自転車に子供を乗せる時の定員
子供を幼稚園や保育園に送り迎えをするために、自転車にチャイルドシートをつけて、一生懸命自転車をこいでいるママを見かけることがあります。
原則として、自転車を運転する人以外、自転車に乗せてはいけません。2人乗り禁止ということです。ですが、普通の自転車の場合、運転する人が16歳以上の場合、6歳未満の子供をチャイルドシートに乗せて運転するのはOKです。
さらに、後ろに6歳未満の子供をバンドでしっかりと固定していれば、おんぶして自転車に乗ってもよいと道交法57条に定められています。
幼児2人同乗用自転車の場合、自転車の前と後ろにチャイルドシートが設置してあり、子供2人同時に乗せることが可能です。(注1)
自転車はガソリンもかからず手軽に使えるので便利ですが、子供を乗せる以上、転倒しないよう、安全運転が基本です。急いでいるからと、子供を乗せてスピードを出さないようにしましょう。
後ろに子供を乗せ、もう1人をおぶって自転車に乗るのは法律違反ではありませんが、背中でふいに子供が暴れるなど、危険な場合がありますのでおすすめしません。
子供を乗せるのに適している自転車を使おう
自転車に1人で乗っているときと、子供を1人乗せたとき、前後に2人乗せたときを比べると、バランスをとるのが非常に難しいことに気がつきます。子供を乗せる練習をするのはもちろんですが、安全性に優れている自転車を使用しましょう。
理想的なのは、子供を乗せることを前提に作られている幼児2人同乗用自転車ですが、それ以外のチェックポイントとして
- 電動自転車
- 変速機付き
- 26インチ以下
- 両足スタンド
上記の4つがあげられます。電動自転車は電池切れに注意しましょう。変速機付きだと、坂道でもバランスを崩しにくくなりますし、26インチ以下の大きさの自転車では、倒れそうになっても咄嗟に地面に足をつけやすいです。
サイズが大きくてバランスがとりにくい、変速機がついていない、片足スタンドでとめるタイプは非常に危険ですので使わないようにしましょう。
自転車に子供を乗せるのは何歳から?
自転車に2人乗りできるのは6歳未満からとされていますが、何歳から乗せていいのか分からないという人もいるでしょう。
何歳から乗せてもいいという明確な決まりはありませんが、自転車のチャイルドシートにしっかりと座れるようになっていることが最低条件でしょう。
一般的には1歳すぎがおすすめ
自転車の2人乗りに、子供は何歳からというルールはありませんが、一般的には1歳過ぎから乗せるのがいいでしょう。反対にオススメ出来ないのが、0歳で乗せることです。
その理由をみていきましょう。1歳未満でもしっかりと乗っていられるのであれば、下記の限りではありません。
理由1.お座りが安定しない
平らな床の上でお座りが出来るようになるのと、グラグラと揺れる不安定な自転車の座席でしっかりとお座りできるのとでは状況が違います。
お座りが出来るようになって間もない0歳後半では、まだグラグラとした座席では不安定な姿勢になってしまうので、自転車に乗せるのは少し早いです。
理由2.安全バーを握っていられない
0歳の子に安全バーを握っているように言っても、きちんと掴んでいられません。出来たとしても「たまたま出来た」「今日はラッキー」くらいに思っていてください。
0歳の子に伝えても、きちんと理解できません。何が危険で、何が安全なのかが分かるようになるまでは、自転車に子供を乗せるのは早いといえます。
理由3.じっとしていられない
0歳の子に、じっと座っているようにと言ってもできるはずがありません。グラグラとした不安定な自転車の上で、大人しく座っていられる0歳児の方が珍しいと言えるでしょう。
子供の成長には個人差がある
1歳未満で自転車の前・後部座席に乗せることはオススメできませんが、子供の成長には個人差があるので、お座りが安定してくる時期も子供によって違います。
フローリングや畳などの平らなスペースで上手にお座りが出来るようになったら、次は布団やベッドの上など、比較的バランスが取りにくい場所でお座りをさせてみましょう。これができないようであれば、1歳を過ぎていても自転車に乗せるのは早いと言えます。
不安定な場所でも自分でバランスを取りながらお座りができたら、パパやママの自転車に子供を乗せることを考え始めても良いでしょう。
自転車に子供を乗せるときの5つのポイント
1歳を過ぎたあたりから自転車の子供乗せをスタートさせるパパ、ママが多いです。自転車に子供を乗せるということは、決して安全とは言えません。
だからこそ、親子ともども安全に乗るための準備を、前もっておこなうべきです。自転車に子供を乗せるためには、どのようなポイントに気を付ければよいのか、チェックしていきましょう。
1.シートベルトとヘルメットを着用させる
自転車に子供を乗せると不安定な運転になることが多いので、絶対に子供へ着用するべきなのがシートベルトとヘルメットです。
肩ベルトと腰ベルトを合体させる方式のシートベルトが多く、着用することによって衝撃により放り出される心配が少なくなります。また、不安定な道を走行しても子供の体がぶれにくいため、お座りが安定するというメリットもあります。
また、ヘルメットは頭部の保護に効果的です。子供は大人に比べて全身に対する頭の比率が大きいので、自転車が転倒した際、頭から倒れてしまうことも珍しくはありません。ですから、ヘルメットは子供達の安全を確保するためにも必要不可欠です。
子供を乗せて自転車を運転するのは、そんなに簡単なことではありません。自転車の前後に子供を乗せるとどちらかが重くなってしまうので、自転車の漕ぎはじめやスピードを落として走行するときに、自転車がグラグラしてしまい、バランスをすぐにとることが難しいのです。
子供がヘルメット着用を嫌がる場合
帽子は頭にフィットするので嫌がらないけれど、ヘルメットは固いしゴツゴツしているので被りたくないという子供が多いです。嫌がる子供に、ヘルメットを被せるのは本当に大変です。
そこで、自ら被りたくなるような工夫をしましょう。例えば、ヘルメットにお気に入りのキャラクターのシールを貼って「これを被って、○○ライダーに変身しよう!」とテンションアップさせてみたり、「さぁ!冒険に出掛けるから隊長!これを被ってください」と、なりきり大作戦を仕掛けるのも効果的です。
2.自転車に子供を乗せる練習をする
自転車に子供を乗せるのは、想像以上に難しいと感じるパパ、ママが多いです。1人で乗る時にはスイスイと運転できているのに、子供が前か後ろに乗るだけでバランスのとりにくさ、不安定さに驚く人も少なくありません。ですから、自転車に子供を乗せる練習が必要です。
車や人が少ない公園や駐車場を利用して、さまざまなシチュエーションを想像し、子供を乗せて自転車走行の練習をしてみてください。子供を乗せた状態の走行は、非常に不安定です。公道に出る前に、しっかりと練習しておきましょう。
- 乗り降り
- 真っ直ぐ進む・曲がる
- ブレーキをかける・止まる
3.傘さし運転は問題外
出来れば、雨降りの時の自転車運転は避けた方が賢明です。しかしながら、走行中にいきなり雨に見舞われたり、小雨だと思っていたら次第に強い雨に変わってきたという場合もあるでしょう。
子供にはカッパを着せ、自転車にすそが絡まないようベルトでしっかりと固定するのはもちろんなのですが、ママが自転車を運転しながら傘をさし、片手運転するのは絶対にやめましょう。
自転車に子供を乗せていると、それだけで不安定でバランスがとりにくい上、傘を差して片手運転をすると、風で傘が煽られ、濡れた路面のため転倒の恐れがあるので大変危険ですし、法令違反にもなります。(注2)
傘さし運転は問題外です。子供の安全を守るためにも、歩行者の人に迷惑をかけないためにも、雨が降っている日は、自転車に乗らないようにしましょう。
4.自転車の点検を怠らない
安全に自転車に子供を乗せるために、自転車の定期点検は欠かせません。自転車店や自転車を扱っている店舗に定期的に出向き、下記の安全を確認してもらいましょう。
- タイヤの空気圧
- ブレーキの効き具合
- サドルのぐらつき
- ギコギコと何か変な音がする
- ブレーキが効きにくい感じがする
点検時以外でも普段乗っていて上記の異変を感じたら、すぐに点検してもらってください。自転車の点検は法律で必ずしなければいけないと定められてはいませんが、自転車店で、点検をお願いすると一通り見てくれます。家族の安全を守るためにも面倒に思わずに、年に1~2回ほど点検を行いましょう。
5.携帯電話やスマホを見ながらの運転はNG
携帯電話やスマホを見ながらの運転はもちろんNGですし、法律違反です。ただでさえ不安定な状況なのに、片手運転をすると更にバランスが取りにくくなるので、絶対にやってはいけません。
自分達がケガをするだけではなく、関係のない他の人まで巻き込んでしまう可能性があるので、ながら運転は絶対に止めましょう。(注2)
自転車に子供を乗せた体験談3つ
実際に、日ごろから自転車に子供を乗せているというママの体験談を6つ紹介しましょう。参考になることばかりです。
電動自転車がおすすめ
さぼん(34歳)
子供が2歳のころ、自転車デビューしました。自転車の前に子供用シートが設置してあるタイプの電動自転車です。
最初は普通の自転車に後付けのチャイルドシートを設置したのですが、後ろに設置したこともあり、子供が見えないことへの不安や、走り出しのときの不安定さがとても怖く、子供乗せ専用の電動自転車を購入しました。
結果は大正解です。前に乗せるため、子供の状態が見えることと、電動自転車ですから、走り出しの不安定さもなく、滑らかに発進することができます。
また、坂道も楽に走行できるので、普通の自転車だとハンドルがグラついたりして危険ですし、子供を乗せるなら電動自転車がおすすめです。
安いものではありませんが、子供の安全には代えられませんし、自転車を運転する自分自身もとても楽です。
練習は必須です
ここな(29歳)
そろそろ子供を保育園に預けようと思ったのが1歳半を過ぎたころでした。送り迎えには自転車を使おうと思っていたので、早速自転車につけるチャイルドシートを購入しました。
前乗せタイプなので必然的にハンドルが重くなり、グラグラするので練習しなければ怖くて子供を乗せられません。
そこで夫が思いついたのが、子供と同じ重さ分、水の入ったペットボトルを用意してチャイルドシートへ乗せる作戦です。
公園でペットボトルを積んで自転車の練習をしました。やはり、発進する際と止まるときが不安定になるので怖かったですが、練習で感覚をつかむことができました。
子供を乗せた状態で練習するのもいいですが、最初は慣れるまで危ないので、同じ重さのものを積んで練習してからの方がいいです。
ですが、ペットボトルは子供のようにふいに動くことはありません。慣れたら子供を乗せ、夫が自転車に並走する形で練習しました。
ただ、広い公園で練習するのとは違い、道路を走行するときは凸凹もありますし、歩行者もいますので絶対にスピードは出さず、転倒しそうになっても対処できるような速度で走るようにしています。
前後に乗せると重いです
ちーさん(32歳)
4歳と2歳の子供を前後に乗せて自転車を活用しています。保育園まで毎日2人を乗せて通っています。
前後に2人の子供を乗せていますので、さすがに電動自転車を利用していますが、だからといって子供の体重が軽くなるわけではありません。
走行時は問題ありませんが、自転車を止めるときに注意が必要です。子供が乗った状態で自転車を止めなければいけませんが、スタンドを立てるまで、自転車を倒さないよう、注意が必要になります。
中にはハンドルロックと連動してスタンドが自動で立つ自転車もあるのですが、自分が使っている自転車にはその機能がなく、走っているときよりも止めるときの方が神経を使いました。
安全に自転車に子供を乗せよう
自転車は交通費もかかりませんし、天気が良いときの自転車は本当に最高です。しかしながら、ただ乗れば良いというわけではありません。
ヘルメットを着用する・自転車の点検整備を小まめに行う・安定したお座りができるようになるまで自転車に子供を乗せないなど、自転車に乗るときにいくつかの注意ポイントに気をつけて、より安全性を高めていきましょう。
6歳未満の子供を自転車に乗せることができますが、自分で自転車に乗りたがる子供も少なくありません。子供の自転車練習はいつからはじめる?親が教えるコツを参考に、2人乗りを卒業して、自分で自転車に乗れるよう、一緒に練習しましょう。
自転車はルールをきちんと守ってさえいれば、子育て中のパパ、ママを助けてくれる、とても便利なアイテムになります。是非、上手に活用してください。
参考文献