父親を嫌いという娘と息子の心理

父親が嫌い!という思春期の娘や息子が父親を嫌う理由

思春期の子供が父親を嫌いになるのはなぜか、その理由と、嫌われる父親の特徴について解説します。特に、夫婦関係が子供の父親嫌いに与える影響、また、男の子と女の子での父親を嫌いになる理由の違い、娘に嫌われないための法則についても説明します。

父親が嫌い!という思春期の娘や息子が父親を嫌う理由

父親に嫌いという子供~可愛がってきたのにどうして!!!

小さい頃は、「パパ、パパ」とうるさいくらいにまとわりついてきた子供も、思春期になると親に対する態度が急に変わりますよね。特に父親を避けるようになる子供も多いかと思います。口答えされるくらいならまだかわいいものですが、中には父親とは関わりたくないといわんばかりに、無視する子も…。それが目に入れても痛くないほどにかわいがってきた娘ならば、お父さんは辛い!

父親は一般的に、仕事等により家にいないことも多く母親と比べて子供との関わりが少ない家庭が多いのではないでしょうか?そんな中で、子供も勉強に部活にと忙しくなり、すれ違いが続いてコミュニケーションがうまくとれていないと、「もしかして子供に嫌われている?」と心配になるお父さんもいることでしょう。

お父さんはなぜ子供に嫌われてしまうのか…ここでは、暴力やアルコール中毒など明らかに問題があるわけではない普通のお父さんが、なぜ思春期の子供に嫌われてしまうのかを考えてみたいと思います。

父親が嫌いと言われる父親像の特徴7つ

パパと仲良しのママと子供たち

小さなときから子供と一緒に過ごす時間が長い母親と比べ、父親の場合はそもそも子供に対する役割が違うといえるのではないでしょうか??普段は子供の教育にはあまり口を出さない父親でも、大事な場面では母親から「お父さん、ちょっと言ってやってよ」と言われることも多く父親はあえて嫌われ役になる必要もあります

でも、中には子供に心から嫌われてしまうお父さんも。どんなタイプの父親が子供に嫌われやすいのかをみてみましょう。

1.頑固で自分の考えを曲げない父親

大人にも「うちの父親は頑固で…」という人は多く、むしろ親子関係何の問題もなく円満という家庭の方が少ないかもしれませんね。昔は「男に二言はなし」が美徳だったため、昔気質の男性なら、一度言ったことは絶対に譲らない、絶対に曲げるべきではないと変に意地を張る男性は現代にも生息しています。

ところが、思春期の子供にしてみれば、頑固でかたくなな父親の態度は頭にくるもの。
この時期の子供の中ではさまざまな葛藤があり、自分の気持ちを探している時期でもあります。そんなときに頭ごなしに自分の考えを否定され意見を強引にねじふせられれば、当たり前ですが子供は反発します。
そんななか、どうみても父親が間違っているのにとうの父親は自分の考えを絶対に曲げなかったり、自分の非を認めなかったりすると、子供は人の気持ちを理解しようとしない父親に幻滅してしまいかねません。素直に「ごめん」「ありがとう」が言えない父親だなんて、子供は信頼してくれませんね。

2.威圧的な父親

一家の長としてある程度の威厳をもつのはいいことですがあまりに「威圧的」になってしまったら、子供は父親の存在を避けるようになります。
「誰のおかげで食べていけると思っているんだ」「父親に向かってその言い方はなんだ」など、常に上から目線で子供に接していると、親子であろうと信頼など得られません。その上、威厳を見せようと怒鳴ったり短気を起こしたりするようだと、ますます嫌われてしまいます。

子供が男の子の場合は、ある年齢になったら父親に徹底抗戦を挑んでくるかもしれませんが、子供が負かされてしまうと、劣等感・敗北感にさいなまされ、父親を嫌悪するようになってしまうかも。野生では群れを成すサルや犬のように、ボスが君臨する動物の世界ではないのですから、子供の意見に耳を傾けましょう。

3.母親を大切にしない父親

子供は、夫婦関係も実によく見ています。父親が母親を大切にしているかどうかは、子供にとって重要な問題なのです。
父親が仕事や趣味にかまけて家庭のことはすべて母親に任せっぱなし、または、母親につらくあたったりやさしくする姿を見せないでいると、子供はそんな父親に対して悪感情を抱くようになります。

4.悪口や人を見下す発言をする父親

子供に高圧的に怒るパパ

人の悪口や、人を見下すようなことを言う人は、誰であれ信頼できませんよね。それが、本来なら子供のお手本となるべき自分の親だった場合はなおさらです。子供は心から父親にガッカリしてしまうでしょう。

子供は自分の親は尊敬できる人であってほしいと思っています。人間として尊敬できないような行動をとれば、当然、子供に好かれるはずはありません。

5.内弁慶な父親

外ではニコニコと愛想がいいくせに、うちの中では機嫌が悪く家族を怒鳴り散らしたりという内弁慶なお父さんも、意外と多いのではないでしょうか?特に仕事の関係で、外や会社ではおとなしく組織に従っていなければいけないこともあるお父さんは、そのストレスから家庭内で爆発してしまうことも。

正義感が強い思春期の子供は二面性のある人を特に嫌う傾向にあるので、家の外と中とで顔を使い分ける父親に対して不信感を持つようになります。

6.子供に構いすぎる父親

思春期の子供は、親に「ほっといてくれ」と思っていたり、実際にそう言ったりすることもあります。そんなところに、何にでも子供のことに関して頭をつっこみたがると、「ウザい」と思われること必至。

学校のことや友達のこと、部活動のことなど、親としては子供のことは知っておきたいと思って当然ですが、子供にとっては自分のことについて質問されるのはプライベートを侵害されるようでイヤなものです。

7.放任すぎる父親

構いすぎるのはよくないからといって何もせずに放任にしていいわけでもありません。口ではそう言っても、実は嫌いな父親でも構ってほしいときもある、思春期は難しい年ごろ。
子供は、自分が父親に全く関心を持たれていないと思うと、寂しく思います。この年代の子供とは距離感をはかるのが難しいですが、キミのことに関心はあるよ、という態度は見せる必要があるようです。

夫婦関係が子供の父親嫌いに与える影響

子供と海を見にきた家族

女子高生を対象にしたある調査によると、両親の夫婦仲がよくないと答えた子供ほど、父親に対する嫌悪感が強く、一方で一緒に夕食をとる頻度などは関係がなかったという結果が出ています。これは女の子に限ったことではないようで、子供が父親を嫌うかどうかの一番のカギとなるのが、夫婦関係だといえます。両親の夫婦仲がいい家庭で育った子供は、父親を嫌うことが少ないようです。

母親に暴力をふるうような父親はもちろん、普段から妻をあまり大切にしない父親を、子供は嫌う傾向にあります。また、母親が普段から父親の悪口を言っていると、子供も父親に対して嫌悪感を持つように。
反対に、母親が夫のことを尊敬していて、子供にも普段からお父さんのことを褒めていると、子供も父親のことを嫌いになりにくくなります。
特に娘の場合、母親が父親をどう思っているか、母親からの影響力が特に大きいようです。

息子と父親の関係

子供にとって父親も母親も重要な存在ですが、生涯を通じてみると一般的には、男の子は母親と気が合い、女の子は父親と気が合いやすいと言われています。ということは、男の子のほうが父親嫌いになりやすい傾向があると言えるかもしれません。

男の子に特徴的にみられる父親を嫌いという理由

一人で森を探検する男の子

ここでは男の子に多くみられる特徴に焦点をあてて、男の子が父親を嫌う理由をみてみましょう。

男の子だからと厳しく育てられた

日本固有の男子を重んじる習慣から、男の子だから、後継ぎだから、と幼少のころから厳しく育てられる子もいます。しかし、父親があまりに厳しく接したり、弟や妹への態度と明らかに違う場合は、なぜ自分だけ、と反発を招く恐れがあります。

父親が偉大過ぎる

男の子は父親をいつか超えることを目指して成長していきます。
ところがその父親があまりに偉大だと、目標とするべき父親がどうやっても勝てない相手だと思ってしまうと、劣等感にさいなまれたり、自分はちっぽけな存在だと卑下してしまいがち。

そんな父親のことを避けるようになるばかりか、息子は肩身が狭くなり自分の居場所を定められずに、道を外れてしまうことも。

父親に経済力がない

自分の理想を父親に重ねる男の子は特に、自分の父親に経済力がないと情けないと思うことが多いようです。経済力がないことが原因で、妻に頭が上がらない、周囲からバカにされている、家でも居場所がないとなると、事態は悪化、父親を軽蔑するようになりかねません。

男の子と父親の関係と母親の役割

父親と仲が良くない男の子

男の子は父親の背中を見て育つといいます。父親が何も言わなくても、男の子は父親の行動を観察し、やがては父親を超えることを目指して成長していきます。それだけ、男の子の成長過程では父親の存在が果たす役割が大きいということですね。
その成長過程で父親のことを嫌いになる男の子も多くみられますが、子供は大人になって自分でお金を稼ぐようになり、子育てをしてみてやっと、親の苦労がわかるようになり初めて父親のことも許せたり感謝したりできるようになるのです。

それまでは母親が父親と息子の間に入り、仲を取り持つといいでしょう。例えば、「昨日、○○が悪かったって言ってたよ」と父親に伝えたり、息子には「お父さんが少し言い過ぎたって謝ってたよ」とお互いの思っていることをそれとなく伝えるようにすると、お互いを理解するのに効果的です。

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女の子が父親を嫌いという理由

ひるがえって、女の子が父親を嫌う理由は男の子とは若干異なります。
女の子の場合は父親の存在そのものを不潔に感じたり嫌悪感を抱いたりしますが、それには以下のような事情もあるようです。

  • 思春期になると自分が女であることを認識するようになり、それと同時に父親の男性性も認識するために、態度が急に変わり避けるようになる。
  • 男女ともに反抗期には父親を避けるが、女の子の場合は自立のためというより父親に対して不快感を持つようになる。
  • 女の子は生理が開始するとホルモンバランスの乱れからイライラしやすいため、父親の存在や態度に対しても苛立つようになる。

本能や体の仕組みと言った部分はどうしようもなく、父親には出来ることがなくも見えますが、決してそんなことはありません。

娘に嫌われないために

娘のために休日を使い観覧車に乗るパパ

この間まで懐いてくれていたかわいい娘が、ある時期から突然態度が急変し、自分を避けるようになったら・・・そんなお父さんのショックと寂しさは想像を絶するものがあります。
でもあなたの娘さんは、もうあのときの小さな女の子ではありません。彼女の成長を認め、父親の娘に対する態度も変える必要があります。特に父親に関しては娘が思春期に入ったら関係を一度リセットする必要があるのです。

以下の娘に嫌われないための10か条を参考に、今日から娘との関係を見直してみましょう。

娘に嫌われないための10箇条

可愛い娘に嫌われないために、父親としてできる対策をしておきましょう。自分では気にしていなかったことでも、娘にとっては嫌ってしまう要因になることがあります。

1:体臭・口臭・加齢臭対策をする

清潔感を何よりも大事にするこの時期の女の子は、「臭い」「汚い」と思うものが大嫌い。娘の前でおならやゲップをしても以前は笑っていたかもしれませんが、思春期に入った女の子にはNGです。

2:外でも家の中でも服装に気を遣う

仕事や外出時には服装に気を遣う人でも、家の中では膝のぬけたスウェットパンツに穴のあいたTシャツ、なんてお父さん、いませんか?
娘は圧倒的に家でのお父さんを見る機会のほうが多いので、部屋着もこざっぱりとした清潔感のあるものにしましょう。間違っても、お風呂上りにパンツ一枚で肥えたビールっ腹をさらけ出してウロウロ…なんてダメ。娘の友達に見られても恥ずかしくないと思える父親を目指しましょう。

3:娘のことをあれこれ詮索しない

思春期の女の子は、親に自分のことをいろいろと聞かれるのを極端に嫌がります。また、娘の事情をよく知らないのに一方的に話をしても「何も知らないくせに」と反発を招くだけ。
中高生にもなれば親に知られたくないこともできてくるので、お互いのプライベートを尊重するようにしましょう。

4:ここぞというときに頼られる存在でいる

普段は何も言わなくてもいざというときに頼れるお父さんは、娘の信頼を勝ち取ります。
トラブル発生時や緊急時こそ父親の出番。冷静に対処して問題を解決することができれば、好感度アップ間違いなしです。
アウトドア派のお父さんなら家族キャンプで頼れるところを見せたり、メカに強いお父さんなら車の調子が悪いときに直したりすれば、娘もきっと見直すはず。

5:娘を一人の女性として扱うとともに甘やかしすぎない

パパに甘やかされて育った娘

自分の子供はいつまでも子供扱いしてしまいがちですが、思春期の女の子はもう一人の女性として扱うようにしましょう。プライベートにずけずけと踏み込むようなことは避け、一人の人間として尊重するように。

また、嫌われたくないからと優しくしてばかりもダメ。危険なことや人に迷惑をかけるようなことをしたときには、しっかりと叱って父親としての愛情を示すことで、娘も父親に対する信頼感を持つようになります。

6:コミュニケーションをかかさない

父親に話しかけられるとウザいと思ってしまう年頃の娘でも、父親にまったく興味を持ってもらえなければ寂しいと思うもの。娘の機嫌がよくて話しかけてきたときには、ちゃんと答えるようにしましょう。その際は、まずは娘の話を最後までよく聞き、すぐに否定したりしないこと。

7:母親を味方につける

娘が父親を嫌うかどうかは、母親の影響が最も大きいといわれています。なので妻を味方につけてしまうのも効果的。家事などで妻に協力したり、プレゼントや外食に連れ出すなど、妻を大切にしている姿を娘に見せていると、娘の父親に対する評価もアップします。

8:基本的にこちらからは手を触れない

思春期の娘にはむやみにスキンシップをしようとしないこと。また、娘の身体のことを話題にするのはセクハラだと思われます。

9:母親から娘の情報を得る

先に説明したように、女の子は父親にあれこれと詮索されるのはイヤなもの。
かといって娘の様子は気になるし、学校でどんなことをやっているのかも知りたいですよね。娘のほうでも、あれこれ聞かれるのは嫌でも、その実、自分のことに関心を持っていてほしいと思っているもの。そのためには、母親から娘の情報を聞き出しておくのがいいでしょう。

10:娘との約束は決して破らない

娘に限ったことではありませんが、約束を破られたらがっかりしますよね。一気に信頼をなくしてしまいます。守れない約束は最初からしないことです。

不自然に気を遣うのはNG

以上、娘と父親の関係をよくする10か条をみてきましたが、娘と仲良くなりたい一心で、娘のご機嫌取りをしたり媚を売ったりする父親の姿には、娘は嫌悪感を覚えます。
あくまでもさりげなく自然体で接するのがコツ。例えば、無理に会話をしようとせず、すれ違いざまににこっと笑いかけてみるだけでもいいですよね。

娘に惚れられる父親になれ

パパと同じくらい花が好きな女の子

娘と父親が仲良くするためには、まず娘が父親を人間として尊敬して信頼していることが大前提。中身も外見もカッコいいと思えるお父さんになれれば、娘はお父さんとの距離を縮めてくるはず。

娘との距離がちょっと縮まったな、と思ったら、自分の行きつけのバーなど、大人の社交場に娘を連れていくのも効果的です。家での父親とは違う、外での大人の男としての姿を見せつけることで、娘の父親を見る目も変わってくることでしょう。

子供の自慢の父親になるために

子供に嫌われてしまう父親は、人間として成熟していなかったり、デリカシーに欠けていたり、家族を大切にしていなかったり、結局、人としても欠点となりうるところに原因があるのだということがわかりましたね。子供に好かれるためには人間として尊敬・信頼できカッコいい存在であることが一番。今日から自分を磨いて、子供が自慢できる父親を目指してみましょう。