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子供が嘘をつく理由と対処法

子供が嘘をつくときは叱っても無駄?心理と嘘の対処法

子供が嘘をつくのはなぜ?叱っても叱っても平気な顔をして嘘をつく子供たち…子供が嘘をつくときどのような心理なのか、嘘をつく子供に対してどう接していくべきか、子供に嘘をつかせてしまっている原因、年齢とともに変わっていく子供の嘘、叱るべきか否かより良い対応を探っていきます。

なぜ子供が嘘をつく?子供がつい嘘をついてしまう心理

純真無垢で正直であるはずの子供がいつの間にか上手に嘘をつくように。そんな事実に直面すると、「どうしてこの子が嘘をつくのか?」と思わず戸惑ってしまいます。
子供の純真性を信じて疑わない親ほど子供の嘘に衝撃を受けてしまいます。なぜ、子供は嘘をつくのでしょうか?その原因について探っていきましょう。

まずは落ち着いて!

許さない!と喧々としていては、子供の嘘に正しく対処できなかったり、嘘に嘘を重ねさせてしまう結果につながります。

まずはじめに、絶対に許さない!という怒りの気持ちから一旦離れましょう。

子供の嘘は成長の証

子どもの嘘は成長の証拠、知性がないと嘘をつけないとされています。幼児期には空想と真実の境界線が曖昧ですが、殆どの場合、子供は4歳までに嘘の概念を覚え、褒められたい、怒られたくないと言った理由で嘘をつきます

嘘の理由は年齢を重ねるに伴い複雑化していきますが、嘘をついていいようにやり過ごしたり出来るようになります。子供が親に嘘をつく場合に限定して考えるなら、どんな親でも子供には唯一無二の存在ですから、多くはきっと親と子供自身の関係を保つための嘘なのでしょう。

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子供が嘘をつく心理、原因は親にあることも・・・

我が子が嘘をついたとわかったら、「嘘つきは泥棒の始まり!嘘は絶対に許せない!」と厳しい態度で接してしまう人も少なくないでしょう。しかし、もしかしたら、子供の嘘はそのような親の接し方が原因になっているのかもしれません・・・。

これを読むあなた自身も嘘をついたことがないわけではなく、嘘をつき、デメリットを知り正直に生きるべきと悟ったはず。まずは子供が嘘を付いてしまう心理を見ていきましょう。

叱られたくないから嘘をつく

自分の非を打ち明け謝るには、代償を受け入れる覚悟が必要です。子供にとって素直に謝るという行動にはハードルがあるのです。「お母さんにしちゃダメって言われたのにしてしまった。でも、叱られるのはいや」というとき、子供は嘘をつくことを選んでしまうかもしれません。

今までに子供が正直に謝ってきたときにも叱ったりしつこく責めたりしていたりしてしまっていたのなら、子供は「謝っても叱られる」と思ってしまっていることも
「謝るのではなく嘘をつく」がクセになってしまわないように、子供が悪いことをして腹が立っても、正直に申告したときは「次はだめよ。でも、正直に言ってくれて嬉しいわ」と、申告した勇気は怒りを抑えてほめるようにしてみましょう。

叱られるのはなんとしても避けたい子どもでも、「悪いことをしても、嘘をつくより正直に言う方が良い」と覚えていくでしょう。

過程でなく結果を求めて嘘をつく

子供は、親に褒められたい、認められたくて嘘を付くこともあります。

例えば子供が良い点数をとってきたことや運動会の徒競争で1等になったことなど、結果ばかりを褒めていると、結果を得るまでの家庭はあまり重視されないと認識していきます。結果ばかりを褒めると、「私はこんな良いことをした」と子供がありもしないようなことを作り上げて親に報告するようになるかもしれません。

子供が努力していること(毎日、親に言われなくてもピアノを練習していることや、字を丁寧に書いていること等)や見えないところでしている良い行動(落ちていたゴミを拾ってゴミ箱に入れたことや、次の人のためにドアを手で押さえたこと等)に気付き、積極的に褒めていますか?

普段から、子供の小さな努力や良い行動に注目し、積極的に褒めることで、結果ばかりを追い求めてしまわないように誘導できます。頑張ればちゃんと見てもらえていると思えれば、作り話をさも本当のことのように嘘をつくようなこともないでしょう。

親に注目してほしくて嘘をつく

普段から子供の行動に目を配り、声を掛けていますか?
生活の忙しさにかまけて子供を放置してしまうと、注目してほしくて、あえて突飛な嘘をつくことがあります
嘘の中でもちょっと悲しい嘘ですよね。子供が嘘をついたりわざと叱られるような行動をしたりしなくても済むように、しっかりと子供に声を掛け、いつも気にかけていると言うことを表現したいものです。

親の嘘を見て嘘をつく

子供の嘘には敏感に反応し、「どうして嘘をつくの?」「正直に話しなさいって言ったでしょ!」と叱る親自身が嘘をついているなら、子供は親の普段の言動を見て、嘘をついても良いんだと理解しているのかもしれません。

例えば、「日曜日は早起きしてパンケーキを食べに行こうね」と子供に言っておきながら、朝になったら面倒になって、適当な朝ご飯を作って食べてしまったら・・・。子供は親を責めなくても、「言ったことと違う・・・」と内心嘘をつかれてたとがっかりしてしまうかもしれません。
小さな約束でも必ず守るということを、親は普段から子供に示し続けることで、嘘をつかない子供に育てていけるはずです。

成長で見る子供の嘘

親の関わりで嘘を流してしまうことは多々あっても、もちろん、子供の嘘は100%親が原因というわけではありません。先に説明したように、子供が成長していくにつれ、心が複雑になり、『嘘』という形で表面に出てしまうこともあるのです。

これは、心が病んでいるわけでも、周囲から良くない影響を受けているからでもありません。単純に子供が成長していくときに見せる、高度な知能を持つ人間ならではの状態ですので、親は特に深刻に受け止めず、「そんな時期になったのだなあ」と子供の嘘も受け止めて、理解を示してあげることも必要です。

小学校中学年

小学校もの中学年くらいになると、友だちと自分を比べるようになったり、点数が良い方が良いと思うようになったりと、「こうあったら良いなあと思う自分」というものが徐々に形成されるようになります。そのため、実際の行いよりも、少し自分を良く見せようとして、「もう玄関のお掃除は終わったよ!」「今日のテストは100点だったよ!」と嘘をついてしまうことがあります。

ですが、嘘がばれやすいのもこの時期ならでは。玄関の砂利がそのままになっていたり、翌日返ってきたテストの点数部分が黒く塗りつぶされていたり(笑)と、容易に見破ることができてしまいます。

こういった時期の子供の嘘があり、成長した後も「あ、これは嘘」と親の子供の嘘を見抜けるスキルも磨かれていくことも多いですよね。

小学生高学年

小学生中学年のときよりも、さらに集団の中の自分を意識するようになります。
精神的に少し幼く、今まで自分しか見えていなかった子供の目線は徐々に周囲にも向けられ、「自分が最高ではない」ということに気付いてくるようになります。
また、他の人と自分の違いにも敏感になり、「自分は変なのではないだろうか」と落ち込んだり、反対に「こんなことができる自分はすごい!」と過大評価したりするようになります。

精神的な面では思春期の入り口ということもあり、気持ちも大きく揺れます。
もしかしたら、頭の中で思っていることと言っていることが違ってしまったり、現実と希望がごちゃ混ぜになり、嘘をついているという意識がないまま嘘をついてしまうこともあります

もちろん嘘はいけないことなのですが、あまり細かく「それ、嘘じゃないの?」と厳しく追求してしまうと、子供が希望や夢を語らないようになってしまうことがあります。少しくらい話は盛ったってOK、有言実行できるにはまだ早いと聞き流すことも、この時期の子どもに接する親に求められているのです。

小学生の反抗期はなぜあるのでしょうか?そんな素朴な疑問から、子どもの反抗期とうまく付き合っていくために必要なことをご紹介します。男女の特徴と対処法を知って中間反抗期を乗り切りましょう。

中学生

思春期真っただ中で、女の子も男の子も親とのコミュニケーションに問題を抱えやすくなる時期です。自分が周囲からどのように見られているかについて異常に気にするようになったり、自分の意思をわざと隠すために嘘をついたりすることがあります

また、親が何気なく発した言葉にも敏感になります。親が他の子供について述べたコメントやちょっとした叱責に対して、「自分は親から低く評価されている」「自分は愛されていない」と感じてしまうこともあるため、小学生のときよりも愛情表現に意識してあげるべきなのかも。
子供が親に愛されているんだと言うことを自覚させることが、簡単に嘘をつかせないためにも有効でしょう。

反抗期の中学生は思春期もあり親に素直になれない傾向があります。反抗期は男子も女子も何かとイライラしているので接し方がわからないこともありますよね。反抗期の中学生に対する親の接し方です。

男の子と女の子の嘘の違い

男の子と女の子の嘘は、ちょっと違います。もちろん一概に言うことはできませんが、男の子の方が自分を良く見せようと嘘をつくことが多く、つじつまが合わなかったり、すぐに違うことを言ってしまったりすることがありますので、バレやすいといった特徴があります。

女の子も自分を良く見せるために嘘をつくことがありますが、嘘が巧妙であることが多く、親であってもなかなか嘘であると見抜けないばかりか、本人の演技力に嘘かどうかすら分からないことも少なくありません。
また、女の子は他の子供たちや大人たちと話を合わせるために嘘をついたり、余計なもめごとを作らないために瞬間的に嘘をついてしまうこともあります。

嘘をつくことは決して推奨されることではありませんが、周囲に意識が向いた「優しい嘘」もありますので、あまり目くじらを立てることがないようにしてあげましょう

問題のある嘘とない嘘

では、どのような嘘が問題のある嘘なのでしょうか?

誰もが不快になる嘘

小学生低学年から中学年くらいの男の子にたまに見られる嘘ですが、あえて気持ちの悪いことをいったり、想像もしたくないような汚い話をしたりして、皆の注目を集めることがあります。このような話を周囲の男の子が喜んで聞いているうちは良いのですが、場所をわきまえずに不快感だけをまき散らすようになると、気付いた大人は注意をする必要があるでしょう。

そのような場合は、嘘をついているかどうかということよりも、周りの人の気分を不快にさせる話は良くないと言うことに主軸を置いて説明するように心がけてください。またけがをして骨まで見えたんだぜ~!等、本当のことだとしても、食事の席や内臓関係の話題に弱い人の前で言うことは良いことではありませんよね。嘘云々でなく、他人を不快にさせないことの大切さを教えていくようにしましょう。

人を傷つける嘘

特定の人を傷つける嘘や、皆を傷つける嘘は言うべきではありません。これも、誰もが不快になる嘘を言ってはいけないのと同じく、本当のことだから良い・嘘だからダメというわけではなく、人を傷つけるからいけないということに話の軸を置きましょう。

例えば、「○○ちゃんのお母さんが死んだよ」と頻繁に言う子供がいたとします。
○○ちゃんのお母さんが元気に生きている場合はもちろん、本当に亡くなったしまった場合でも、そのような話題を繰り返し言うことで、○○ちゃんの気持ちも○○ちゃんの友達の気持ちにも、少なからず傷つけ嫌な思いをさせてしまうことでしょう。人を傷つける言葉を発しないように注意していきたいものです。

嘘をついてしまう子供の対処法

嘘をついてしまう子供には、どのように接することができるでしょうか?

叱るべき?叱らないべき?

嘘をついたらすぐに叱るというのでは、子供がなぜ嘘をついているのか分からず、結局は子供の嘘を繰り返させてしまうかもしれません。まずは、どうして嘘をついているのか考えましょう。

子供が嘘をつく原因となる、叱られたくない、褒められたいといった状況を作り出してしまっている親の言動を一つ一つ直していくことで、子供が嘘をつかなくても良い状態に自然に持っていく・・・ということが理想的ですが、現実には、なかなか自然に子供を嘘から遠ざけるには時間がかかるものです。
ですが、手っ取り早くなんとかしようと「嘘をついちゃだめでしょ!」と頭ごなしに怒るのではなく、「どうして嘘をついたの?嘘は良くないよね」と理由に注目するように仕向ける姿勢を持ちましょう

嘘をつく方法ではないやり方があって、そっちを選ぶべきなんだと子供心にも理解できるに伴い、親が自分の行動に関心を持っていること、自分の嘘で親を悲しませてしまうことは子供心にも響いてくるでしょう。

子供の嘘に無関心はNG

子供を叱るにしても叱らないにしても、嘘をついたことに対して無関心な態度をとることは絶対にNGです。親の無関心な態度は、子供をもっとも傷つけてしまいます。人間は人間同士の関わりがないと社会的に生きていくことが難しい生き物ですので、もっとも小さな社会単位である家族に関心を持ってもらえないことがわかると、無意識に自分を守るための虚言癖が身についてしまうのです。

叱るにしても、子供への愛情から叱っていることが分かるように、子供の気持ちに寄り添う言葉を掛けながら叱りましょう。叱らないのであれば、どうしてそのような嘘をついたのか、子供とともに確認し、嘘をつくならとても悲しいと伝えることが大切です。

体裁上嘘は許さないべき?

嘘はいけないということは、幼稚園の子供でも言葉としては理解していることです。ですが、知性が発達していくに伴って子供は必ずと行っていいほど嘘をつきます。人を傷つけないために嘘をつくこと、人間関係を円滑にするために嘘をつくことを、すべてダメだと言ってしまうのはあまり正しいとは言えないでしょう。

大げさな例え話をすると、もうすぐ息を引き取りそうな曾祖母が「お母さんの言うことを良く聞いてね」とひ孫に語りかけたときに、ひ孫が「どうかなあ、いつも聞けるかどうか分からないわね」と正直に答えるなら、曾祖母はがっかりし寂しくさせてしまうでしょう。

もちろん人を喜ばせるために嘘ばかりつくことも褒められる行動ではありませんが、いつも「嘘はダメ」ということばかりを言っていると、人を傷つけることや人に不快感を与えてしまうようなときに、正直なことをいう以外の逃げ道を用意できない、極端な考え方になってしまうかもしれません

正直さも大切ですが、人と心地よく暮らしていくことをベースに柔軟な発想を子供が持てるように接していきたいですね。

子供の嘘をおおげさに考えないことも大切

子供は不要に嘘をついたり、かと思えば言ってはいけない場面で本当のことを言ったりしながら、人と適切なコミュニケーションをとることを学んでいきます。
ですから嘘をつくことは、人間が他の動物とは異なる高度な感情を形成していくためにある程度は必要と、少しおおらかに心の成長を見守けたなら、親としても要らなく世間体や責任感に潰されることなく子供に対して最良の接し方を選択していけるのではないでしょうか?