セロリの栄養
2025.6.18
セロリの栄養は部位でこんなに違う?茎・葉・根の成分を徹底比較&調理法のコツも紹介
セロリの栄養価を部位別に詳しく解説。茎・葉・根の違い、100gあたりの成分量、加熱や冷凍による変化も網羅。食物繊維やカリウム、ビタミンC、ビタミンK、βカロテンなど主要成分に着目し、調理法ごとの栄養保持のポイントまで丁寧に紹介しています。
目次
セロリの基本的な栄養成分とは
セロリの栄養成分表から見る主要栄養素
セロリは低カロリーでありながら、水分が多く含まれている野菜です。主な栄養成分には食物繊維、ビタミンK、ビタミンC、カリウム、葉酸などが挙げられます。特に食物繊維は消化を助ける役割を持ち、カリウムは体内の水分バランスの維持に関係しています。セロリの栄養成分表を細かく見ると、水分が約95%を占めるため、ほとんどが水分という構成になっています。
また、ビタミンCやビタミンKは植物の成長を助ける役割を持ちますが、人体においては細胞の機能維持に必要な成分として知られています。セロリは他の多くの野菜に比べてビタミンKの含有量が比較的高いのも特徴です。ミネラル成分の中ではカリウムが豊富に含まれているため、日常的に摂取しやすい栄養素として注目されています。
セロリの栄養成分表から見る主要栄養素
栄養素 | 特徴・含有傾向 |
---|---|
水分 | 全体の約95%を占める。 |
食物繊維 | 比較的多く含まれている。 |
ビタミンK | 含有量は野菜の中でも比較的高い。 |
ビタミンC | ビタミン類のひとつとして含まれる。 |
カリウム | ミネラル成分の中では多く含まれる。 |
葉酸 | ビタミンB群のひとつとして含まれる。 |
セロリの茎と葉で異なる栄養価
セロリの栄養価は部位によって差があり、茎と葉では含まれる成分が異なります。茎は食物繊維が豊富で、カリウムも多く含まれています。一方で葉の部分はビタミンやミネラルの含有量がより高い傾向があり、特にビタミンAやビタミンC、鉄分が茎よりも多く含まれていることが特徴です。
葉は香り成分も強く、栄養面でも濃縮された部分といえます。そのため、料理に葉を加えることで栄養価をさらに高めることが可能です。茎は食感が良いため、生食やスープの具材として使われることが多く、葉は刻んでサラダやスープのトッピングとして利用されることが一般的です。
部位 | 主な栄養成分 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
茎 | 食物繊維、カリウム | 食感が良く、食物繊維が豊富 | 生食、スープの具材 |
葉 | ビタミンA、ビタミンC、鉄分 | 香り成分が強く、栄養が濃縮されている | 刻んでサラダやスープのトッピング |
100gあたりの栄養素の比較
100gあたりの栄養素で比較すると、セロリの茎には約1.6gの食物繊維が含まれており、これは野菜の中でも比較的多い数値です。カリウムも約260mg含まれており、日常の食事で不足しがちなミネラルの補給に適しています。ビタミンCは約3mg含まれていますが、これは加熱によって減少しやすい栄養素のひとつです。
葉の部分ではビタミンAに換算されるβカロテンが豊富で、100gあたり約700μg含まれています。鉄分も0.8mgほどあり、茎と比べてより栄養価が高いことがわかります。全体的に見ると、セロリは茎と葉をバランス良く摂取することで、さまざまな栄養素を効率よく取り入れられる野菜です。
栄養素 | セロリの茎(100gあたり) | セロリの葉(100gあたり) |
---|---|---|
食物繊維 | 1.6g | 記載なし |
カリウム | 260mg | 記載なし |
ビタミンC | 3mg | 記載なし |
βカロテン(ビタミンA換算) | 記載なし | 700μg |
鉄分 | 記載なし | 0.8mg |
セロリとセロリを使った料理の栄養
セロリはそのままでも料理に加えても楽しめる野菜です。ここでは、生のセロリやスープ、漬物、炒め物など、さまざまなセロリ料理の栄養情報をまとめました。料理によってカロリーや重量も大きく異なるため、食事に取り入れる際の参考にしてください。
料理名 | 分量 | 重量 | エネルギー(kcal) |
---|---|---|---|
セロリの栄養を見る | 1本100gの可食部 | 65g | 8kcal |
セロリの漬け物の栄養を見る | 深型小鉢1杯 | 61g | 16kcal |
セロリのスープの栄養を見る | 1杯 | 180.1g | 32kcal |
牛肉とセロリの炒め物の栄養を見る | 深皿小皿1皿 | 148.6g | 140kcal |
セロリの漬物の栄養を見る | 1皿 | 42g | 6kcal |
セロリのきんぴらの栄養を見る | 1皿 | 64.7g | 68kcal |
セロリのスティックサラダの栄養を見る | 1皿 | 80g | 108kcal |
セロリとハムの炒め物の栄養を見る | 小鉢一杯分 | 36.7g | 37kcal |
トマトとセロリのスープの栄養を見る | 1人前 | 176.2g | 16kcal |
セロリ炒めの栄養を見る | 小鉢1杯分 | 53.1g | 53kcal |
セロリときゅうりのサラダの栄養を見る | 中皿1杯分 | 52.6g | 28kcal |
セロリのキムチの栄養を見る | 1人前 | 117g | 49kcal |
セロリの酢の物の栄養を見る | 中皿1皿 | 107g | 30kcal |
ささみとセロリの炒め物の栄養を見る | 大皿1皿分 | 190g | 201kcal |
生のセロリと加熱後の栄養価の違い
加熱調理による栄養素の変化
セロリは生で食べることが多い野菜ですが、加熱調理をすると一部の栄養素に変化が見られます。特に水溶性のビタミンであるビタミンCは熱に弱く、加熱することで含有量が減少しやすい傾向があります。逆に、加熱によって細胞壁が柔らかくなるため、食物繊維の一部が分解されて消化しやすくなる場合もあります。
また、加熱するとカリウムなどのミネラルは大きく減少しませんが、茹でる際に水に溶け出すことがあるため調理方法によっては栄養素の流出が起こります。蒸す調理や炒める調理は栄養素の損失を抑えやすい調理方法として知られています。加熱による栄養価の変化は調理方法と時間に左右されるため、短時間の加熱が栄養保持には有効です。
栄養素 | 加熱の影響 | 備考 |
---|---|---|
ビタミンC | 加熱で減少しやすい | 水溶性で熱に弱い |
食物繊維 | 一部が分解され消化しやすくなる場合あり | 細胞壁が柔らかくなるため |
カリウム | 大きく減少しないが水に溶け出すことがある | 蒸すや炒める調理で損失を抑えやすい |
冷凍セロリの栄養価はどう変わるか
冷凍セロリは保存期間を延ばすための方法として利用されますが、冷凍処理が栄養価に与える影響は比較的少ないとされています。特にビタミンやミネラルは冷凍中に大きく変化しにくいですが、解凍時の水分損失により一部の栄養素が減少する可能性があります。
ただし、冷凍前の下処理や冷凍方法によっても栄養保持の程度は異なり、冷凍保存する際はできるだけ新鮮なセロリを使い、急速冷凍することが望ましいです。冷凍セロリは加熱調理の素材として使われることが多く、加熱調理後の栄養価も意識した保存方法が重要となります。
セロリの部位別栄養特徴
セロリの茎の栄養素
セロリの茎は食感が良く、生食でも調理でも広く利用される部分です。茎には食物繊維が豊富に含まれており、特に不溶性食物繊維が多く含まれています。これは腸内の運動を助ける役割がありますが、今回は健康効果に触れずに栄養面のみの説明に留めます。
加えてカリウムやビタミンKも含まれており、ミネラルと脂溶性ビタミンの供給源としても役立ちます。茎は水分含有量が高いため、軽いシャキシャキ感を持つ食材として料理の食感を引き立てる特徴もあります。
セロリの葉の栄養素
葉の部分は茎に比べて栄養価が高いのが特徴で、特にβカロテンやビタミンCの含有量が茎よりも多いことがわかっています。βカロテンはビタミンAに変換される前駆体であり、植物性食品に多く含まれます。葉には鉄分も比較的多く含まれているため、栄養密度が高い部分といえます。
さらに、葉は香り成分も豊富で、料理に風味を加える役割もあります。葉は刻んでスープやサラダのトッピングとして使われることが多く、捨てずに利用することで無駄なく栄養素を摂取できます。
根セロリの栄養成分について
根セロリは茎や葉とは異なり、肥大した根の部分を食用とする品種です。根セロリは炭水化物が多く含まれており、特にでんぷん質が豊富なため、エネルギー源としての特徴があります。ビタミンCやカリウムも一定量含まれていますが、茎や葉に比べると食物繊維の割合はやや低い傾向にあります。
また、根セロリは独特の香りと味わいを持ち、スープや煮込み料理などの風味付けに利用されることが多いです。栄養面では主にエネルギー源としての役割が大きいですが、ビタミン・ミネラルもバランスよく含まれています。
セロリの栄養価を他の野菜と比較
セロリときゅうりの栄養価比較
セロリときゅうりはどちらも水分が多い野菜ですが、栄養成分にはいくつかの違いがあります。きゅうりはカロリーが非常に低く、主に水分と少量のビタミンKを含んでいます。セロリはきゅうりと比べると食物繊維の含有量が多く、特に不溶性食物繊維が豊富です。
また、セロリにはカリウムやビタミンCも一定量含まれているため、栄養の面ではきゅうりよりも幅広い成分を摂取できる特徴があります。両者はサラダなどで生食されることが多いですが、栄養価の違いを踏まえて使い分けることも可能です。
栄養成分 | セロリ(100gあたり) | きゅうり(100gあたり) |
---|---|---|
カロリー | 低め | 非常に低い |
水分 | 多い | 多い |
食物繊維 | 多い(特に不溶性食物繊維豊富) | 少ない |
ビタミンK | 含む | 少量含む |
カリウム | 一定量含む | 含まれるがやや少なめ |
ビタミンC | 一定量含む | ほとんど含まれない |
セロリとブロッコリー・パセリの栄養比較
ブロッコリーやパセリと比べると、セロリはビタミンやミネラルの種類や含有量に差があります。ブロッコリーはビタミンCや葉酸が豊富で、パセリはビタミンKやβカロテンを多く含んでいます。一方、セロリは食物繊維やカリウムが豊富で、これらの野菜とは異なる栄養特性を持っています。
それぞれの野菜は栄養素の特徴が異なるため、食事にバリエーションを持たせる際に組み合わせると、多様な栄養素をバランス良く摂取しやすくなります。セロリの独特の風味も料理にアクセントを加えます。
セロリの栄養素を活かした食べ方と調理法
生で食べる際の栄養ポイント
生のセロリを食べる際は、ビタミンCや酵素が熱に弱いため、できるだけ新鮮な状態で食べることが栄養を最大限に活かすポイントです。洗浄後はすぐに食べるか、冷蔵保存して鮮度を保つことが望ましいです。
生で食べることでセロリのシャキシャキとした食感や独特の香りも楽しめるため、サラダやスティック状に切ってディップと一緒に食べる方法が一般的です。生食は水溶性ビタミンの損失を防ぐためにも効果的です。
炒め物やスープでの栄養の活用
炒め物やスープでセロリを調理すると、加熱による一部の栄養素の損失は避けられませんが、味や香りが引き立つ特徴があります。炒め物では短時間で加熱することで栄養素の損失を抑えつつ、食感も残すことができます。
スープに加える場合は、煮込むことでセロリの旨味成分が溶け出し、料理全体の風味を高めます。調理時間や方法によって栄養素の保持率が変わるため、加熱時間を調整しながら使うことがポイントです。
浅漬け・ピクルスでの栄養保持法
浅漬けやピクルスにすることでセロリのシャキシャキ感を楽しみつつ、栄養素も比較的保持できます。発酵や酢漬けの工程では一部のビタミンが減少することがありますが、ミネラル類は安定して残ります。
また、漬け汁に栄養成分が溶け出すこともあるため、漬け汁ごと摂取できる料理や調理法が栄養を無駄にしないポイントです。冷蔵保存しながら味や食感を保つことで、セロリの栄養価を活かした食べ方が可能となります。
セロリの栄養価計算と実際の摂取量の目安
セロリ1本あたりの栄養素
一般的なセロリの1本は約200グラムから250グラム程度とされています。この量を基準に栄養価を計算すると、カリウムや食物繊維、ビタミンCなどがどのくらい摂取できるかが把握しやすくなります。たとえば、カリウムは1本で約300ミリグラム前後摂取できるため、日常的な野菜の中でも一定の割合を占めます。
ただし、セロリの大きさや品種によって重量や栄養成分は変わるため、あくまで目安として考えることが重要です。茎の部分だけでなく葉も食べる場合、葉の栄養素が加わり全体の栄養バランスが変わることにも注意が必要です。
栄養素 | 含有量(約200~250gあたり) | 備考 |
---|---|---|
重量 | 200~250g | 品種や大きさによって変動 |
カリウム | 約300mg | 日常的な野菜の中で一定の割合を占める |
食物繊維 | ― | 含有量は茎と葉の割合で変動 |
ビタミンC | ― | 含有量は茎と葉の割合で変動 |
セロリの栄養価計算の方法と注意点
栄養価を計算する際は、まず食品成分表に記載されている100グラムあたりの栄養素の値を基に計算します。実際に食べる量に合わせて換算し、例えば150グラム食べた場合は100グラムの数値を1.5倍するという方法が一般的です。
注意点としては、水分含量が高いセロリは調理法によって重量が変わるため、茹でたり加熱した後の重量で計算すると栄養素の濃度が変わることがある点です。また、葉と茎の栄養価が異なるため、混在している場合はそれぞれの重量を分けて計算するとより正確になります。
セロリの栄養に関するよくある疑問
セロリに栄養はないと言われる理由
セロリが「栄養がない」と言われることがあるのは、その低カロリーかつ水分が多い性質から、他の野菜に比べてエネルギーやビタミン・ミネラルの含有量が控えめに見えるためです。特に糖質や脂質の含有量が極めて少ないため、満足感やエネルギー補給の面では物足りなさを感じることがあります。
しかし、栄養素の種類としてはカリウムや食物繊維が含まれており、健康的な食生活の一部としては役立つ存在です。量を多く摂るか、他の栄養価の高い野菜と組み合わせて摂取することで、セロリの栄養を活かすことができます。
セロリの代わりになる野菜の栄養比較
セロリの代わりに使われることが多い野菜としては、きゅうりやパセリ、フェンネルなどがあります。きゅうりは水分が多く低カロリーで、さっぱりした味わいが似ていますが、食物繊維やミネラルの量はセロリに劣ります。パセリはビタミンKやビタミンCが豊富で、風味もセロリとは異なりますが栄養価は高いです。
フェンネルは独特の甘い香りがあり、セロリに似た食感を持ちながらもビタミンやミネラルが豊富で、料理のアクセントとして使われます。これらの野菜はセロリの代替として味や食感、栄養バランスの面で選択されることが多いです。
冷凍や加熱で栄養は本当に減るのか
冷凍や加熱による栄養価の変化は、セロリに限らず多くの野菜で見られます。加熱するとビタミンCや一部の水溶性ビタミンが減少する傾向がありますが、カリウムや食物繊維は比較的安定しています。冷凍保存では、短期間であれば栄養素の大幅な減少は抑えられるものの、長期間保存すると徐々に減少することがあります。
調理方法や保存状態によって栄養の損失度合いは異なるため、できるだけ新鮮な状態で食べることが理想ですが、冷凍や加熱も食材を無駄なく使うために重要な手段です。栄養価の変化を理解しながら適切に活用することが大切です。