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くるみの栄養

2025.6.10

くるみの栄養成分を詳しく解説:アーモンドやカシューナッツとの違いも比較

くるみの基本的な特徴や種類、世界各地での生産状況を詳しく解説し、栄養成分の詳細とアーモンドやカシューナッツなど他のナッツ類との違いも比較しています。脂質やたんぱく質、ビタミン・ミネラルの含有量、加工方法による栄養価の変化まで幅広く紹介し、健康面での利用法や調理のポイントもわかりやすく説明しています。

くるみの基本情報と種類

くるみとは?分類と特徴

くるみは、クルミ科クルミ属に分類される落葉広葉樹の果実で、世界中で食用として親しまれている堅果の一種です。植物学的には「堅果(ナッツ)」に分類されており、果実の中には硬い殻で守られた可食部が存在します。この部分が私たちの食卓に並ぶ「くるみ」であり、外側には緑色の果皮、内部にはしわの多い独特の形状を持つ仁(じん)があります。

くるみの起源は古代ペルシャとも言われており、紀元前から人々の食生活に取り入れられてきた長い歴史を持っています。現在ではアメリカ、特にカリフォルニア州が最大の生産地として知られ、そのほかにも中国やチリ、ウクライナなどが主要な輸出国となっています。くるみはそのまま食べられるだけでなく、製菓や製パン、料理の具材、さらには油の原料としても幅広く使用されています。

その味わいはやや渋みを含んだ濃厚な香ばしさが特徴で、生の状態では柔らかく、ローストするとカリッとした食感になります。料理や菓子のアクセントとして使用されるだけでなく、粉砕してドレッシングやペーストにも加工されることが多く、調理の幅が広いのも魅力のひとつです。

市販されている主な種類と選び方

現在、流通しているくるみにはいくつかの種類がありますが、その中で最も一般的なのが「ペルシャ種(英語ではEnglish walnutまたはCalifornia walnut)」です。この品種は実が大きく、殻が比較的割りやすいため、家庭用としても扱いやすいのが特徴です。スーパーや量販店などで見かけるくるみの多くがこの品種で、ローストタイプ、無塩・有塩タイプ、殻付き・むき身などさまざまな加工状態で販売されています。

その他には「ブラックウォールナット(黒クルミ)」や、日本で古くから親しまれている「オニグルミ(信濃クルミなど)」といった品種もあります。ブラックウォールナットはアメリカ東部原産で、風味がより濃厚で香りも強めですが、殻が非常に硬く割りにくいため、家庭用よりも業務用や加工食品向けとして利用されることが多いです。国産のオニグルミは、比較的小ぶりながら繊細な風味を持ち、特に信州や東北地方で生産されています。

くるみを選ぶ際は、用途に応じた加工状態を確認することが大切です。おやつとしてそのまま食べる場合は、無塩で素焼きされたタイプが選ばれやすく、菓子作りやパンに使う際には刻みくるみや生タイプが便利です。また、酸化を防ぐためには真空パックや小分け包装のものが適しており、長期保存には殻付きタイプが向いています。購入時には原産国や賞味期限、保存方法なども合わせてチェックすると安心です。

くるみの栄養成分と栄養価

栄養成分表から見る100gあたりの主な成分

くるみは脂質を豊富に含む食品で、100gあたりのエネルギーは約700kcalと高めです。脂質は60g前後、たんぱく質は15g前後、炭水化物は13g程度が目安とされており、そのうち食物繊維も含まれています。これらの数値は農林水産省や文部科学省の食品成分データベースに基づいています。

成分 100gあたりの含有量
エネルギー 約700kcal
脂質 約60g
たんぱく質 約15g
炭水化物 約13g
食物繊維 含まれる

また、くるみに含まれる脂質の大部分は不飽和脂肪酸で構成されており、飽和脂肪酸の割合は比較的低めです。ナッツ類全般に共通する特徴ですが、脂質が多い一方で水分量は5%未満と少なく、乾燥した状態で保存性に優れているのも特徴です。くるみを食材として扱う際は、こうした基本的な成分バランスを把握しておくと使い分けがしやすくなります。

素焼き・生・ローストで栄養に違いはある?

くるみには生のままのものと、素焼きやローストされた加工品が流通しています。基本的な栄養成分は大きくは変わりませんが、加熱処理の方法や温度によって微妙な変化が生じます。たとえば、素焼きやローストの工程では水分がさらに飛ぶため、重量あたりの栄養価はやや高くなる傾向にあります。

また、加熱によって一部の脂質が酸化する可能性があるほか、ビタミン類の一部(とくに熱に弱い種類)は減少することがあります。とはいえ、全体としての栄養構成に大きな偏りが生じるわけではなく、用途や味わいの好みに応じて選ぶことが一般的です。料理に使う際には香ばしさを重視してローストタイプ、お菓子などでは素材の柔らかさを活かすために生タイプが使われることもあります。

カロリーと脂質のバランス

くるみは100gあたり約700kcalと高カロリーですが、その主な要因は脂質の多さにあります。脂質は全体の約6割を占め、その中でもリノール酸やリノレン酸などの多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。これらは常温で液体の性質を持ち、くるみの柔らかくしっとりとした食感にも関係しています。

脂質の含有量が多いとはいえ、他のナッツ類と比較するとバランスは標準的です。たとえばアーモンドやマカダミアナッツなどと同程度か、やや高い水準で、くるみ特有のしっとり感がその栄養構成を裏付けています。食材として用いる場合は、脂質の多さを考慮して調理全体のバランスを調整するのが一般的です。

くるみに含まれるビタミン・ミネラル

くるみはビタミンとミネラルの両方をバランスよく含んでおり、特にビタミンB群(B1、B6など)や葉酸が多く含まれていることが知られています。脂溶性のビタミンであるビタミンEも含まれており、これはくるみの脂質とともに安定して存在しています。

ミネラルでは、マグネシウム、リン、カルシウム、鉄などが検出されており、ナッツ類としては標準的な数値です。特にリンとマグネシウムは100g中にそれぞれ300mg以上含まれており、骨格を構成する栄養素としての役割も持っています。ただし、ビタミンCやビタミンAなどはあまり含まれていないため、他の食材と組み合わせることが一般的です。

注目すべき亜鉛・鉄分・カリウムの量

くるみに含まれる微量ミネラルの中でも、亜鉛、鉄分、カリウムの数値は比較的高めです。亜鉛は100gあたり3mg前後で、ナッツ類としては標準的な水準にあります。鉄分は約2~3mg、カリウムは500mg以上を含んでおり、これらは他のナッツと比較しても遜色のない値です。

これらの成分は、加工方法や保存状態によって若干の差が生じる場合がありますが、基本的な傾向は大きく変わりません。くるみを食材として取り入れる際には、こうしたミネラル成分の含有量を把握しておくと、栄養バランスを考えた献立の構成にも役立ちます。市販品では、裏面の成分表示欄に栄養価が明記されていることも多く、購入時に参考にしやすい点も特徴です。

くるみとくるみを使った料理の栄養

以下の表は、くるみそのものとくるみを使用した代表的な料理の栄養成分をまとめたものです。各料理の内容量や重量、カロリーを比較しながらご覧ください。

料理名 内容量 重量 カロリー
くるみ:栄養 1個(4g) 4g 29kcal
くるみパン:栄養 1個(58.9g) 58.9g 180kcal
黒糖くるみ:栄養 小鉢一杯(59.8g) 59.8g 338kcal
小女子くるみ:栄養 小鉢一杯(60.1g) 60.1g 240kcal
ちりめんくるみ:栄養 小鉢一杯(60.6g) 60.6g 250kcal
くるみレーズンパン:栄養 1個(70.2g) 70.2g 201kcal
くるみクッキー:栄養 1枚(13.7g) 13.7g 65kcal
くるみバター:栄養 大さじ1(12.5g) 12.5g 71kcal
くるみ味噌:栄養 大さじ1(18g) 18g 63kcal
かぼちゃのくるみ和え:栄養 1人前(139.5g) 139.5g 209kcal
くるみの佃煮:栄養 小鉢1杯(50g) 50g 233kcal
バナナとくるみのマフィン:栄養 1個(70.7g) 70.7g 220kcal
くるみとレーズンのスコーン:栄養 1個分(54g) 54g 204kcal
くるみベーグル:栄養 1個(88.5g) 88.5g 219kcal
くるみチーズパン:栄養 6個分(62.01g) 62.01g 188kcal
くるみチョコパン:栄養 1個(59.51g) 59.51g 193kcal
くるみレーズンフランスパン:栄養 1本(197g) 197g 573kcal

他のナッツ類との栄養比較

アーモンド・カシューナッツ・マカダミアナッツとの違い

ナッツ類は種類によって栄養成分の構成に違いがあります。くるみは脂質が多く含まれており、100gあたりの脂質量は60g前後と、マカダミアナッツに次ぐ水準です。たんぱく質の量ではアーモンドが最も高く、20g前後を含みますが、くるみはそれよりやや少なく15g前後となっています。

カシューナッツは脂質よりも炭水化物の割合がやや高く、100gあたり30g前後の炭水化物を含んでいます。マカダミアナッツは脂質の構成比率が特に高く、飽和脂肪酸の割合が多いのが特徴です。それぞれのナッツには異なる栄養バランスがあり、料理や嗜好に合わせた使い分けが可能です。

アーモンドとくるみ、どちらが栄養価が高い?

アーモンドとくるみはどちらも栄養価の高い食品とされますが、具体的な成分に違いがあります。アーモンドはたんぱく質とカルシウム、ビタミンEの含有量が比較的多く、くるみは脂質やマグネシウム、亜鉛の量が際立っています。エネルギーはどちらも600~700kcal台で大きな差はありません。

また、食物繊維の量はアーモンドの方が多く、100g中10g前後含まれるのに対し、くるみは6g前後とやや少なめです。一方、くるみは脂質の構成に特徴があり、植物性の油分が豊富で、しっとりとした質感にもつながっています。このように、それぞれの特性を理解したうえで選ぶと、より用途に合った利用が可能です。

くるみの栄養を活かす食べ方

加熱や加工で栄養はどう変わる?焼く・茹でる・ロースト

くるみは生のままでも食べられますが、焼いたり茹でたりといった加熱調理にも向いています。加熱によって水分が飛ぶため、重量あたりの栄養成分は濃縮されますが、熱に弱い成分は減少する傾向があります。たとえばビタミンB1や葉酸などの一部は高温により分解が進むことがあります。

ロースト処理では、香ばしさや風味が増す一方で、脂質の酸化にも注意が必要です。高温での加熱時間が長すぎると、味の劣化や風味の損失につながる場合があります。茹でる場合は成分が水に溶け出すため、汁ごと利用するレシピなどで成分のロスを抑える工夫も考えられます。

くるみの薄皮や渋皮に栄養はある?

くるみには表面に薄皮がついており、食感や風味にやや苦味を与えることがあります。この皮にはポリフェノールや一部の栄養成分が含まれており、除去すると口当たりは良くなりますが、成分の一部も失われます。とはいえ、薄皮をむくかどうかは味の好みや料理との相性によって判断されることが多いです。

また、市販品では最初から皮が取り除かれている場合や、逆に渋皮つきのまま販売されている場合もあります。製菓や製パンなどでは、食感や色合いを整える目的で皮をむいたものが用いられる一方、家庭料理では栄養面よりも扱いやすさや味のバランスが重視されることが多くなっています。

毎日の食事に取り入れるおすすめの方法

くるみはそのまま食べるほか、刻んでサラダやヨーグルトに加えたり、和え物やパン生地に練り込んだりと、さまざまな使い方ができます。特に刻んだり砕いたりすることで、他の食材とのなじみが良くなり、食感にも変化を与えることができます。

また、砂糖や塩を加えていない素焼きのくるみは、おやつや料理の素材として扱いやすく、冷蔵保存しておけば風味も長持ちします。使いやすいサイズに小分けしておくことで、毎日の調理の手間を軽減することもできます。くるみ単体で味わうだけでなく、他の素材と組み合わせることで幅広いレシピに応用できるのが特徴です。

くるみの栄養を楽しめる人気レシピ

おやつ・おつまみに!キャラメリゼくるみ

キャラメリゼくるみは、砂糖と少量の水で煮詰めたシロップをくるみに絡めて作るシンプルなレシピです。炒めながらシロップを煮詰めていくことで、くるみの表面が飴状にコーティングされ、パリッとした食感と香ばしい甘さが楽しめます。

仕上げに塩をほんの少し加えることで甘みとのバランスが取れ、おつまみとしても最適です。冷めるとカリッと固まり、保存容器に入れれば数日間はそのまま楽しめます。好みに応じてシナモンやバニラなどの香りづけを加えるのもおすすめです。

おかずにも使える!鶏肉とくるみの炒め物

くるみは肉料理にも合う食材で、特に鶏もも肉やささみと組み合わせることで、コクのある炒め物になります。鶏肉は塩こしょうで下味をつけておき、食べやすい大きさにカットして焼きます。仕上げにローストしたくるみを加えることで、香ばしさと食感にアクセントが加わります。

味付けには醤油とみりん、または中華風のオイスターソースなどもよく合います。ピーマンや玉ねぎなどの野菜を加えることで彩りも良くなり、食卓にボリュームのある一品として取り入れることができます。

くるみパンやクッキーの簡単レシピ

くるみを使ったパンやクッキーは、日常のおやつや朝食にもぴったりです。くるみパンはホームベーカリーを使えば簡単に作れます。粗く刻んだくるみを生地に練り込むことで、焼き上がりに香ばしい風味が広がります。

クッキーに使う場合は、バターと砂糖、小麦粉を基本とした生地にくるみを混ぜて成形し、オーブンで焼き上げます。ナッツのコクが甘さを引き立て、香り高い仕上がりになります。くるみの食感を活かすため、粗めに刻んで加えるのがポイントです。

くるみを選ぶ・保存する際のポイント

生くるみと素焼きくるみの選び方

市販されているくるみには「生(なま)くるみ」と「素焼きくるみ」があります。生くるみは加熱処理がされておらず、風味がやわらかく、調理の自由度が高いのが特徴です。一方で、油分が酸化しやすいため、購入後はなるべく早く使い切るか冷蔵・冷凍保存が推奨されます。

素焼きくるみはあらかじめ加熱処理されているため、そのまま食べやすく、香ばしさがあるのが魅力です。おつまみやおやつにそのまま使いたい場合はこちらが便利です。用途や保存期間を考慮しながら、使い分けるとよいでしょう。

栄養を損なわない保存方法

くるみは脂質が多いため、湿気や高温、直射日光による酸化に注意が必要です。開封後は密閉容器に移し、冷蔵庫での保存が基本となります。特に生くるみの場合は空気に触れることで劣化が進みやすいため、小分けして冷凍保存するのも効果的です。

また、保存中に湿気を吸うと食感が損なわれるだけでなく、カビの原因にもなります。乾燥剤や密閉袋を併用することで、くるみの風味や品質を長く保つことができます。購入時には製造日や賞味期限を確認し、開封後は早めに使い切るよう心がけると安心です。

保存方法 ポイント
冷蔵保存 開封後は密閉容器に移して冷蔵庫で保存
冷凍保存 生くるみは小分けして冷凍すると劣化防止になる
湿気対策 乾燥剤や密閉袋を使用して湿気を防ぐ
購入時の注意 製造日や賞味期限を確認し、開封後は早めに使い切る

経験談:毎日くるみを食べて感じた変化

くるみを1か月食べ続けてわかったこと

くるみを毎日欠かさず食べる習慣を1か月続けてみると、食生活にさまざまな変化が感じられました。まず、食事の満足感が増し、間食としての役割が大きくなったことです。甘いお菓子やスナックの代わりにくるみを選ぶことで、自然と食べる量がコントロールしやすくなりました。

また、くるみを取り入れることで料理のバリエーションが広がり、毎日の食卓に変化が生まれました。忙しい時でも手軽に食べられるため、継続がしやすく、日々の習慣として定着しました。味わいや食感が楽しめる点も、続けられた理由のひとつです。

気軽に続けるためのおすすめ活用法

くるみを毎日の生活に無理なく取り入れるためには、まず手軽に食べられる形を選ぶことが重要です。おやつとしてそのまま食べるだけでなく、ヨーグルトやサラダにトッピングしたり、朝食のシリアルに混ぜたりするのがおすすめです。

また、料理に加える場合は刻んで炒め物や和え物に入れると、手軽にくるみの食感を楽しめます。保存もしやすいため、常備しておくと急いでいる時でも簡単に取り入れられます。こうした工夫により、飽きずに継続できる環境が整います。

まとめ:くるみは栄養豊富で続けやすい万能食材

くるみは独特の風味と食感を持ち、さまざまな料理やおやつに使いやすい食材です。長期間取り入れても飽きにくく、手軽に食べられることから、日々の食生活に自然と溶け込みやすい特徴があります。

また、選び方や保存方法を工夫することで品質を保ちやすく、家庭での扱いやすさも魅力のひとつです。こうした点から、くるみは多くの場面で役立つ万能な食材としておすすめできます。