子供の集中力の低下を防ぐには?

子供の集中力アップはいつから?集中を高める3つの方法

子供の集中力をアップさせるためには、子供の集中を高めるベストな年齢や集中力の持続時間を知っておくことが大切です。さらに、高い集中力の維持につながる食べ物、トレーニング方法を分かりやすく解説。特に、子供の集中力を高めて、もう少し勉強に励んでほしいとお悩みのママは必見です。

子供の集中力アップはいつから?集中を高める3つの方法

集中力はいつから?身に付く年齢とは

脳の発達に重要な小学校入学後の7~8歳の時期が、集中力を養う絶好のチャンスだといえます。

集中力とは脳の前頭葉が司る能力で、その中でも、特に集中力に関わりが深い前頭連合野の臨界期は8歳くらいにピークを迎えることから、この時期の社会関係の教育や学習が重要とされています。(注1)

また、ユニセフ(国連児童基金)では「7歳までが脳の発達に最も重要な時期」とし、この時期までの脳内の神経細胞の結合が、精神的な幸福や学習能力を決定付けることで、子どもの将来を作り上げているとしています。(注2)

このことからも分かるように、この時期に正しい生活習慣を身につけて、子供の成長な栄養をしっかりとることが、集中力を高めていくことにつながるのです。

集中力がない子供の特徴

耳を塞いで拒絶する子供

そもそも集中力とは、どんな力のことをいうのでしょう。ひとつの物事に対して意識を集めている状態を、いわゆる「集中している」といい、その状態を継続させることができる力のことを「集中力」といいます。

集中力がない子供には、主に次のような特徴が見られます。

  • 長時間一つのことを続けられない
  • 他のことに気を取られやすい
  • ソワソワと落ち着きがない
  • 飽きっぽい

集中力は生まれつきの性質だけでなく、成長の過程において育つ能力でもあるため、トレーニングによって伸ばすことが可能です。

子供の集中力の持続時間はどれくらい?

実は、人が集中できる時間は意外と短いもので、大人でも50分ほどしか集中することができません。それに対して、小学校低学年で15分、高学年で25分と徐々に長くなっていきます。

小学校の授業は1時限あたり45分と長く、子供は授業中、常に集中し続けることはできません。しかし、集中力には15分程度の周期性があることから、集中を切らさないように上手に維持することができれば、45分という長時間の授業を乗り切ることができるようになるのです。

子供の集中力を低下させる原因

子供の集中力がすぐに切れてしまう理由として、子供の特性以外にさまざまな要因が挙げられます。特に、次の要因は子供の集中に影響を与える可能性が高くなります。

テレビやスマホ、ゲームなど

スマホをいじる子供

子供が集中しようとしている時、目の届く範囲に集中力を低下させるものがあると、子供は集中しにくくなります。テレビがつけっぱなしになっていたり、目の前で親がゲームをしていたりしていると、集中したくてもなかなかできません。

子供が集中しようとしている時は、「おもちゃは目に見えない場所に片付ける」「テレビやスマホの電源をOFFにする」などルールを決めて、子供が集中できる環境と整えることが必要となります。

悩みや不安に感じていることがある

悩む子供の後ろ姿

人は何か悩み事を抱えていたり、不安なことがあったりすると、目の前のことに集中することができません。特に、子供はデリケートなため、ほんの少しでも悩みや不安があると、そちらの方ばかり気になるあまりに、集中できなくなってしまいます。

子供の場合、逆に嬉しいことや楽しいことがあっても、ソワソワして集中できなくなることがあるため、集中させるためにはリラックスした状態を保つことが重要になります。

プレッシャーを感じている

周りからプレッシャーをかけられた場合も、子供の集中力を削ぐ原因となります。親が「さっさとしなさい」と急き立てたり、「どうして○○できないの?」とイライラしたりすると、子供は「○○しなければ」という焦りから、気持ちが不安定になって上手く集中できません。

子供が集中して頑張ろうとしている時に、否定的な言葉をかけるのはNGです。時には、子供に口やかましくあれこれ言わずに、静かに見守ることで子供の集中を引き出すことにつながります。

睡眠不足

布団の上でスマホをいじりながら目をこする子供

集中するためには、脳が元気であることが大事です。脳の疲れを取るためにも、たっぷりの睡眠をとることが必要なため、睡眠が足りていないと脳が疲れてしまうだけでなく、セロトニンが不足することでイライラしやすくなってしまって、集中力にも影響を与えかねません。

子供の睡眠時間は、3歳くらいまでは14時間、5歳前後で12~13時間、10歳前後なら10時間は必要なことから、睡眠不足にならないよう日頃から規則正しい生活を心がけることが大切です。

水分が不足している

水分補給は私たちの体にとって大変重要なことですが、集中力を高めるためにも欠かすことはできません。脳に水分が足りていないと働きが低下するため、頭がぼんやりしてきて、最悪の場合は頭痛やめまい、失神などを引き起こしてしまいます。

特に、小さな子供は脱水症状を起こしやすいため、日頃からこまめに水分を摂ることを心がけ、水分補給によって脳の働きの維持に努めましょう。

子供の集中力をアップする3つの方法

いきなり子供の集中力をアップするトレーニングをしても、そう簡単に集中できるようになるとは限りません。慣れないうちは次の3つのステップをもとに、集中力を身につけていきましょう。

1.集中力を身につける土台作りをする

集中力を高めるトレーニングを始める前の準備として、まずは次のような土台作りが必要になります。

規則正しい生活を身につける

慢性的な睡眠不足を防ぐために、日頃から早寝・早起きを身につけて、たっぷりと睡眠をとることを習慣づけましょう。特に、昼間に強い眠気を感じる場合は、睡眠が足りていない可能性があります。

はじめに「早起き・早寝」を習慣づけて、徐々に体を慣らしていきます。そのほかに、朝ごはんをしっかり食べることで脳が活性化されるため、生活リズムの確立につながります。

早寝早起きの習慣は子供に必要なメリットがたくさんある!
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リラックスできる環境を作る

子供が遊びに集中している場合、誰かに強制されたり、集中するよう自分で自分に言い聞かせたりするわけでもなく、精神的にリラックスすることによって、高い集中力が維持されます。

リラックスする方法は、深呼吸やマッサージ、手足をぶらぶらさせる等、人それぞれです。集中力を身につけるためには、その子に合ったリラックス法を見つけることが重要だといえます。

集中力を妨げる物を排除する

子供は、大人のようにセルフコントロールによって集中力を維持することが難しいことから、集中しなければならない時は、集中の妨げとなる物をできるだけ排除する必要があります。

目に見える物だけでなく、音やにおいなども影響を与えるほか、温度や湿度なども集中を妨げる原因になります。また、満腹だと集中できないため、食事のタイミングや量にも注意が必要です。

2.集中力を高める食べ物を摂る

庭で食事をとる子供

集中力を高めるためには、メンタル面のトレーニングも大切ですが、集中力を高める食べ物を積極的に摂ることによって、集中力の維持につながります。

ブドウ糖を多く含む食材

ブドウ糖は脳の栄養となる唯一の栄養素で、ご飯や麺類、バナナ、はちみつ等に多く含まれます。ただし、ブドウ糖は虫歯の原因となるため、くれぐれも摂りすぎには注意し、日頃からフッ素塗布などにより虫歯予防に努めましょう。

ビタミンB1が豊富な食材

ビタミンB1は糖類をエネルギーに変える栄養素で、豚肉やアスパラガス・豆類に多く含まれます。さらに、お米の糠の部分に豊富に含まれているため、精米済みの白米ではなく、玄米や胚芽米、麦ごはんを主食に替えることでより多く摂取することができます。

レシチンが豊富な食材

レシチンは脳を構成する成分の一つで、記憶力や認知機能などの脳機能を活発にする栄養素でもあります。レシチンを多く含む食品の代表として卵黄と大豆があるほか、小魚やうなぎ、レバー、ゴマ油などにも含まれています。

カルシウムが豊富な食材

牛乳を飲む女の子

カルシウムはイライラを抑えてリラックスを助ける栄養素で、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品や、豆腐や納豆などの大豆製品に多く含まれます。ただし、カルシウム単体ではうまく吸収されないため、魚やキノコ類に多く含まれるビタミンDと一緒に摂取する必要があります。

3.集中力を高めるトレーニングをする

子供の集中に必要な基礎が整ったら、いよいよトレーニングの開始です。特に、子供は大人のように意識的に集中力を高めることができないため、次のような方法を取り入れて集中力のアップをめざしましょう。

スポーツや習い事で集中力を身に着ける

サッカーや水泳、体操のようなスポーツは、集中力の向上につながるほか、体を動かすことでストレスが解消されて、夜もぐっすり眠れるようになります。

また、リトミックやダンスのように音に集中しながら体を動かすものや、書道やそろばんのように一つのことにじっくり取り組むことで集中力がアップする習い事もおすすめです。

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時間を決めて集中させる

子供は長時間、集中することが難しいことから、あらかじめ目標の時間を決めて、時間で区切って何かをさせることによって、子供が集中しやすくなります。

最初の目標時間に慣れてきたら1分増やし、また、慣れてきたら1分増やす、というように、徐々に時間を延ばしていくことで、集中できる時間が長くなっていきます。

好きなことに没頭させる

パソコンに夢中になる子供

子供は自分の好きなことや楽しいことには没頭しやすいため、子供がやりたいと思っていることを、思いっきりさせてあげることによって、物事に集中する癖をつけることができます。

特に、好きなことは誰かに強制されるのではなく、自ら進んで行うことが多いため、子供がどのようなことを集中することが多いのか、日頃から観察することで、子供の得意分野を見つけやすくなります。

集中できたら褒める

子供が集中して何かを最後までやり遂げたら、たとえ結果がうまくいかなかったとしても、頑張ったことを認めてその過程について褒めることを心がけましょう。

褒められることで達成感を得られるため、次に何かに挑戦しようとする際、やる気を引き出されることによって、より高い集中力を生み出すことができます。

集中力がないのは病気?

生まれ持った性格や育った環境によって、集中力が低い場合がありますが、一方で、思うように集中することができない場合、病気が原因となっている可能性があります。

「集中力がないのは病気かも?」と不安に感じる場合は一人で思い悩まず、かかりつけの小児科医に相談するなどして、然るべき検査を受けることが大切です。

集中力の低下を招く病気には、主に次のようなものがあります。

発達障害

発達障害の子供

発達障害とは、脳の発達に凸凹がある生まれつきの特性のことで、正確には病気ではないため、治療によって改善されないことから、「療育」を受けることで子供の発達を促す必要があります。

発達障害には、主に「自閉症スペクトラム障害」「注意欠如・多動性障害」「学習障害」のほか、チックなどの「運動障害」や吃音などの「コミュニケーション障害」がありますが、その中でも、注意欠如・多動性障害の症状がみられる子供は、集中力が低い傾向にあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状

ADHDは、不注意または多動-衝動性の症状のいずれか、または両方が見られるのが特徴で、主に7歳くらいまでに症状が現れます。(注3)

不注意と多動-衝動性には、それぞれ次のような症状が見られます。

不注意型の症状

  • うっかりミスが多い
  • 一つのことを最後までやり遂げられない
  • 物事を順序立てて進めることができない
  • 人の話を聞いていないように見える
  • 整理整頓が苦手
  • 忘れ物や落し物が多い

多動―衝動性の症状

  • 大人しく遊ぶのが苦手
  • じっとしていられない
  • 座っていても手足を動かしている
  • 順番を守ることができない
  • よくしゃべる
  • 他人の会話や遊びに割り込む

これらの症状に当てはまるからといって、必ずしもADHDだということはありませんが、これらの症状による日常生活への影響が懸念される場合は、専門の機関に相談することをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠をとる子供

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている時に呼吸が止まったり、低呼吸になったりする病気で、睡眠中の呼吸の停止により眠りが妨げられるため、慢性的な睡眠不足の状態に陥ることで、昼間の激しい眠気や疲労感、集中力の低下を引き起こすのです。

睡眠時無呼吸症候群の原因

何らかの原因により気道が塞がれるケースがほとんどで、特に、子供の場合は次のような原因によって無呼吸や低呼吸が起こりやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群の主な原因

  • 太りすぎ
  • 鼻炎などによる鼻づまり
  • アデノイド肥大
  • あごが小さい
  • 低位舌

睡眠時無呼吸症候群を予防するには?

太りすぎていると、脂肪によって呼吸が妨げられることから、日頃から食事の量や食べる時間に注意して、適正体重の維持を心がける必要があります。

また、歯並びや咬み合わせに問題がある子供は、口呼吸が習慣になりやすいため、睡眠中の口呼吸によって睡眠時無呼吸症候群を引き起こすため、歯科を受診してしっかり治療を受けましょう。

そのほかに、口の筋肉を鍛えることで低位舌が改善されるほか、横向き寝の癖をつけることで、睡眠中の無呼吸を防ぐことができます。

自律神経失調症

自立神経失調症とは、身体を活動的な状態に保つ交感神経と、リラックスした状態に保つ副交感神経のバランスが崩れている状態のことで、めまいや動悸、だるさなどの身体的な症状のほか、イライラや落ち込み、集中力の低下などの精神的に症状がみられます。

自立神経失調症の主な原因はストレスや生活習慣の変化などで、そのほかに完璧主義、負けず嫌い、心配性などの性格が影響する場合もあります。

子供の集中力は一日にして成らず

子供の集中力は、一朝一夕では身に付きません。しかし、無理に押しつけるのではなく、子供の成長につながる食事や環境作りに心がけ、子供のやる気を促すようにサポートしてあげることが大切です。

さらに、勉強の必要性を理解させる必要があることから、「勉強する意味」を子供に伝える方法を参考に、勉強に対する子供の意欲を上手に引き出しましょう。

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