自閉症スペクトラムの幼児

自閉症スペクトラムは幼児期に分かる?代表的な特徴7つ

自閉症スペクトラムは幼児のころから分かりますが、成長途中ということもあり、1度の検査だけでは診断できない場合があります。保育園や幼稚園に通うようになってからコミュニケーションがうまくとれずに気づくこともあります。まずは自閉症スペクトラムの特徴と子供を照らし合わせてみましょう。

自閉症スペクトラムは幼児期に分かる?代表的な特徴7つ

育てにくい=自閉症スペクトラムではない

自分の子供が育てにくいと感じた時に、すぐ「自分の子供は自閉症だ」とわかる人はいません。専門家でも、幼児の自閉症は、イヤイヤ期の2歳児、悪魔の3歳児のタイミングも重なるので、診断しにくいです。他の人のクチコミや症例を見て悩む人が多いのではないでしょうか。

育てにくい子供には、自閉症スペクトラムという単語のみではなく発達障害と呼ばれる名前でひとくくりにされてしまうことも多く、発達障害の中には学習障害は小学生になってからしか診断できないなど年齢によって診断可能な年齢が違います。

成長過程と思い、親が気楽に考えていると社会に出てから生きにくさを感じて発達障害と判断されることもあります。

アメリカ精神医学会が作る精神疾患の診断基準であるDSM-5では、自閉スペクトラム症と記載されています。自閉症スペクトラムと自閉スペクトラム症は同じものです。

自閉症スペクトラムとはどんな発達障害なのか

自閉症スペクトラムは心の病気ではなく脳の機能障害です

自閉症スペクトラムは自閉スペクトラム症ともよばれ、発達障害に分類され、自閉症によく似ている特性を持っています。

コミュニケーションをとるのが大変苦手で物事に対するこだわりが強く、感覚に対する敏感さや鈍感さがあります。

自閉症スペクトラムは、軽度から重度まであります。特徴としてわかりやすいのが、コミュニケーション障害、パターン化した行動やこだわり、言葉の発達の遅れです。知的な遅れがあるといわれる発達障害ですが、グレーゾーンと呼ばれる軽度の自閉症では知的遅れがないこともあります。

また、3~4歳児は2歳のイヤイヤ期が長く続き、発達途中でもあるため、幼児期の自閉症スペクトラムの診断は難しく、正式に診断名をつけないこともあります。

自閉症スペクトラムは脳の機能に関係しているため、心の病気ではありません。そして、わがままや親のしつけが原因のものでもありません。

自閉症スペクトラムの代表的な特徴7つ

自閉症の子供は、環境の変化を敏感に感じることができないため、呼んでもよびかけに反応しなかったり、皮肉を理解できなかったりします。

自分がしていることに熱中してしまい呼びかけに反応しないことを「過集中」といいます。また、コミュニケーション障害では、人と視線を合わせて話をするのが苦手です。無理に視線を合わせようとすると落ち着きがなくなります。

逆にパターン化した行動、こだわりは専門的な知識を持つことも多く、ある一定のことの専門家になれる性質は自閉症のメリットともなります。

1.コミュニケーション障害~人と接するのが苦手

自閉症スペクトラムの子供は、人とコミュニケーションを取ることが苦手です。周囲の人間への関心が薄く、不安感も強いため、人と目を合わそうとしません。

  • 視線を合わせることができない
  • 周囲に関心がなさそうにふるまう
  • 相手の気持ちがわからない
  • 場の空気が読めない

2.パターン化した行動やこだわり~何事もいつも通りにしたい

行動がパターン化しているため、イレギュラーな状態になるとパニックを起こすことがあります。いつも同じ場所にあるテレビのリモコンが違う場所に置かれていると混乱してしまいます。

こだわりがあり、いつも通りにできない場合、どうしていいのか分からなくなったり、癇癪を起こすこともあります。中には教えてもいないのに難しい言葉を自然と覚えていることがあり、何かに秀でた才能を発揮することがあります。

  • 1つのものに固執する
  • 興味があるものに執着する
  • ルールに執着する

3.言葉の発達の遅れ~オウム返しをする特徴がある

言葉の遅れを持つ子供も多いです。欲しいものがあっても言葉で欲しいと言わず、欲しい物の場所までママの手を引いて連れて行く「クレーン現象」が見られます。

相手の言っていることが理解できないと、言われた言葉をオウム返しする「エコラリア」という行動をしたり、同じことを繰り返し何度も言ったりします。

  • 言葉を話すのが遅い
  • 抽象的な言葉や比喩を理解できない
  • 相手が言った言葉をそのまま繰り返す
  • 呼んでも反応しない
  • 話したいことを一方的に話す

4.常識的なルールが分からない~周りの空気が読めない

わざわざルール化しなくても、一般常識と認識されているルールが分かりません。静かにしなければいけない葬儀などでも、私たちは静かにしなければいけないと常識として認識していますが、自閉症スペクトラムの子供は大声でおしゃべりしはじめたり、自分が歌いたいと思えば歌いだしてしまいます。

周囲が怪訝な態度をとっても、相手の表情を読み取ることが苦手なので、空気を読むことができません。

  • 雰囲気を察知できない
  • 相手の表情から感情を読み取ることができない
  • 言ってはいけないことが分からない

5.感覚が鋭かったり鈍かったり偏りがある

見る、聞く、触る、嗅ぐ、味わうという感覚が、鋭すぎたり、逆に鈍感だったりします。照明のわずかなチラつきが気になったり、本の色がきつすぎると感じたり、洋服のタグや縫い目が肌に当たると痛みを感じたりします。

聴覚過敏では音楽やテレビの音を轟音に感じて苦痛ですし、においや味もきつすぎるため、私たちにはおいしくていい匂いでも、自閉症スペクトラムの子供には苦痛でしかありません。

  • 大きな怪我をしても痛がらない
  • グルグル回っても目を回さない
  • なんでも匂いを嗅いで確かめようとする
  • 騒がしい中でひとつの音を聞き分けることができない
  • 寒さや暑さに鈍感で、季節はずれの服を着ていても平気

6.具体的に詳しく言わなければ曖昧表現が理解できない

自閉症スペクトラムの子供は、具体的に話さないと理解ができません。例えば、「もう少し小さな声で話そうね」と言った、「もう少し」がどれくらいなのか理解できません。

また、文字通りに物事を受け止めてしまうため、「学校帰りはまっすぐ帰る」ということは、寄り道せずに言家に帰るということですが、自閉症スペクトラムではこの「まっすぐ」を「直線で学校から家まで帰れない」となってしまい、パニックを起こしてしまいます。「学校帰りは寄り道しないで帰る」と、具体的に言わなければいけません。

  • 慣用句を理解できない
  • 「それ」「あれ」などにあたる代名詞の理解ができない
  • 「ダメ」「~しなさい」などは命令されていると感じてしまう。
    「そろそろ寝なさい」ではなく、「そろそろ寝ようね」と言うようにする
  • 誇張表現や冗談をそのまま受け止めてしまう

7.1度にひとつのことしかできず集中すると何も耳に入らなくなる

いくつかのことを同時進行で行うことができません。考えることの切り替えが得意ではないため、見る、聞く、書くなどの動作はどれかひとつしかできないのです。

また、何かに集中しているときに話しかけられても、話しかけられた前半は別のことに集中しているため、聞き逃していることが多く、言われたことを理解できない傾向にあります。

  • 聞きながら、見ながらノートに書き写すことができない
  • 何かに集中していると他のことが目に入らない

自閉症スペクトラムに気づく年齢は何歳くらい?

自閉症スオエクトラムに何歳くらいできづくのか

身体的な障害とは違い、自閉症のような精神的な障害は第三者からわかりにくいです。ただ、自閉症スペクトラムの症状を持つ子供の場合、3~4歳から保育園や幼稚園での集団生活がはじまり、言葉、コミュニケーションで発達の遅れが目立ってきます。

また、子供の定期検診で他の子との違いを指摘されたり、相談する機関を紹介されることもあります。発達障害でも、学習障害は勉強がはじまってから遅れを指摘されることがあるため、小学校になってからの6~7歳になってから気づくことが多いですが、幼児の自閉症スペクトラムがわかるのは大体3~4歳で、早い子供だと定期検診時の2~3歳でわかります。

専門家に様子を見ましょうと言われたら

子供が自閉症スペクトラムではないかと専門機関に判断を仰いでも、2歳前後の幼児の場合、専門家といえども判断しにくい場合があり、様子を見ましょうと言われることも少なくありません。

初見で発達障害と判断されることは稀で、今後の成長の変化を観察しながら、自閉症スペクトラムかどうか判断されるため、どれくらいの期間、どんなことに注意をし、親として何をしていけばいいのか指示を仰ぎましょう。

もしかして発達障害?と思った時はまず行動を起こしましょう

もしかして発達障害?と感じたら

自分自身の子供が自閉症スペクトラムかもしれないと思った時、一人で悩まず、自治体などの機関で相談してみましょう。

保健所・保険センター

幼児の健診時には、医師との診断時間を設けていることが多く、そこで気になることを相談することができ、場合によっては受診もすすめられます。

1歳半検診、2歳児検診、3歳児検診などの健診の時はもちろんですが、それ以外でも自治体の保健所や保健センターの窓口で無料相談することができます。

幼稚園・保育園

自閉症スペクトラムの特有の症状が出る年齢が3~4歳くらいであることと、多くの幼児を見てきている幼稚園や保育園の保育士の意見を聞くのも有益です。

問題症状が家庭内ではなく、幼稚園や保育園での環境下の方が顕著な場合もあります。同じ年齢の子供と遊んでいても他人に興味がないコミュニケーション不全は幼稚園や保育園でよくわかります。

幼稚園、保育園と連携を多く取ることで、子供が園でどんな状態なのかを聞くことができます。家庭外でのことも教えてもらいましょう。

発達支援の相談センター

市町村の窓口には、保険所・保険センターのほか、児童課や福祉課などで相談センターを設けているところがあります。障害児が通所してトレーニングできる療育施設を教えてくれることもあり、専門的療育が必要な場合の足掛かりになることがあります。

発達支援の相談センターでは、電話相談ができることもあります。通所で遊んでいる様子を見ながら相談をする来所での相談が基本ですが、自閉症スペクトラムの幼児は外出が上手にできない傾向があるので、電話で悩みを相談できる窓口も設置しています。

発達障害の専門医

かかりつけ医に気軽に相談するほか、自閉症などの精神的な疾患に対応できる専門医もいます。かかりつけ医が内科などで発達障害の専門外であるのなら、セカンドオピニオンとして小児科や精神科の医師に紹介状を書いてもらい、診断してみることも重要です。

児童精神科、発達臨床心理士など発達障害全般に詳しい専門家に相談すると、発達状態をテストができ、診断書を書いてもらうことで療育手帳などの受給者証をもらうことができます。

小学校就学前の場合は児童発達支援に、障害のある就学児だと放課後等にデイサービス施設を利用することができるようになります。

自閉症スペクトラムはアメリカ精神医学会による診断基準で判断

自閉症スペクトラムの診断は、採血などでは分かりません。保護者の話と診察室での子供の様子をDSMという、アメリカ精神医学会が定める診断基準によって診断されます。

子供に話しかけたときの反応や、言ったことをどこまで理解しているか、視線を合わせるか、親には家や保育園、幼稚園での様子、気になっていることの聞き取りをします。

一度の検査では分からないことも多く、経過観察をしながら何度も面接をし、ようやく自閉症スペクトラムと診断されることも珍しくありません。

子供が自閉症スペクトラムかと悩んだらお医者さんに相談を

自分の子供が自閉症かもしれないと思った時は、専門家への意見を聞くなどの対処方法をとってみてください。対応はできるだけ早い方がいいです。

悩んだら、お医者さんはもちろん、近くに相談できる窓口を探して連絡してみることをおすすめします。そうすることで、早期対応ができるため、子供も小さいうちから社会に慣れる方法を学べる機会が増えます。

診断がつかずに、発達障害のグレーゾーン判定の場合があります。発達障害のグレーゾーンとは?気になるママ必見!を参考にし、グレーゾーンと言われたらどんなことをすればいいのか、行動に移しましょう。

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