シングルマザーの貯金術
シングルマザーも貯金を!母子家庭で貯金したい人必見!
シングルマザーが貯金の必要性を感じるのは当然です。子供の学費はもちろん、自分が失業した時や老後のためにも貯金ゼロでは困ります。母子家庭でもお金を貯める方法はたくさんあるので、目標貯金額を決めて実践してみてください。貯金できない自分にはさよならしましょう!
シングルマザーの貯金額はいくら?聞くに聞けない貯金事情
シングルマザーの貯金はどれくらいあるのでしょうか。ママ友などに同じ境遇の人がいたとしても、さすがに貯金額を聞くのは気が引けます。
そこで、平均的な母子家庭の貯金額を紹介します。知れば自身の貯金目標を設定するヒントになるでしょう
厚生労働省平成22年『国民生活基礎調査内』によれば、母子世帯のうち「貯金がある」68.9%、「貯金がない」28.7%、「貯金あり額不詳」6.6%でした。
貯金があると回答した母子世帯の貯金額の内訳は以下の通りです。
母子世帯の貯金額
50万円未満 | 18.6% |
50~100万円未満 | 4.4% |
100~200万円未満 | 8.2% |
200~300万円未満 | 6.4% |
300~400万円未満 | 4.9% |
400~500万円未満 | 2.6% |
500~700万円未満 | 7.7% |
700~1000万円未満 | 2.3% |
1000~1500万円未満 | 3.3% |
1500~2000万円未満 | 0.8% |
2000~3000万円未満 | 0.5% |
3000万円以上 | 2.5% |
額不詳 | 6.6% |
シングルマザーにとっての貯金の必要性を認識しましょう
データからもわかるように貯金なしの母子家庭は全体の約3割、貯金ありの母子家庭の貯金額は「50万円未満」が一番多く、それ以上の額はすべて10%を下回る結果となっています。
この結果の背景には、シングルマザーの厳しい経済状況があるのは間違いありません。
しかし、それでも貯金は大切なものです。。むしろシングルマザーにとっては、自分や子供のための最後の命綱になる可能性を秘めています。
「毎日の生活で精いっぱいだから」と貯金をあきらめてしまう前に、貯金の必要性を再認識しましょう。
シングルマザーでも必ず必要になる子供の学費のために貯金
貯金の使い道で、まず思い浮かぶのは子供の学費です。シングルマザーではなくても、子供のいる家庭では必ず教育費がかかるのです。
高校卒業までにかかる費用はいくらくらい?
1人の子供が高校を卒業するまでにかかる学費は、全て公立の場合でも約400万円と言われています。内訳は小学校が約150万円、中学校が約130万円、高校が約120万円です。ちなみに私立の場合はさらに高額になり、中学校が約380万円、高校が約280万円となります。
大学に進学にかかる費用はいくらくらい?
大学にかかる学費は国立大学(4年間)で約500万円、私立大学(4年間)で約700万円、私立医療系大学(6年間)で約2,600万円です。こちらは自宅から通った場合ですが、自宅外通学となればそれぞれ300万円ほど余分にかかります。
学費を用意するのは高校までですべて公立なら、大きな貯蓄がなくても対応できることも多いでしょう。しかし、大学はいくら奨学金があるといっても、入学金など一度に大きな出費がかかることを覚悟しなくてはいけません。
もちろん奨学金の利用も検討すると全額自己負担が必要とは限りませんが、子供の将来の選択肢のためにも、備えておくに越したことはありません。
シングルマザーである自身の老後にかかる費用
これから先再婚せずにシングルマザーとして生きていく場合は、リタイア後の老後の生活も自分の貯金が頼りになります。
ひとつの例として、60歳で仕事を辞めて85歳まで生きるとした場合の生活費を計算してみます。
1ヶ月の生活費15万円の場合
- 15万円×12ヶ月×25年間(85‐60)=4,500万円
- 年金が月5万円受給されるとして
- 4,500万円‐(5万円×12ヶ月×25年間)=3,000万円
ビックリする金額です。もちろん住居費や年金の種類によって個人差がありますが、これはごく普通の生活をしている人の例なので他人事ではありません。
生活がかかっているシングルマザーの失業や病気などの備え
両親と同居していない場合、母子家庭は基本的には母親一人の収入によって成り立っています。
もし自分が失業したら?病気になったら?
生活がどうなるか考えると怖いですね…。
母親、父親の両方がいる場合、万が一のときは専業主婦をしていた妻が働きに出るなどの選択肢もあります。さらに共働きの場合、こうした事態には非常に強さを発揮します。しかし、母子家庭はそれができないのが非常に痛いのです。
失業保険や傷病手当、母子家庭だからこその医療費助成などもありますが、それだけですべて賄えるとは限りません。「シングルマザーだけど収入はそこそこある」という方も、不足の事態へ対応は一般家庭よりも念入りに考えておくべきです。すなわちお金、貯金が大切ということになります。
シングルマザーで貯金できない場合は目標とルールを決める!
学費に、老後資金に、家庭の緊急事態に貯金が必要なのは十分承知していても、なかなか難しいのが貯金です。それなりの収入がある場合は、少し節約すれば毎月いくらかは貯金できますが、少ない収入からの貯金はやはり厳しく、強い意志が必要です。
シングルマザーの覚悟!貯金したいなら最初が肝心!
シングルマザー家庭で貯金しようと思ったら、まずは「子供が18歳になるまでに〇万円貯める」など自分なりの目標を設定してください。学費や老後の資金、家庭の予備費など、目的別にそれぞれ考え、貯蓄口座も別にすることをおすすめします。
学費目的の場合は、子供の年齢を基準にしたり、進学などに費用がかかる3月を区切りとすると、後々計算しやすいです。また、第一子の大学資金用、第二子の大学資金用などは必要な時期が違うので分けて考えましょう。
1.年間の貯蓄目標・月額金額を計算
最終目標に対して、年間目標を決めます。例えば子供が小学校に入学したのと同時に大学資金の貯金をはじめ、最終目標が「高校3年生の3月までに300万」と仮に設定します。残された年数は、約12年です。
最終目標から年間貯金額を計算!
式:最終目標÷残された時間=年間の目標貯金額
例:300万÷12年間=25万円
そして、これを1年間(12ヶ月)で割ると、
25万円÷12ヶ月=2.08…となります。キリよく、2万1000円と考えましょう。
ただし、子供の年齢によって人生にはお金を貯めやすい時期、お金が貯めにくい時期が存在します。
「小学校の間に、目標金額の7割を貯めておく」など、中期目標を設定するのも良い方法です。
貯め期を考えて、計算する方法
例:高校入学までに300万。小学生のうちに7割を貯めておきたい。
- 小学生の間に貯めるべき金額:
最終目標300万円×70%=210万円
- 年間の貯金額
210万円÷6年(小学生)=35万円
- 1ヶ月の貯金額
35万円÷12ヶ月=2.9166…(繰り上げて3万円)
- 残り90万を中学~高校にかけて貯める
90万円÷6年(中学・高校)=年間15万円
上記で設定したものは、長期目標(最終貯蓄額)、中期目標(小学生のうちに○円など)、短期目標(年間貯蓄額・1ヶ月の貯金額)にあたります。具体的な数字が出ればやる気につながります。
2.目標のために守るべきルールを決める
目標達成のために、作戦を練りましょう。無理をすれば長続きしない可能性があります。到底できないようなルールでは途中で挫折してしまうので、できる範囲にします。
3.貯金は長い目で考えてあせらない
設定金額はあくまでも目安。1ヶ月の貯金金額はあくまで短期目標に過ぎません。例え、短期目標の達成に何度か失敗しても、中期目標、長期目標を到達できれば問題ないのです。
思うように貯金できない月があっても、「来月は頑張るぞ!」というスタンスを崩さないようにしましょう。最初の目標が高すぎる訳でないのなら、入学金などのお祝いやボーナスなどの臨時収入を補填するなどして、目標を達成させましょう。
貯金とダイエットは似ている?
貯金ができない人とダイエットができない人の思考は似ています。
ダイエット中、「がんばったのに、夜中にお菓子を食べちゃったからもう一緒」とそのままやけ食いする方もいますが、本当は1度のお菓子ですべてが無駄になることはありません。次の日の朝、食事を少な目にするなどすれば十分に挽回は可能なはずです。
貯金にも同様のことがいえますので、気を付けましょう!
シングルマザーが確実に貯金できる方法
貯金の目標額が決まったらいよいよ具体的な貯金方法を実践します。通帳の貯金額が増えるとモチベーションが上がります。まずは少額でも根気よく続けることが大切です。
少しでも節約するために固定費の見直しをする
住宅費や保険料などの固定費は、一度の見直しで大きな効果が見込めます。食費などの変動費を節約しようと思うと日々ストレスを感じますが、固定費なら一度削減すれば気にすることもありません。
住宅費~安くする方法がいくつもある
住宅ローンを払っている場合は、より金利の良い金融機関に乗り換える、賃貸住宅の場合は家賃の安い部屋に引っ越す、シェアハウスを検討してみるなどの方法が挙げられます。長く住んでいるのであれば、更新時期に家賃の値下げ交渉にチャレンジしてみても良いでしょう。
また、思い切って実家に戻るという方法もあります。児童扶養手当が受給できなくなる可能性もありますが、それよりも得をする場合は、貯金をするために実家に出戻るのもひとつの方法です。
生命保険料は定期的に内容を見直しましょう
固定費の中でも侮れないのが保険料です。シングルマザーだからこそいざという時のために保険に入っておかなければと思う気持ちはわかりますが、過剰な補償のために、高い保険料を支払っていないか見直しましょう。
無料で保険を診断してくれる保険相談窓口もありますので、ぜひ活用してみてください。
通信費は見直しでかなり抑えられることもある
固定費の中で最も削りやすいのが通信費です。通信費のほとんどはスマホの通信料ですが以前は毎月1万円辺りが相場でした。しかし格安スマホ(格安sim)に乗り換えれば、月額2,000円以内に収めることも可能です。
格安だと不便な点があるのではないか?と心配な人も多いようですが、ほとんどの格安スマホは大手キャリアの回線を利用しているので、通信面での不便さはなく、電話番号もそのまま引き継ぐことができます。
自動車経費を削れるものを確認する
まずは車が必要か不必要かの選択です。交通手段が車しかない場合は必要ですが、交通の便がよく、休みの日しか使わない場合は思い切って車なしの生活を選択しましょう。
車1台をなくすだけで、保険料、税金、ガソリン代など、年間で10万円程度の節約が可能なケースは少なくありません。必要な時はカーシェアリングやレンタカーを利用する方法もあります。
車は生活の必需品であるという地域の方は、維持費を節約します。小さい車乗り換えれば税金も安くなりますし、さらにエコカーにすれば燃費も良くなります。
クレジットカードを活用すると得をする
普段使うクレジットカードは1枚に決めて、光熱費や国民健康保険料、新聞代など払えるものは全てクレジットカード払いにします。
例えば10万円の支払いをカードで引き落としにすれば、1%還元のカード会社であれば1,000円バックされます。またポイントも貯まるので商品と交換するか支払いに回すこともできます。
ただし、カード払いにするとついつい買い過ぎてしまうという方は、あくまで固定費の支払いのみカードを使うようにして、日々の生活費は現金払いにしておきましょう。
働き方を再考して収入アップを目指す
収入を増やすために現在の仕事について見直してみます。例えば現在のパートが時給800円で月150時間働いて月収12万円稼いでいるとします。しかし、時給1,000円のパートに移れば働く時間数を変えずに月収は3万円アップするので、それを貯金に回すことができます。求人情報はマメにチェックしましょう。
また、副業で得た収入を貯金に充てる方法もあります。今は簡単な入力作業など、ネットでの副業も種類が豊富です。慣れてくれば月2~3万ほど稼げるようになります。
シングルマザーが受けられる手当・養育費をもらう
母子家庭が受給できる手当の中には一般的に知られていないものもあるので、一度お住まいの自治体の「子育て支援センター」などに確認してみましょう。自分の条件に合っているのにもらっていない手当が見つかる可能性があります。
離婚した元夫から養育費をもらっていない場合は、離婚後でも子供が自立するまでの間は請求が可能です。弁護士費用が心配なら自治体が行っている無料相談や法テラス、弁護士会などのホームページに紹介されている格安料金での相談を利用しましょう。もちろん自分自身で家庭裁判所に請求することもできます。
ただし、内容証明などを作成するのに手間がかかることは覚悟してください。養育費の支払い請求が通った場合は、例外もありますが、基本的に過去にさかのぼっての請求することはできず、その時点から支払いがスタートします。
銀行の制度を上手く活用する
効率良く貯金を増やすには節約も大切ですが、お金を貯める場所である銀行を上手く利用するのも良い方法です。
シングルマザーならではの「福祉定期」を利用する
マイナス金利政策が開始されたことによって金利はさらに低くなり、世の中では「口座に貯金をしても増えない時代」と言われ始めました。しかしシングルマザーにとってお得な「福祉定期」という預金方法があります。
児童扶養手当、特別児童扶養手当を受給している人が利用できる優遇制度です。金融機関によっても違いますが、例えば「ゆうちょ銀行」の場合は年間300万円まで預けることができて、通常の定期預金の金利に0.1%上乗せされます。
ネットバンキングでリアルタイムで収支をチェック
収入と支出をきちんと把握することは貯金をするために重要なポイントですが、細かくチェックをするために通帳記帳をするのも意外に手間がかかります。最近ではネットバンキングを行っている金融機関が多いので利用しなければ損です。
金融機関によって違いはありますがネットバンキングでは入出金の照会から振り込み、定期預金の預入や解約など様々な取引が可能です。手数料が安い場合もあるので、手軽でお得な取引ができるというメリットもあります。
貯金専用口座を作って出金をしないようにする
毎月の給料振り込みや固定費の引き落とし、生活費を引き出すのも貯金も、全て同じ口座で行っているという方は、貯金用の口座を単独で作ることをおすすめします。日々の生活費と貯金を一緒に管理していると、イレギュラーな支出があった場合にせっかく貯めたお金が引き落としによってなくなる可能性もあります。
例えば、ゆうちょ銀行であれば複数口座を作ることが可能なので、2つ口座を作り、1つは貯金用にします。お給料が振り込まれる前日に残ったお金を貯金用の口座に移すことで毎月の貯金ができます。また、事前に決まった金額を移しても良いでしょう。
続けていくうちに毎月のお金の流れが見えてきて、貯金額も定まってきます。ボーナスなどの臨時収入はそのまま貯金用の口座に振り込むようにするのも効果的です。
普通銀行の場合、例え支店が違っても複数口座を開設することはできません。複数口座を持てるのはゆうちょ銀行のみですので注意しましょう。
シングルマザーは計画的な貯金が強い味方となる!
例え年収が少ないシングルマザーであっても、貯金することは不可能ではありません。改めて生活を見直し、節約できる部分は節約し、コツコツお金を貯めていきましょう。
また、夫婦間の金銭感覚が違うと、貯金が難しかったり、経済的不満から夫婦仲がギスギスすることもありますが、シングルマザーにはそうしたストレスや心配はありません。「自分が○円貯める!」と決めたなら、あとは自分が努力次第です。自分と子供のために、今日からコツコツ貯めていきましょう!