすべて子供のためだったかもしれません。
しかし、ママが友人関係や趣味を持ってイキイキと楽しむことで、家族との程よい距離感が生まれるでしょう。
- ママ友の作り方!脱ボッチ&ママ友ライフのスタートガイド
ママ友の作り方や幼稚園や小学校、課外でママ友の輪に溶け込むチャンスやその方法を詳しく解説していきます!ひとりさびしいぼっちママを卒業したいなら挨拶と笑顔を武器に積極的に関わりを持っていきましょう。
娘の反抗期は絶好のチャンス!子供の「自立」を受けいれられるように
娘が思春期になって反抗的な態度を取り始めるとき、共依存関係をやめるいいチャンスだと言えるでしょう。子供はそれまで親が喜ぶような「いい子」になろうと頑張っていた時期から、「自分の力で生きたい」という強い気持ちが芽生え始める時期だからです。
そのときに娘が取る反抗的な態度を否定することなく、「自立」への欲求を受け止めてください。ママの価値観を一方的に押しつけるのではなく、子供自身が考えて選択することを見守ることが何よりも大切だと言えるでしょう。
母と娘との関係は年齢によっても変わる!気付いたときに修正すればOK
娘は幼児期から成人まで、脳の発達に伴って意識や考え方がどんどん変わります。ママは自分と意見が対立する娘に対してイライラしてしまったり、戸惑ってしまったりするかもしれませんが、それも成長のひとつ。余裕を持って程よい距離感で見守ってあげることが大切です。
しかしママもひとりの人間。ときには娘のことが好きだと思えなくなってしまうことや、心ない言葉をかけてしまうこともありますよね。逆に心配しすぎて過干渉になってしまうこともあるでしょう。
「娘との関係が少しおかしいかも」と気づけて自分の態度を見直すことができれば、娘との関係性を修復するのに遅すぎることはありません。少しずつでいいので改善していけば、娘の将来にきっといい影響を与えてくれます。