自己肯定感が低いとどうなる?
2026.6.17
子どもの自己肯定感が低い原因は?親のNG行動と自己肯定感を高める育て方
子どもの自己肯定感を下げる親のNG行動をやっていませんか?過干渉や結果主義の褒め方など、無意識にやってしまうNG対応と、子どもの自信を育てる望ましい接し方を対比表でわかりやすく紹介。「結果ではなく過程を褒める」「アイメッセージで伝える」など具体的な言葉がけのコツが満載です。
自己肯定感とは?子どもの一生を左右する「心の土台」
「自己肯定感(じここうていかん)」という言葉を、育児書やテレビなどでよく耳にするようになりました。自己肯定感とは、自分の価値をありのままに認め、自分自身を肯定する感情のことです。良いところだけでなく、悪いところも含めて「自分は大切な存在だ」と思える感覚を指します。
この自己肯定感は、子どもの社会性や人間性の基礎となる「心の土台」です。しっかりとした土台がある子どもは、自分に自信を持って新しいことに前向きに挑戦し、たとえ失敗しても「次は頑張ろう」と立ち直る力(レジリエンス)を発揮します。
自己肯定感は生まれつき決まっているものではなく、周囲の大人(特に親)との関わりの中で後天的に高めることができます。特に、人格の基礎が作られる0歳から6歳の期間は、親からの無条件の愛情が最も大きな影響を与えます。この記事では、子どもの自己肯定感が低い原因や、親がやってはいけないNG行動、そして家庭で簡単にできる「自己肯定感を高める声かけのコツ」を詳しく解説していきます。
簡単チェック!子どもの自己肯定感が「低い・高い」診断リスト

「うちの子は自己肯定感が低いのかな?」と迷った時は、まずはお子さんの日頃の様子を振り返ってみましょう。以下の10項目のうち、お子さんに当てはまるものがいくつあるかチェックしてみてください。
- 問1:自分のことが好きだと言える
- 問2:パパやママから愛されていると感じている様子がある
- 問3:自分の得意なこと(長所)を3つ以上挙げられる
- 問4:将来、やりたいことや夢がある
- 問5:失敗したり怒られたりしても、すぐに前を向ける
- 問6:自分の意見や「嫌だ」という気持ちをはっきり言える
- 問7:初めての場所や遊びに対しても、チャレンジ精神が旺盛である
- 問8:自分から積極的にお友達と関わろうとする
- 問9:上手くいかなくてもクヨクヨ引きずらない
- 問10:「人は人、自分は自分」と他人と比べすぎない
当てはまる(Yes)の項目が多いほど、子どもの自己肯定感は高く育っていると言えます。もしチェックが少なくても、焦る必要はありません。親の関わり方次第で、自己肯定感はいつからでも育て直すことができます。
自己肯定感が低い子どもの特徴と心理
自己肯定感が低い子どもは、自分に自信がなく「どうせ自分なんてダメな人間だ」と自己評価を不当に下げてしまう傾向があります。
発達の観点から見ると、自己肯定感が低い状態の子どもは常に「他者からの評価」を恐れる段階にあります。失敗して笑われることを避けるため、何事もすぐに諦めてしまう行動が出やすく、だからこそ「失敗しても大丈夫だよ」と安心させる関わり方が合いやすいのです。
いつも人の顔色をうかがっていたり、褒められても「そんなことない」と素直に喜べなかったりする場合は、心の中の自信のタンクが空っぽになっているサインです。
自己肯定感が高い子どもの特徴と心理
一方で、自己肯定感の高い子どもは、ありのままの自分を受け入れているため、過剰に他人の目を気にすることがありません。
失敗を恐れずに「やってみたい!」と好奇心を持って突き進み、壁にぶつかっても「次はどうすればいいかな」と楽観的に考えることができます。自分の意見をはっきりと言えるため、周囲とのコミュニケーションも円滑に進みやすいのが特徴です。
自己肯定感を下げる原因に?やってはいけない親のNGな接し方

子どもの自己肯定感が低くなってしまう最大の原因の一つに、無意識のうちにやってしまっている「親のNGな関わり方」があります。
【対比表】自己肯定感を下げるNG行動と、高める正しい接し方
親の言葉がけひとつで、子どもが「自分はダメだ」と落ち込むか、「やってみよう」と勇気を出せるかが決まります。
| 自己肯定感を下げるNG行動 | 子どもの受け取り方 | 自己肯定感を高める正しい接し方 |
|---|---|---|
| 「〇〇ちゃんはできるのに」と他人と比較する | 自分は劣っている、愛されていないと深く傷つく | 「昨日より上手にできたね!」と過去の本人と比較する |
| 「100点取って偉いね」と結果だけを褒める | 失敗したら価値がないと思い込み、挑戦を避ける | 「毎日コツコツ練習して頑張ったね」と努力の過程を褒める |
| 「どうしてこんなこともできないの!」と人格を否定する | 自分はダメな存在だと絶望し、無気力になる | 「ここは惜しかったね。次はどうすればいいかな?」と共感する |
| 子どもがやる前に親がすべて先回りして準備する(過保護) | 「親は私を信じていないんだ」と無力感を感じる | 「自分で準備できたね!」と任せて見守る |
一般的には、親がしっかり管理して失敗を防いであげることが愛情だと思われがちですが、実際には「適度に失敗させて見守る」方が、子どもの自信は育ちやすいのです。なぜなら、自力で乗り越えた経験が自己効力感(自分にはできるという感覚)を生むという発達の特徴があるからで、結果的に自己肯定感が強固になるという結果につながりやすくなります。
愛情を言葉やスキンシップで明確に伝えていない
「言わなくても愛情は伝わっているはず」というのは親の思い込みです。幼児期に親から十分に言葉や態度で愛情を示されないと、子どもは「自分がいないと困る人はいないんだ」と感じてしまいます。「〇〇ちゃんが生まれてきてくれて、ママは本当に幸せだよ」と、言葉に出して存在を肯定するアクションを取りましょう。
失敗を先回りして防ぐ「過干渉・過保護」
子どもが靴を履くのに手間取っていると、つい親が手を出して履かせてしまうシーン。
子育ての現場でよくあるのは、親が時間や効率を優先して子どもの作業を奪ってしまうケースです。良かれと思ったサポートが、子どもには「あなたは何もできないダメな人間だ」という無言のメッセージとして映ってしまい、かえって自己肯定感を著しく低下させる原因になることがあります。子どもが自分で考えて行動する機会を奪わないよう、グッとこらえて見守る忍耐力が必要です。
今すぐできる!子どもの自己肯定感を高める5つのコツ

低下してしまった自己肯定感も、親の関わり方次第でいつからでも修復し、育て直すことが可能です。今日から家庭で実践できる5つのポイントをご紹介します。
1. 小さな「できた!」を積み重ねて達成感を味わわせる
子どもに「自分にもできる」という達成感を経験させることが、自己肯定感アップへの一番の近道です。最初は「靴を揃える」「おもちゃを箱に入れる」といった、絶対にクリアできる小さな目標から始めましょう。
たとえ上手くできなくても、がっかりした顔を見せたり責めたりしてはいけません。「惜しかったね!でも挑戦したことがすごいよ」と、チャレンジした事実そのものを大げさに褒めるアクションを取ってください。
2. 「あなたが大好きだよ」と無条件の存在承認を言葉で伝える
「テストで良い点を取ったから」「言うことを聞いたから」という条件付きの承認ではなく、ただ生きているだけで価値があるという「無条件の存在承認」を与えましょう。
パパやパートナーと関わり方をそろえると、子どもにとって「両親ともに自分を愛してくれている」という揺るぎない安心感につながります。家庭内で「寝る前に必ず『大好きだよ』とハグをする」という方針を共有しておくと、子どもの心の中の愛されタンクが満タンになり、外の世界でも自信を持って振る舞えるという効果が出やすくなります。
3. 子どもの話を最後まで遮らずに聞く(傾聴する)

子どもが幼稚園や学校の出来事を一生懸命に話している時、親がスマホを見ながら適当に相槌を打っている場面。
自分の話を真剣に聞いてもらえないと、子どもは「自分の意見には価値がないんだ」と無意識に自己評価を下げてしまいます。忙しい時でも、1分間だけ手を止めて子どもの目を見て「うんうん、そうだったんだね」と傾聴するだけで、子どもは「自分は尊重されている」と感じて自己肯定感が高まります。
4. 頭ごなしに叱らず、「どうしてそうしたの?」と理由を聞く
子どもがいけないことをした時、感情的に「なんでこんなことしたの!」と怒鳴りつけると、子どもは人格を全否定されたように感じて深く傷つきます。
叱る時は、行動だけを切り取って注意し、決して人格を否定してはいけません。「〇〇したかったんだね。でもこれをしたらお友達が痛いよね」と、まずは子どもの言い分(理由)を聞き入れてから善悪を教えるアクションを取りましょう。
意外な落とし穴?自己肯定感が「高すぎる」ことのデメリット

自己肯定感は高ければ高いほど良いと思われがちですが、実は「ただ単に自分を甘やかすだけの高すぎる自己肯定感」にはいくつかの落とし穴が存在します。
自己中心的になり、他者への思いやりや感謝を忘れてしまう
親から「あなたは何をやってもすごい!世界一!」と過剰に褒めそやされ、失敗しても一切叱られずに育つと、子どもは自分を実力以上に過大評価してしまいます(自己愛の肥大化)。
その結果、相手の気持ちを考えることができなくなり、横暴な態度をとって「空気が読めない子」として集団から孤立してしまう危険性があります。また、何でも自分の手柄だと勘違いするため、他人に感謝することができず、自分が間違った時にも「ごめんなさい」が言えない大人になってしまいます。ありのままを認めることと、非常識な行動を甘やかすことは全く別物だと肝に銘じておきましょう。
【重要】自己肯定感を支える「自己有用感」の育て方

自己肯定感が暴走して自己中心的になるのを防ぐために、同時に育てておきたいのが「自己有用感(じこゆうようかん)」です。
自己肯定感が「自分自身への評価(自分は大切な存在だ)」であるのに対し、自己有用感は「他者からの評価(自分は誰かの役に立っている)」によって得られる感情です。この2つがバランス良く育つことで、初めて揺るぎない本当の自信が完成します。
お手伝いを通して「誰かの役に立つ喜び」を経験させる
自己有用感を高める一番簡単な方法は、家庭内で「お手伝い」の役割を与えることです。「お箸を並べる」「新聞を取ってくる」など、簡単なことで構いません。
お手伝いをしてくれたら、「偉いね」と上から評価するのではなく、「〇〇ちゃんが手伝ってくれたから、ママ本当に助かっちゃった!ありがとう!」と、アイメッセージ(私はこう思う)で心から感謝を伝えるアクションを取りましょう。人から感謝される喜びを知った子どもは、社会性と思いやりを備えた強い自己肯定感を自然に身につけていきます。
自己肯定感に関するよくある質問(FAQ)
子どもの自信のなさに悩むママ・パパから寄せられる疑問にお答えします。
Q1:褒めるのが苦手です。どうすればうまく褒められますか?
無理に「すごい!天才!」と大げさに褒める必要はありません。「全部残さず食べられたね」「昨日より早く着替えられたね」と、子どもがやった事実をそのまま実況中継する(認める)だけで、子どもは「親がちゃんと見てくれている」と十分な承認欲求を満たすことができます。
Q2:失敗した時、子どもが異常に落ち込みます。どう声かけすべき?
失敗を極端に恐れるのは、親の顔色をうかがっているサインかもしれません。「失敗してもママは怒らないよ」「失敗は次に成功するための練習だよ」と伝え、親自身が失敗した時に「あーあ、失敗しちゃった!でもまあいっか」と明るく笑い飛ばす姿を見せるのが一番効果的です。
Q3:もう小学生ですが、今から自己肯定感を高めるのは遅いですか?
決して遅くありません。0〜6歳が土台作りの黄金期であることは事実ですが、人間の心は親からの愛情と正しい関わり方によって、小学生からでも中学生からでも必ず変化します。過去の接し方を悔やむより、今日から「大好きだよ」「ありがとう」の言葉を一つでも多く増やしていきましょう。
まとめ:自己肯定感はいつからでも修復できる!焦らず育てよう
自己肯定感は、子どもがこれからの長い人生をたくましく、そして幸せに生きていくための「見えないお守り」のようなものです。テストの点数や足の速さといった目に見える能力よりも、はるかに重要な力だと言えます。
親がイライラして怒鳴ってしまったり、つい他の子と比べてしまったりして「子どもの自己肯定感を下げてしまったかも」と後悔することもあるでしょう。しかし、親も完璧ではありません。失敗した時は「さっきは言い過ぎてごめんね」と素直に謝り、たっぷりのハグで愛情を伝えてあげれば、子どもの心はちゃんと修復されます。
「あなたはあなたのままで素晴らしい」。そのメッセージを毎日少しずつ伝え続け、お手伝いを通して「人の役に立つ喜び」を教えてあげてください。親の温かいまなざしに見守られた子どもは、必ず自分に自信を持ち、力強く未来を切り開いていくはずです。