子育てHOWTO

友達いらないと話す子供の気持ち

「友達いらない」と子供が言い出す5つの理由

友達いらないと、子供が言い出したらどうしますか?思わず「友達は必要よ」と返してはいけません。なぜ「友達いらない」とわざわざ言葉にしたのか、その理由や子供の気持ちを一緒に考えていきましょう。友達がいないメリットだってありますから、「友達いらない宣言」は悲観する必要はありません!

「友達いらない」と言い出す子供の気持ちが分からない!

「小学校に入学したら、たくさん友達ができるとイイね」「友達と一緒の遠足、楽しみだね」と何の深い意味もなく、子供に友達に関することを言ったとき「友達いらない」という返答をされたらどうしますか?

とりあえず親の言うことに反抗したいの?それとも、人間関係のトラブル?などと、グルグルと頭の中で良からぬ妄想ばかりが働いてしまいがちです。

親は子供のことを、何でも分かっているなんてことはありません!「友達がいらない」という、子供の気持ちが分からないということもあるでしょう。

そこで今回は【友達いらない!その理由は?】というテーマで、お話を進めていきます。子供の気持ちが分からないと逃げてしまうのは正しい判断ではありません。少しでも子供の気持ちを理解するように、努力してみましょう!

子供が友達いらないと言い出す理由は?

「友達いらない。面倒くさい」「友達なんていなくても、生きていける」と突然子供が言い出したら、やっぱり心配ですよね?親は子供が元気に学校に通って、友達がたくさんできるというイメージが出来上がっていますから、このような予想外の言葉を伝えられたときにどうしても動揺してしまいがちです。でも、決して問い詰めてはいけません!

「何でそんなこと言うの?」「もしかして意地悪されているの?」と問い詰めたところで、子供はどんどん自分の殻の中に閉じこもっていくだけだからです。

そこで、まずは冷静になって「子供が友達いらないと言い出す理由」について考えていきましょう。

理由1.友達とトラブルがあった

今までは普通に友達と遊びに行ったり、楽しく学校に行っていたのに、ある日突然「友達いらない」と言い出したら、何か友達とトラブルがあった可能性が濃厚です。この場合、本当に友達がいらないとは思っておらず、トラブルがショックや怒りとなり、このような発言を引き起こしたと考えられます。

「友達いらない」と子供が打ち明けてきたら、まずは学校で何があったのかを聞いてあげましょう。子供は親に、友達との間に起きたトラブルのことを聞いて欲しい気持ちから、突然「友達いらない」というショッキングな言葉を言い出しているのかもしれません。

「お友達と何かあった?お母さん、何でも受け止めるから話してくれない?」「お父さんも昔、友達とたくさん喧嘩したものだ」と子供の話をじっくりと聞いてあげる時間を取って下さい。
ただの子供の喧嘩だろうと放っておくことは、絶対にしてはいけません。子供からのSOSのサインですから、きちんと受け止めてあげてください。

子供の話を良く聞いて、どんなところを反省すべきなのか、友達と仲直りするにはどうしたら良いのかを一緒に考えて、友達とのトラブルを解決する方法を探っていきましょう。

理由2.気を遣っている自分にストレスが溜まっている

友達は他人です。どんなに仲の良い友達でも、分かり合えないことがたくさんあります。ですから、何も気を遣わずにありのままの自分で、友達との関係を築いていくことは難しいものです。

例えば幼稚園の年少さんは自分が世界の中心となって、毎日を過ごしているようなものですが、年齢が上がっていくと共に、周りと自分との距離感や関係性を気にするようになってきます。
最近の小学生は昔と比べて、大人びているところがあるので、小学校低学年から友人関係が複雑化することも珍しくありません。

「こんなこと言ったら、嫌われるかな?」「クラスの人気者になるには、どうしたらいいんだろう?」などと、あれこれ気を遣っているうちにストレスが大きくなっていき、堪えきれずに爆発してしまう子もいます。友達の目ばかりを気にして自分らしくない。気を遣っている自分が嫌だという気持ちが、友達がいなければこんな思いをしなくていいのにという考えに至ってしまうのです。

子供が他の子と話したり遊んでいる姿を見て、親なら「いつものあの子らしくないな」「随分、自分を隠しているな」と感じたら、ちょっと子供とじっくり話す時間を取ってみましょう。

もしかしたら、誰とでも仲良くしなければいけないと頑張っているのかもしれませんね。
そこで、以下のように話してみてはいかがでしょうか?

誰にでも好かれようと思って張りつめていた気持ちが、あなたの一言で柔らかくなることもあるはずです。

理由3.人とコミュニケーションを取るのが面倒になっている

周囲の目が気になってしまう子に多いのが、コミュニケーションを取るのが面倒になってしまうという現象です。反抗期を迎えると、些細なことでもイライラするようになったり、自分以外が全て敵に見えてしまう子も少なくありません。

「誰とも話したくない」「友達同士がつるんでいるのが、バカらしく思える」「みんなで一緒に行動するのが、つまんない」など、やさぐれた状態になってしまうのです。この場合、友達だけではなく、家族との関係もうまくいかなくなるケースが多いです。親は「そっとしておけば、そのうち直るだろう」「どうせ反抗期の1つの行動でしょう」と簡単に考えがちですが、ここで放っておいても状況は改善されません。

うっとうしく思われても、親は常に子供のことを気に掛けているということを、伝えておきましょう。まずは、密にコミュニケーションを図り、どんなに無視されても、一方的でも、コミュニケーションを取り続けることを意識していきましょう。

理由4.友達がいないという現状を親に知られたくない

「友達がいらない」とあえて口に出すのは、友達がいないという現状を親に知られたくないために、子供が強がっているというケースもあります。
子供にとって一番悲しいのは、親の期待に添えないことです。子供ながらに、親はたくさんの友達に囲まれて、笑顔で過ごす自分をイメージしていると感じ取っています。

それなのに、実際には友達を上手く作ることが出来ない自分…そんな自分に嫌気がさして、逆に「友達なんて無駄だ!いらない」と強がってしまうのです。表向きは友達いらないと言っていても、本心はたくさんの友達に恵まれたいという気持ちがあるのです。

そういうときは、子供に「無理して友達を作りなさいなんて言わないよ。たくさんいなくてもいいから、あなたが信頼できる友達が見つかるまで、気長に待ってみない?」と伝えてみるのはいかがでしょうか。きっと、子供の気持ちも楽になると思います。

理由5.何事にも無気力

家庭内でトラブルがあったり、勉強や部活などにつまづいてしまうと、子供が無気力になってしまうことがあります。この場合は何をするにもやる気が無くなってしまうので、誰かと話すことも、行動を共にすることも、関わることもしたくないため、結果友達がいらないとなってしまうのです。

無気力な状態を脱しなければ友達と関わる気力も湧いてきませんので、まずは子供が無気力になっている原因を突き止めて、それを解決できるように努めましょう。

以上が、子供が「友達いらない」と言い出す原因として考えられます。友達と何かしらのトラブルがあって、それに気がついて欲しいというサインなのか。また、家庭内のトラブルが心に大きな負担をかけて、ナイーブになっているのか。

子供の様子をしっかりと見て、小さな変化も見逃さないようにしていきましょう。

子供にとっての「友達の定義」

そもそも、【友達】とは何なのでしょうか?一般的な言葉の定義としては「心を通わせ、会話を楽しみ、一緒に遊ぶ人」といった意味です。しかしながら、友達の定義は一人一人違ってきます。

同じクラスの子を全員「友達」と言う子、いつも一緒に居る子を「友達」と言う子、何でも話すことが出来る子だけを「友達」と言う子。

子供から「友達いらない」と聞くと、親は真っ先に子供が学校でひとりぼっちで孤独な思いをしているのではないかと心配しますが、友達の定義はそれぞれなので、一緒に過ごす友達はいても、心から信頼できる友達がいないことを指しているケースもあります。

「友達は必要なの?」という問いにどう答えるか

返答に困る問いにすんなり答えられなければ、苦し紛れに言った言葉は子供の心には響きません。子供のころの友達が大人になっても仲良くしているケースもあります。本当に心を許せる友達は必要だということを伝えてあげましょう。

友達は人生を充実させてくれる存在

極論を言えば、友達がいてもいなくても人間は生きていけます。しかし、人それぞれ考えは違うでしょうが、少なくとも友達がいることで、新たな発見や自分1人では出来ないような体験、そしてコミュニケーション能力が発達することは確かです。親でもない、兄弟でもない、他人である「友達」が人生に刺激を与えてくれたり、より豊かなものにしてくれる場合も多いです。

ですから、友達は必要なのかという質問に対しては、ここでは【友達がいたら、人生はもっと豊かになるかもしれない】と答えておきます。

いらない友達がいるのも事実

友達の定義として「心を通わせる」という言葉がでてきますが、毎日一緒に過ごしていて、他人からは友達に見えるけれど、本人たち同士は本心を明かさない関係というものも存在します。

上辺だけの友達と考えるか、そもそも友達と考えないかは人それぞれですが、こうした友達と過ごす時間は決して楽しいものではありません。

残念ながら、その子が置かれている環境によっては、こうした友達ばかりの時もあります。上辺だけの付き合いでも続けるか、割り切って自分ひとりの時間を大切にするかはその子しだいですが、「友達は作るものではなく、自然にできるもの」です。

親としては、「運悪く、今はそういう出会いしかなかった」と割り切りましょう。その子が好きなこと、興味を持っているものがあるなら、習い事として通わせるなどすると、友達になれそうな人との出会いは増えるでしょう。

人間関係に悩むママがやりがちな言葉がけ

子供に「友達いらない」と言われると、つい「友達なんて面倒だよね」「ママがいるから大丈夫だよね」と言ってしまう人も少なくありません。特にママ自身が子供時代、又は現在進行形で人間関係に悩んでいる、孤独感を抱えていると、子供の気持ちに必要以上に共感し、極論に走りがちです。

子供をフォローしたい気持ちは十分に分かりますが、アドバイスの時は冷静さを忘れず、親と子供は別人格で、子供には子供の人生があることを肝に銘じておきましょう。

友達いらない宣言はプラスに考えよう!

子供が「友達いらない」と言い出すと、親はデメリットばかりを考えてしまいます。このまま自分の殻に閉じこもってしまったらどうしよう…と心配してしまう気持ちは分かります。

けれども、友達がいらないと言い出した子供に、デメリットばかりが降りかかるわけではありません。
メリットもあるのだと心にとめておきましょう。
以下にまとめてみました。

友達がいないメリット1:自分と向き合う時間が増える

友達はお互いに刺激を与え合い、さまざまな体験や多くの時間を過ごすことで、子供をより成長させてくれる存在です。コミュニケーション力が自然と引き上げられますし、相手のことを思いやる力も身に付けられます。

しかし、友達との関係が良好であれば良いのですが、気の合わない友達と無理に一緒に居たり、言いたいことを我慢して過ごしていると本当の自分が見えなくなりがちです。

気が進まないのに誘われたら断れなくて、自分がしたいことも話したいことも全て我慢して、友達と一緒の時間を過ごす子供もいるでしょう。そこで「気を遣う友達なんて、いらない」という考え方に変えてみたら、どのようなことが起こるでしょうか?

気の進まない誘いを断ることに罪悪感が生まれませんし、自分を押し殺すことなく、素直に生きることが出来るはずです。今まで気の合わない友達と過ごしていた時間を自分の趣味や特技にあてて、才能が開花したり、将来の道筋が見えることだってありえます。

我慢して過ごしている子供よりも、自分らしくのびのびと過ごしている子供の姿を見たいですよね?
友達いらないと我が子が言っている間は、自分と向き合う時間が増えて良かったなぁと、親自身が気持ちを切り替えて接していくことをオススメします。

友達がいないメリット2.自己判断能力が高まる

複数人の友達と一緒に居ると、その中で自然とリーダー的な子、大人しく後をついて行く子、中立的な立場の子など、それぞれのキャラクターが目立ってきます
そうすると、リーダー的な子がグループの行動を決めてしまって、他の子は自分で決断することなく言われたとおりに行動するという流れが出来てしまいがちです。

けれども、それでは子供から大人へと成長していく段階で必要不可欠な「自己判断能力」が育ちません。ですから、友達と離れて自分で決断して毎日の生活を送っていくことも、時には大切なのです。

友達がいらないという子は自己判断能力や自立心が高い傾向にあるので、決して悪いことばかりではないと理解しておきましょう。

友達いらないという子供にはそっと寄り添ってあげましょう

今回は「友達いらないと子供が言い出す原因」を中心にお話をしてきました。我が子が「友達いらない」と言い出すと、親は心配してしまうでしょう。

けれども決して騒ぎ立てることなく、問いただすこともなく、そっと子供に寄り添って原因を把握していく努力をしてください。友達がいるから幸せで、友達がいないから不幸せというわけではありません。幸せの尺度は人によって違いますから、子供の考えを尊重してあげることも大切です。