子供にも大人にも根強い将棋人気
将棋とは、9×9マスの盤の上で8種類の計20枚の駒を使って相手の「玉将」または「王将」をとった方が勝ちとなる対戦するボードゲームで、日本将棋や本将棋と呼ばれています。
人気の棋士もしばしばメディアに登場して話題になっていることもあり、習い事としても娯楽としとても大人から子供まで幅広い人気があります。
将棋は頭を使い、集中力を必要とすることから、子供に将棋を覚えさせたいと考えているママも多いのではないでしょうか。中には子供自身が将棋を覚えたいという声も多いです。
駒の進め方を覚えると親子でも楽しめますので、ぜひ子供に将棋と親しんでもらいましょう。
学校では、将棋は部活としてだけでなく、学校教育導入推進事業に指定され、授業に取り入れている学校もあります。
将棋大会を開催している学校もあり、東京大学などの大学でも講義に取り入れられているほどです。
年齢に関係なくいつまでも楽しむことが出来る
将棋は小さい子供から高齢者世代まで、幅広い年齢層の方が楽しむことが出来ます。小さい子供が将棋を覚えておじいちゃんと対局する光景もありえないことではありません。
また、一度ルールを身に付ければいつまでも楽しむことが出来、長く楽しめる趣味にもできますし、親子で覚えると家族のコミュニケーションがとれます。
子供が将棋をはじめるのは5歳ころががおすすめ
将棋は難しそうだし駒には漢字も書かれているので、いつから教えることが出来るのか悩んでしまうのではないでしょうか。
いつからでも教えることはできますが、将棋を教えるのは5歳前後からがおすすめです。その理由には以下のようなことがあります。
学校に通う前なので時間に余裕がある
5歳頃は幼稚園や習い事をしている場合もありますが、まだ小学校に入る前でもあるので比較的時間に余裕があります。小学校に入ると宿題も始まり、将棋に触れる時間をはじめからとりにくくなりますので、入学前の5歳頃がおすすめです。
好奇心旺盛な年齢で将棋のルールを覚えやすい
5歳頃はいろいろなことに好奇心旺盛な時期でもあります。好奇心があっても、駒に書かれている漢字は難しいのではとママは思うでしょうが、子供にとって駒の漢字は漢字というよりも絵や模様のようなものですので、読めないからできないということはありません。
5歳頃であれば将棋が難しいという先入観もありませんので、イメージにとらわれず、純粋な興味心から将棋に向かうことが出来ます。
第一次反抗期が終わって落ち着いてくる
5歳になるとそれまでよりも少し落ち着きが出てくるようになります。2~3歳のイヤイヤ期や4歳頃の反抗期を超えて、パパやママの言うことに耳を傾けることが出来るようになっているので、将棋も教えやすくなります。
乳児と違って将棋の駒を誤飲する危険性が減る
将棋の駒は小さく、小さい子供にとって誤飲の危険性があるものです。3~4歳くらいまでは将棋の駒に触れる場合はママがしっかり見ていないと危ないですが、5歳を過ぎれば食べ物と駒の区別がつくようになり、誤飲も減るので将棋で遊ばせることが出来ます。
子供が将棋から学べるさまざまなメリット
将棋を覚えると頭がよくなって賢くなるような気がしませんか?将棋を覚えるだけではなく、将棋そのものを学ぶことで次のようなメリットがあります。
将棋をすることでコミュニケーションが取れる
小さい子供はお友達が出来たとしても、まだまだパパやママと遊ぶことが大好きです。将棋をパパやママに教わりながら一緒に対局していく中で、パパやママから褒められることは子供にとってとても楽しい時間となります。
夕食後のひと時や雨で公園に行けない休日などに、将棋を通してパパやママとのコミュニケーションをとることが出来、家族団らんができます。
日本文化への理解を深めることが出来る
将棋は古くからある日本の伝統的な文化です。将棋を通して日本古来の遊びに触れることが出来、日本文化への興味や理解を深めることが出来ます。
広い交流を持て礼儀正しさが身につく
将棋は一人でするものではなく、対局する以上は相手がいるものです。また、その相手も同じ年の子供だけでなく、お兄さんやお姉さんに自分より年下の子供、またはおじいちゃんくらいまでと幅広い人と交流することが出来ます。その中で相手に対する礼儀も自然と身につくようになります。
子供が将棋を覚えることで発揮する7つの効果
子供に将棋を教えることで、子供の様々な能力を伸ばすことが出来ます。集中力が高まるのは学業にもよい影響が出ます。
1.ひとつのことに対する集中力が高まる
将棋には膨大な数の指し手があり、その中から相手の駒の動きや、ここに駒を置いたらどうなるかを考え指していかないといけません。一つのことをじっくりと考えることが将棋には必要となるのです。
また、本格的に対局をしだすと持ち時間があり、時間内で考えなければいけないので自然と集中力が高まるようになります。
2.理論的に物事を考えられる
将棋は理詰めの世界でもあります。偶然で勝つことはなく、自分の指した手ですべてが決まってしまいます。負けたのは何が原因なのか、次はどうすればいいのか、対局中も相手の指し手を予想しながら次はどうすればいいのかなどを常に考えなければならないため、理論的に物事を考える力がついてきます。
3.広い視野での判断力がつく
将棋は今自分がどんな状態なのか的確に状況を判断することが必要になり、自然と今の状態を広い視野で判断する力を身に付けることが出来るようになります。
自分の状況が不利なのか有利なのか、相手は何が得意なのか弱点はどこなのか、また、相手に指された一手に応じで短い時間でどう対処しなければいけないのかなど常に素早く判断することが求められるのです。
4.イメージ力を鍛えることができる
将棋は勝つための形をイメージして、その形を実現するために一手一手を指していくことが大事になります。
勝つためにはどうすればいいのか、頭の中でたくさんの手をシミュレーションして指していくことで右脳を鍛えられイメージする力がつくようになります。
5.相手の気持ちになって考えることができる
対局するということは相手がいることなので、勝つためには相手のことを考えないといけないものです。相手は今どう考えているのか、この後どう指そうと考えているのか、自分が相手だったらどうするだろうと考えなければいけないのです。
相手の立場で考えることが大事になり、それは相手の気持ちを感じることが出来、思いやりや協力する気持ちを育てることにつながります。
6.感情のコントロールができる
将棋の対局はもちろん勝ち負けがつくものです。負けず嫌いの子供は、負けることで泣いたり不機嫌になってしまうこともありますが、負けることは将棋が上達するためにとても大事なことです。負けたことで、もう嫌だと投げ出さずに、負けた悔しい気持ちに折り合いをつけて次へ進むことが必要になります。
将棋は不利な時や、逆に自分にとても有利な状態でも感情に任せるのではなく、最後まで冷静に一手一手を考えることが大事になるので、どんな状況でも落ち着いて一手を考えることが出来るようになり、自分で感情をコントロールすることが出来るようになります。
7.我慢強さが身につく
将棋には待つ時間がつきものです。相手が指す間をじっと待ち、その間に相手はどう指すのか、自分はどうすればいいのかを考えなければならず、その時間は緊張感があります。
自分が不利になったときも、不利になったことで焦るのではなく、我慢強く逆転のチャンスを待つ心の強さが必要になるため、忍耐強く物事を待たないといけない場面が多く、我慢強さを身に付けることが出来ます。
子供へ将棋を教えるコツをチェック!
子供に将棋を教えたいけど、どう教えればいいのか悩んでしまいがちです。子供へ将棋を教えるコツには以下のようなことがあります。
将棋に興味を持ってもらうには親もルールを覚えよう
子供に将棋を覚えてもらうには、子供が自分から将棋に興味を持つことが大事ですので、パパやママが将棋を覚え、楽しむ姿を見せてあげましょう。子供は親がやっていることに興味を持つものです。少しでかまいませんのでパパやママも将棋のルールを覚えるようにしましょう。
パパママが楽しそうにしているものなら、子供も自然と興味が出てくるもので、自分から将棋をしたくなるようになります。
子供が自ら覚えたいと言った場合も、パパママの将棋を見せるところから始めましょう。
将棋に触れてみるのがスタート!簡単な将棋をゲーム感覚で
将棋に興味が出てきたら、実際に将棋に触れて慣れ親しむようにしましょう。いきなり本格的な将棋を打つ必要はありません。
将棋のルールが分からなくても、周り将棋・将棋くずし・はさみ将棋など将棋の駒を使った遊びがたくさんあります。まずはゲーム感覚で将棋に触れ、将棋のハードルを下げることが大事です。
詰め将棋ができるように駒の動かし方を教える
実際に将棋の駒の動かし方などの最低限のルールを教えてあげましょう。最初から本格的な将棋を教えるか、簡単な将棋を教えるかは子供の年齢や個性に合わせてあげてください。簡単に将棋を教える方法としては次のようなことがありますので参考にしてみてください。
- 子供将棋セット:子供でも覚えやすく指し方などが書かれている将棋のセット
- 将棋アプリ:初心者向けなど手軽に始められる無料アプリ
実際に将棋の親子対局をしてみよう
ある程度のルールが分かったようなら、実際にパパやおじいちゃんなどと対局してみましょう。対局することでパパの動かし方を見たりし、子供も将棋のイメージがつかみやすく、より覚えやすくなります。また、対局しながら徐々にルールや勝ち方などを教えていくようにしましょう。
より将棋に強くなりたいときは
子供が将棋を覚え、もっと強くなりたいと思っているときは、パパママ以外との対局や本格的な指導が出来るところを探してあげるのもおすすめです。
近くの将棋教室に通ってみる
子供将棋教室が全国にあるので、子供が本格的にやりたいとなったときは探してみるのもおすすめです。
子供向け将棋大会に参加してみる
ただ打つのではなく、目標をもって打つことも大事です。今は子供だけの将棋大会も各地で開催されているので目標にしてみてください。
たくさん褒めることが大事
子供は褒められるのが大好きです。子供と一緒に将棋をするときはたくさん褒めてあげましょう。褒めるときは具体的にどう良かったのか褒めると、子供も自分が認められたと感じより将棋に打ち込めるようになります。
子供に将棋を教えるときの注意点
将棋を教えるときに注意しなければいけないことは以下の通りです。せっかく子供が将棋に興味を持っても、楽しんで将棋をさせなくなってしまいます。
負けても気にしないことを伝える
子供は負けることを嫌がります。一度負けてしまうと「もう嫌だ」となって投げ出してしまうこともありますが、将棋は負けから学ぶことが多いものです。負けても、負けてもめげることなくたくさん将棋を指すことで将棋が上達することにもつながります。
子供が負けを嫌がらないように、負けても気にせずに次にチャレンジすることを伝えることが必要です。たくさんチャレンジして負けて、悔しい思いをしながら次どうするかを考えることが、子供の成長につながります。
パパやママも子供が負けたとしてもがっかりするのではなく、次どうすればいいのかを子供と一緒に考えるようにしてあげましょう。
礼儀作法をきちんと教えること
将棋は礼に始まり礼に終わると言われるほど礼儀作法が大事にされています。幅広い年齢の方と対局するようになるため礼儀を教えることが大事です。
しっかりとしたお辞儀や、道具の準備に片づけまで気を配ることが必要となり、対局の相手は使った道具への感謝の気持ちが大事になります。きちんとした礼儀をもって対局に臨めるようにマナーをしっかり教えてあげましょう。
始まる前に「よろしくお願いします」終わったら「ありがとうございました」また、負けたときも負けた方が「負けました」と宣言することが必要です。
子供が指した手にダメ出ししない
パパやママが将棋のことが分かると、子供の指した手がいいのか悪いのかわかるようになり、ついアドバイスのつもりで子供にこればダメと言いたくなりますが、それは絶対にしないようにしましょう。
どんな手であれ子供が一生懸命考えて指したものですので、ダメと否定しないようにしましょう。子供が自分で考え指せるように、子供の可能性を信じで伸ばしてあげるよう見守ってあげましょう。
ルールを間違っても叱らない
将棋を始めたての頃はまだルールがおぼろげで、パパやママとの対局中に駒の動かし方を間違えてしまうことがありますが、駒の動かし方を間違えても厳しく指導しないようにしましょう。
指すたびに厳しくされては子供も楽しくなくなってしまいます。まずは将棋が楽しいと感じてもらうことが大事です。
パパママが負けたら素直に負けました宣言
将棋は子供が大人に勝つこともある世界ですから、パパやママも子供に負けてしまうことがあるでしょう。親が負けたら素直に「負けました」ということが出来る姿を子供に見せることも大事なことです。
もちろん、勝利をおさめた子供を大いに褒めてあげましょう。
子供が嫌がった場合は無理にやらせない
子供に将棋が楽しいと感じてもらうことが大事です。子供が嫌がっているのに無理にやらせてしまっては将棋自体を嫌いになってしまいます。子供が楽しく将棋が出来るようにしてあげましょう。
将棋で楽しく子供の能力を伸ばそう
難しそうに思える将棋は、子供にとって楽しい遊びということだけではなく、能力を伸ばすうれしい影響がたくさんあります。まずは、何より将棋を楽しんでもらうことが大事ですので、ママも一緒になって子供と将棋を楽しみましょう。
子供自ら将棋を覚えたいと言っているのになかなか集中力が続かない場合、子供の集中力アップはいつから?集中力を高める3つの方法を参考にし、将棋に集中できるよう導いてあげましょう。