PTA役員は仕事を理由に断れない?
お父さんが仕事をしてお母さんは家事育児…という性での役割分担があたりまえだった時代はあっという間に過ぎ去り、多くの過程では共働きだったりシングルで家計を支えていたり。仕事と家事育児にプラスPTA役員だなんて冗談じゃない…!という家庭は増え、これまでのPTA組織は崩壊しつつあります。
が、まだまだ『子供が学校に入ったら親はPTA』『一世帯一役員』という考えを根底に持ったまま組織運営をしている学校PTAも多く、そういったケースでは「仕事をしているから」という理由だけでは断れなくなっています。「仕事が」と言ってみたところで「皆さん仕事されてますから~(迫)」という切り替えしは想定内…。
仕事に家事育児に学校PTAに…文字通り休む暇もないなら「本当に他所の家庭ではどう乗り切っているんだろう…?」とすら思うこともあるかも知れません。今回はそんなお話を進めてまいります。
PTA活動の様変わり…PTA役員とフルタイムの仕事を両立する人も!
PTA役員の仕事を「仕事をしているから」という理由で断れたのは、もう過去の話です。
共働きやシングルマザー、シングルファーザーが増えた今、フルタイムで仕事をしていたとしても、PTA役員の仕事を断ることは難しくなっているのです。
実際にフルタイムで仕事をしている人は、どのようにPTA活動にも関わっているのでしょうか?PTA役員と仕事を両立する2人の保護者の体験談を紹介します。
会社員にも配慮してくれているPTA活動…Postby子連れおおかみ小僧(30歳)
元々PTA活動には興味があったので、子どもが小学校に行ったらPTA役員に携わりたいと考えていました。子どもは女の子2人なのですが、どちらも私ではなく妻にべったりなので、それもあってPTA役員をすることで子どもと接点ができれば良いなという気持ちも少なからずありました。
下の子どもが小学校に入学したときに人生初となるPTA総会に出席し、役員決めのときに挙手して役員に無事になることができたため、子どもたちの学校はPTA活動に対して特に活発な印象も受けませんが、とりわけ不活発というわけでもなくちょうどよかったのかもしれません。役員決めのときも全体で会長・副会長も含めて20人が必要だったのですが、21人手を挙げたので、希望する人が役員になることができ、希望しない人は役員にならなくても良いといった感じでした。
PTAの活動は、基本的には月に1度集まって、必要なことを決めたり、2ヶ月に一度の会報を編集したりすることです。私を含めて父親は6人いたのですが、皆、自営業ではなく普通のサラリーマンだったので、平日に集まるのは1学期に1回だけで、その他の会合は土曜日か日曜日に行われることに決まりました。
ですが、PTAが決めることや主導して実施することって意外とたくさんあり、集まるのは1ヶ月に1回だけですが、頻繁に他の役員たちと1週間に1度はラインで連絡を取り合って、必要事項を決めたりしています。どうしても皆で集まらなくてはいけないときだけ会合するというスタンスですので、私のように普通の会社員でもなんとか会社に迷惑を掛けずにやっていくことができています。
PTA役員になって、子どもたちの活動が以前よりもよく分かるようになりました。子どもたちがちょっと校外学習に行くだけでも、また、学校に人を呼んで講演会をしてもらうだけでも、本当に多くの手間と時間がかかっていることが分かり、先生や他の役員・保護者の方にも感謝を持つことができるようになりました。私的にはとても楽しく活動できているので、下の子が卒業する前にもう一度役員を担当したいと考えています。
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PTA活動を甘く見ていました・・・Postby言わぬが鼻(38歳)
PTA役員なんて他人事だと思っていたら、とうとう子どもが6年生のときに、「一回もPTA役員をしていないのは○○さんだけなので、今年は引き受けてもらわないと困るんだけど」と新学期早々の懇談会の後で開かれたPTA会議で言われてしまいました。
何が困るかは体裁上の問題でしょと思いつつも、子どもがひとりっ子なのにPTA役員をしてないなんてやっぱり変なのかもと思って、二つ返事でPTA役員を引き受けました。
子どもがたくさんいる人もフルタイムで働いている人もみんなPTA役員になったことがあるということは、PTA役員の仕事ってそんなに大変じゃないのかも!と楽観的に構えていたのですが、そんなことはありませんでした・・・。
まず、第一回目の会合が平日の午後1時からとなっていて、最初だから抜けるわけにはいかないと会社に前もって半休を申請しておきました。最初だからなのか、だれも休む人がいなくって、午後1時から4時まで談笑も少し交えながらですが今後の活動についての説明を受けたり、各行事や仕事内容ごとの分担を決めたり。
二回目の会合も平日の午後1時からで、第一回目から2週間しか経っていなかったので、さすがに会社に半休を申請するのはどうかと思い、有休を申請して出席しました。二回目だから休む人もいるのではと思ったのですが、なぜかみんなちゃんと出席していました・・・。
翌月に開かれる学区の美化活動について、どのように集合するのが良いのか、集団ごとの連絡はどのように行うのか、集団の代表はどのように決めるのか、みんなで使うゴミ袋やトングはどうするのか等、決めることが多くあり、結局4時までにはすべてを決定することができず、ラインやメールで連絡を取り合いながら当日に向けた活動をすることになりました。
LINEやメールを駆使して集まる回数を減らせればよいのですが、各家庭の親が構成していることもあり、やはりラインやメールの連絡がうまくいかないこともあって、結局、一週間後にまた会議を開くことに。さがに会社を休むわけにはいかず土日にしてほしいと提案しましたが、土日は無理と言うお母さんたちが多くて、結局平日の午後1時に決まってしまいました。
申し訳ないけれども1ヶ月に3回も仕事を休んで無理に出席するのもどうかと思い、3回目の会合は欠席しました。しかし、後で、「○○さんが来ないから××の打ち合わせはまだ出来ていないよ」とラインで連絡をとっていたお母さんから言われてしまい…。
本当にみなさんどうやって1年間仕事とPTA役員の仕事を両立しているのか不思議です。私が要領よくないだけかもしれませんけれど、やはり平日、フルタイムで仕事をしている人にとってPTA活動は難しいものがあると思います。
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PTA役員に選出されそうでトラブルが怖い・すでにトラブルに巻き込まれて困っている方のために、PTA役員決めトラブルの実態や現状のPTA活動の問題点、PTA活動のトラブルを回避する方法を考えていきます。
フルタイムの仕事を持つ人のPTA活動の負担解決方法が問われる
頻度や時間帯・曜日によっても異なりますが、仕事を持つ親が参加しやすくなっているPTAもあれば、フルタイムで仕事をしている人にはかなり厳しいスケジュールになっているPTAもあります。
仕事とPTA活動の両立を考えている人は、PTA役員経験者の話を聞いて、どのようなスケジュールで会合や活動が行われるのか把握してからPTA役員に立候補してみたほうがよいのかも知れません。
また、PTA側も時代背景に合わせてスタイルを変えていく必要はあります。平日フルタイムで勤務する人にとって、仕事を休んで平日にPTA会合へ参加することで、仕事に影響が及び、給与や昇進などその人と家庭に響いてくる可能性はあります。
もちろん、専業やパートの合間を縫って参加している人も大変でなくはないですし土日は無理ですという比率は多いでしょうが、仕事に影響が及ぶ事態や強制的に家庭を犠牲にさせるようなPTA活動は避けるべきです。
フルタイムでの仕事を抱える人の割合が多いのであれば、またはフルタイム勤務の家庭にもPTA活動の参加を呼びかけるのであれば、会合のスケジュール調整や連絡手段の効率化を図って、生活を犠牲にすることなく参加できるシステムにするべきとはいえそうです。
仕事を原因には断れないPTA役員!どんな理由なら断れるか
お父さんもお母さんもフルタイムで仕事をしていることも珍しくない現在。仕事と家庭と子育てをこなすにはある程度の休息だって必要なのに、PTAどころではないとは言え、仕事を理由にPTAもの仕事を断りにくい…。
仕事がどんなに忙しくても、会社で大きな責任を任されていたとしても、好きで仕事しているんでしょ!と言われてしまった場合…。PTAという組織自体任意のものなので仕事を理由に断ったってそもそも何も問題はないですし、仕事をあんたの勝手でしょと言われてしまう筋合いなんてこれっぽっちもないのですが、大人たるもの「好きでパートor専業やってるんでしょ!」と切り返したい気持ちはひとまず伏せておきましょう。
「自分以外の親業をこなす父母って、もしや超人的ハイパー父ちゃん&ハイパー母ちゃんなのか?」とよくわからない考察にたどり着いたなら、あなたはPTA役員を請け負うのはかなりの無理が発生していると考えられます。どうしてもPTAの仕事引受を断りたいとき、どのような事情なら理解を得やすいのでしょうか?
- 波風立てないPTA役員の断り方、揉めない辞退の文言10
波風立てずに役員を辞退するPTA役員の断り方でこの戦い(役員選出)を切り抜ける!共働きも増える中、仕事を理由に断りにくいPTA役員ですが役目に責任をもてないときやはり無難に役員を辞退するべきかも。
介護を必要とする家族がいる場合
介護を必要とする家族と同居している場合や、離れて暮らす両親や義両親に介護が必要で、頻繁に介護や介助に行く場合には、同じ個人的な事情だとしてもPTA役員の就任を断る理由として認められやすいようです。
もちろん、「一緒に暮らしているお姑さんの介護が大変で・・・」と言いながら、お姑さんが元気にいつも出歩いているなら、嘘がばれてしまいあなただけでなく子供にもその影響は及びかねません。あくまでも嘘にはならないように!
小さな子どもがいる場合
2歳以下の未就園児がいる場合は、「赤ちゃん(1歳の子)がいるので、会合出席は難しい」「子どもを預けるところがなく、迷惑をかけてしまいますが、会議の際には連れて行っても良いですか?」と子どもを理由にした御断りも良き免罪符となります。
もちろん、小さな子どもがいるという理由でPTA役員を断ることもできますが、すでにPTA役員に小さな子どもを持つ親がいてPTAの会議に連れて行っている場合には、「わたしも連れてきているから大丈夫よ!」と励まされてしまうことはあるので、可能な範囲でリサーチはしてみましょう。
他の役員になっている場合
下の子の園の保護者会役員や上の子の学校のPTA役員担っている場合、町内会の役員や子供会の役員になっている場合は、「既にこれこれの役員であるために2つも役員をお引き受けするのは難しいと思います・・・」と断るという方法もあります。
ですが、自治会の仕事は土日に行われることが多く、PTAの仕事は平日に行われることが多いので、経験者がいれば「時間的に重ならないので、両立できますよ!」と背中を押されてしまうことも…。これだけでは弱いことが考えられるなら次の一手は必要です。
PTA役員の仕事内容
フルタイムで仕事をしていても断れないPTA役員・・・、引き受けは免れない状況となった場合、PTAの仕事はどれくらい大変な仕事なのかとふと不安になることもあります。
多岐にわたる活動がありますが、それぞれ担当する係の仕事をこなしていくために、多くて月に数度、活動内容が比較的少ない学校の場合で半年~1学期に1度程度で集められるのが一般的です。PTA役員や係のそれぞれの仕事内容をチェックしていきましょう。
学校行事のサポート
学校行事で先生方だけでは手が足りないときに、PTA役員が先陣を切ってサポートを行います。幼稚園の場合なら小学校以上に子どもに手がかかりますので、遠足や校外学習について言って子どもの世話を行うことも。
美化活動
校庭の花壇などをキレイに保つことも、PTAが仕事を請け負っていることがあります。草抜き、花植えなどのかがむ作業やプールの掃除や体育館の掃除などの力仕事を行うことも。男性も参加しやすい役員です。
ベルマーク活動
各家庭にベルマークを集めるように促し、集まったベルマークを専用の台紙に貼って集計したり、ベルマークを集めて、学校に必要な備品をもらったりします。
また、学校によってはベルマーク以外にも、プリンターのカートリッジや古切手、プルタブ、ペットボトルのふたの収集も同じPTA係が担当することも。
入学記念品・卒業記念品
新入生に対して入学記念品を渡したり、卒業生に対して卒業記念品を渡したり、お世話になった学校に卒業生一同として記念品を贈答したりするときも、PTA役員が先頭に立って活動します。どのような記念品が良いのか選定することも、PTA役員の裁量に任されることが多いようです。
保護者向けのイベント
給食試食会や食育教室、フラワーアレンジメントなどのカルチャー系のスクール、著名な文化人やスポーツ経験者等を招いた講演会などの保護者向けのイベントを企画・実施を請け負う仕事です。
もちろん保護者への告知作業やイベント終了後のアンケート、アンケートの集計やお礼のプリント作成などの業務も付随します。
地域パトロール
学区内の見回りや登下校の見守りなども、PTAが主導して実施することが多くあります。地域パトロールや登下校の交通安全チェックなどは多くの人手も必要となりますので、保護者たちに参加を呼び掛けたり、当番表を作成したりすることもあります。
学校外のイベント
土日や祝日、春休みや夏休みなどの長期休みを利用した学校外のイベントを企画したりすることもあります。クリスマス会やハロウィンパーティーなどの季節ごとのイベントや、凧揚げ大会、ダンス大会などの運動系のイベントを開催することもあります。
子供会がある地域では子供会が運営していることもありますが、どちらも任意の活動であり、こういった活動が活発な地域では、親がイベントに駆り出されるケースは多くあります。
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PTAはいらない?!PTAを完全廃止した学校もある昨今PTAの無駄な活動内容、PTA学校側の不適切な対応や一部の親だけの主張が通る在り方等多くの問題が指摘されます。PTAはいらない組織なのでしょうか?
得ることも多いPTA役員の仕事
PTA役員の仕事は、仕事を持っている人にとっては支障が出るほど忙しい活動となることもあります。無給で行うボランティア活動ですので、本当に「子どものために何かをしたい」「子供の学校と関わりたい」「皆が喜ぶ活動を行いたい」という気持ちがないならば、フルタイムで働く人が両立して続けていくことは非常に厳しいと言えるでしょう。
それでも、子どもの学校関係の知り合いが増えること、子どもの笑顔を見る機会が増えること、行事に参加しているという満足感を得られること、ママ友やパパ友が増えることなどの、数え切れない嬉しいことがありますので、PTA役員の仕事は価値のある仕事ではあります。
また、PTA役員をしていることで子どもとの会話が増えたり、子どもが親を誇らしく思ったりといった、子どもを持つ親にとってはかなり高ポイントの特典もあります。
「PTA役員はなんか面倒そう」「大変そうだからしたくない」と思い込んでしまうのではなく、一度思い切って引き受けてみるのも良いかもしれませんね。やってみると意外と自分に向いていることが分かったり、自分の思わぬ適性を発見したりするかもしれませんよ。