マイペースなわが子、どう接したらいい?このままで大丈夫?
「何をするにもいつもマイペースでイライラしてしまう…」と感じている親は多くいます。「うちの子、よその子と違うかもしれない」という思いは、たくさんの親たちが抱いている思いです。
マイペースな子どものペースを速くするにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、マイペースな子どもとの向き合い方を考えます。子どものペースが遅い事に悩んでいるママは、参考にしてください。
うちの子、こんなところがマイペース
ママたちがイライラしてしまう、子どものマイペースな行動を挙げてみます。「そうそう、こんな時イライラするわ」と、共感することがあるでしょう。
- 朝起きて、パジャマから服に着替えるとき遅い
- 遊びながら歯磨きをする
- ご飯を自分のペースで食べる
- 約束の時間になっても準備ができてなくてお友達を待たせてしまう
- おもちゃの片付けが遅い
- お風呂でのんびり体を洗う
- お散歩は寄り道する
- 服が汚れても平気
- 忘れ物をしても焦らない
- 時間に間に合わなくても平気
- やりたいことは、やりたいときにやる
- 周りのペースに合わせることなく、自分のペースを守る
- 遊ぶのをなかなかやめない
- よく物をなくす
うちの子、どうしてマイペースなの?
「うちの子はどうしてマイペースなんだろう、どうして他の子のようにテキパキとできないんだろう」と思ってしまう理由を考えてみましょう。子どものマイペースが決して悪い事ではないことが分かります。
子どもの友達がハイペースだから
お子さんの周りにいるお友達がなんでも上手にテキパキとできる子どもだと、自分の子どものペースを遅く感じてしまうことがあります。子どものペースは決して遅くないのに、周りと比べて「うちの子は遅い、マイペースだ」と思ってしまっているだけなのかも知れません。
のんびりした性格だから
もしかしたら、のんびり屋さんなのかも知れません。人には、持って生まれた性格があります。何でも計画的にさっさと片付けてしまいたい人、ゆっくりと考えながら前に進みたい人、ひとつひとつ丁寧に確かめたい人など、十人いれば十人十色です。
生まれ持った性格は、直しようがありません。もしもお子さんがのんびり屋さんなら、「うちの子はのんびり屋さん」とどっしり構え、あまり気にしないようにするのがいいでしょう。
目の前のことに夢中になってしまうから
子どもは、目の前に面白いことがあると、それについつい夢中になってしまいます。まだ先の事を考える力が養われていないので、次にやらなければいけない事があっても、それを忘れて今夢中になっている面白い事を止めることができないのです。
時間の概念がないから
小さい子どもには、「○○時までにやる」「あと○○分で終わりにする」「○○時から始める」などの時間の概念が育っていません。いくら「ゲームはあと10分で終わりだよ」と言ってみたところで、時間をコントロールする感覚が備わっていないのですから、自ら時間を読みながら行動することはできません。子どもの成長を待つか、親が時間をコントロールするか、仕方がないと諦めるのが賢明です。
子どもは大人より時間を長く感じるから
子どもが感じる1時間と大人が感じる1時間は、感じる時間の長さが違います。大人にとってあっという間に過ぎる1日でも、子どもにとっては長く感じてしまうのです。子どもが経験することは、「初めての事」ばかり。ひとつひとつに驚きがあり、確かめながら行動をするので、どうしても時間がかかってしまいます。
年齢を重ねるごとに時間が短く感じられるのは、たくさんの経験があるから次に起こることが予測でき、どのくらいの時間がかかるのかがすでに分かっているからです。大人から見たら、自分のペースで行動する子どもがついマイペースに見えてしまうのも不思議ではないのです。
親がせっかちだから
子どものペースが普通でも親がせっかちな性格なら、自分のペースに比べて子どものペースが遅いと感じてしまい、この子はマイペースなんだと思い込んでしまうことがあります。何事も早めに済ませてしまいたい、計画的に進めるのがいいと考えて、親が自分のペースに子どもを合わせようとしているだけなのかも知れません。
子どもの行動ペースを速めるにはどうしたらいい?
マイペースな子どもに罪はない事が分かりました。では、マイペースな子どものペースを少しでも速くしたい時はどうすればいいのでしょうか。マイペースな子どもと上手に向き合う方法をご紹介します。
早めの行動を心がける
マイペースでどうしても行動の終わりが遅くなりがちなら、行動を起こす時間を早めることに意識を向けてみましょう。子ども自身で行動ペースを速めることが難しい場合は、親が子どもの時間をコントロールしてください。
朝7時に子どもの身支度を終わらせたいなら、6時30分ごろから「起きるよ~」と声かけを始めるといいでしょう。ゲームを12時に終わらせたいなら、「そろそろ終わりの時間だよ」と11時30分ころに声をかけましょう。
この時、一度で言うことを聞かなくても焦ってはいけません。もともと一度で言うとおりにならないことが前提なので、できるまで何度も声かけをしてください。親がしなければならない事は「耐えること」です。
習い事をさせる
自分の感覚で物事を進めるマイペースな子どもには、たくさんの人の中にいることで社会性が身につけられる習い事をさせてみましょう。習い事をすることでスキルが身につくだけでなく、コミュニケーション能力、「10時から始まるよ」「今日は30分で終わりだよ」といった時間の概念も備わります。
幼児教室
絵本やおもちゃ、タブレットなどを使って、子どもの様々な感覚を刺激し、一人一人の子どもに合った成長スピードで子どもの能力を引き出してくれます。また、たくさんのお友達の中で楽しく学ぶことができます。
スポーツ教室
水泳や、サッカー、野球、テニス、バレエ、ダンスなどの運動能力を鍛えるスポーツはいかがでしょうか。体を動かすことで体力がつき、周りの事を考えて行動するチームワークを学習することができます。挨拶や時間を守るなどの礼儀も身につきます。
音楽教室
ピアノやエレクトーンなどの楽器もいいですが、音楽に合わせて手遊びや体操をするリトミックもおすすめです。最近では、自分をのびのびと表現する音楽の基礎を学ぶソルフェージュも気が高まっています。音を楽しむ心と集中力が養われます。
諦めるのもひとつ
いろいろ試してもマイペースを守り、ちっとも行動のペースが速くならない子どもなら、キッパリと諦めてしまうのもひとつです。まだまだ成長が始まったばかりの小さな子どもに、速いペースで行動を求めるのは酷です。マイペースは悪い事ではないのですから、「仕方がない」と諦め、行動ペースが遅いと心配することをやめ、子どもの成長を見守ってあげてください。
やっちゃいけない!子どものペースを速めない間違った親の行動
マイペースな子どものペースを速めたいからといって、何をしてもいいわけではありません。こんなことをしても意味がない、効果がないのについやってしまいがちな親の行動をご紹介します。心当たりのある方は改めるようにしましょう。
怒鳴る
子どもの行動ペースが遅い事を怒鳴りつけて直そうとしてはいけません。子どもに芽生えるのは行動ペースを速めようという前向きな意識ではなく、親に対する恐怖心だけです。子どもに恐怖心が芽生えてしまうと、何かをする時に親の顔色をうかがうようになり、親子の信頼関係を築けない良くない状況になってしまいます。怒鳴ってもしつけをすることはできない事を肝に銘じておきましょう。
言ってはいけない言葉を言う
子どものペースが速くないのは悪い事ではないと分かっていても、「早くしなさい」「遅いよ」といいがちです。成長途中の子どもに、大人のように時間を読みながらテキパキ行動できる力はありません。忙しい時についイライラして言ってしまう気持ちも分かりますが、ここはグッとこらえてできるだけ言わないように努めましょう。
遅刻をしてはいけないときなら早めの行動を心がけます。非常事態なら子どもを手伝ってあげましょう。できるだけ子どもを傷つけてしまうような言葉は言わないように我慢してください。
無関心
いつもマイペースで歩んでしまう子どもにつける薬はないと、無関心になってしまうのは良くありません。たとえマイペースであっても、子どもはちゃんと成長しています。
他の子と比較して「うちの子はダメだ」と思うのはとても悲しい事です。すぐにできなくても、静かに見守ることで子どもの成長を感じることができるはずです。
行動ペースが速くなくても、終わった時に「できたね」とほめてあげるだけでいいです。親にほめられたことがうれしくて、「次はもっとがんばろう」と考えてくれるかも知れません。そっと見守ってあげください。
子どものマイペースは悪い事ではありません
マイペースな子どもにイライラしてしまうのは、親である自分の都合に合わせてほしいと思っているからではないでしょうか。幼稚園や小学校に進んだときに他の子に遅れをとらないかという心配は、遅れたら「親が困る」という心配なのかも知れません。
そんなに心配しなくても子どもはちゃんと成長してくれます。マイペースでもしっかり活躍している大人がたくさんいることを忘れないでください。自分のペースで行動する子どもを信じて、広い心で向き合いましょう。