幼児音の原因と治し方

幼児音はいつまで続く?子供の言い間違いや発音を治すコツ

幼児音とはどのような言葉なのでしょうか?幼児音の原因や幼児語との違い、子供が幼児音を使うときの対応の仕方と治すためのポイントを教えます。子供の言葉や発声の発達過程、言葉をうまく発音できない構音障害(こうおんしょうがい)との関係について解説します。

幼児音はいつまで続く?子供の言い間違いや発音を治すコツ

幼児音とは?子供の発音や言い間違いを治すには

幼児音とは、小さい子供特有の言葉で単語として間違っている言い方や発音が不鮮明になる言葉のこと。子供らしくて可愛い話し方ですが、「小学生になるまでに治してあげたい」と焦っているママも多いのではないでしょうか?

「すいか」を「しゅいか」というように「さしすせそ」の音が「しゃししゅしぇしょ」になることや、「テレビ」を「てーび」というように、音をはぶいてしまう言葉が幼児音と言われます。

また、「ママがかえってきた」を「ママ帰ってきた」というように、「てにをは」の助詞が抜ける言葉遣いも幼児音になる場合もあります。

幼児音と幼児語の違い

犬を追いかけて走ってる女の子

幼児音と同じような言葉に幼児語があります。同じように思われがちですが、幼児音と幼児語は別のものです。

幼児音が発音の仕方によるものであるのに対して、幼児語は犬のことを「わんわ」や、ご飯のことを「まんま」というように、幼児期特有の語彙や「赤ちゃん言葉」のように、大人が子供に対して使う言葉のことを言います。

幼児音にはどんな発音があるの?

幼児音は「さしすせそ」が「しゃししゅしぇしょ」や、「かきくけこ」が「たちつてと」というように「さ(ざ)行」「か(が)行」「ら行」「は行」の発音で、頻度が高い傾向があります。

「ことり」を「とこり」と言い間違うなど、さまざまなタイプがあります。幼児音は発音の仕方によって、具体的に次のようなタイプがあります。

  • 音が脱落や省略してしまう
  • 音を置き換えてしまう
  • 音の順番が変わってしまう
  • 音を添加してしまう
  • 音が同化してしまう

音が脱落や省略してしまう

言葉の子音や音節を発音しない発音の仕方で「は(ha)し」が「あ(a)し」となることや、「テレビ」が「テービ」となる発音です。

音を置き換えてしまう

音の母音や子音がしっかり発音できずに、代わりに別の言いやすい音で発音してしまう言い方です。母音を置き換えると「えんぴ(pi)つ」が「えんぺ(pe)つ」、子音の場合は「ろうそく」が「どうそく」のようになります。

音の順番が変わってしまう

とうもろこしの収穫の手伝いをしてる男の子

単語の順番が入れ替わってしまう発音の仕方で、「とうもろこし」が「とうもころし」、「きんぴら」が「ぴんきら」のように言い間違えた発音になります。

音を添加してしまう

単語の中に、必要のない音を加えてしまう発音の仕方で、「いらない」が「いらんない」などの発音です。

音が同化してしまう

前後の単語の音に同化してしまい、同じ音で発音してしまう仕方で、「かいもの」が「かいのの」や、「ジュース」が「じゅーじゅ」などの発音です。

幼児音はいつまで話すもの?

ランドセルを背負った新入学生の女の子

幼児音は、言葉や発音の習得とともに自然となくなっていくもので5歳~6歳くらいで卒業がおおよその目安です。子供の発達には個人差があり、早い段階で正確に話せる子供もいれば、ゆっくり発達していく子供もいます。「さ行」がうまく言えない、舌っ足らずなどの幼児音は珍しいことではなく、小さい子供ではよくあることなのです。

子供の言い間違いや発音のミスは言葉や発音の発達と大きく関わっています。子供の話し方がおかしいと心配なママも多いでしょうが、発達状況や子供の年齢によっては言葉や発音が難しいものがあるのが当然です。幼児音が続くからといって焦るのではなく様子を見守るようにしましょう。

発音や言葉の発達過程を目安に

子供の発音や言葉の発達過程を知ることで、発音がどの成長過程なのか、遅れているのかといった目安ともなりますので、次の発達過程を参考にしてみてください。

正しく発音できるまでの過程

音を発するためには、口の動きだけでなく、舌・喉・肺の動きも必要となります。これらの器官が、協調できるようになって、ようやく正確な音を出せるようになるのです。そのため、正しい発音に何年もかかってしまうのは当たり前の事でもあります。正しい発音までの過程は次のとおりです。

  • 2歳~3歳頃:あ行(母音)・ぱ行・ま行・や行、た・て・と・ん
  • 3歳~4歳頃:か行・が行、な行・は行、ちゃ行、だ・で・ど・わ
  • 5歳頃:ば行・さ行・ざ行、ら行、つ

音によって舌の使い方などの違いがあり、複雑な音の習得には時間がかかるものです。唇を閉じて発音する「ま行」や「ぱ行」は、発音が簡単なため2歳頃にはしっかり話せるようになります。

複雑な舌の動きが必要な、「さ行」や「ら行」は4歳から習得が始まり、5歳くらいまでかかることもあります。

会話ができるまでの過程

喋ってる赤ちゃんを抱っこして笑顔の母親

子供の話す言葉も、急に大人と同じ様に会話ができるのではなく、何年もかけて徐々に会話となります。言葉の取得目安は次のとおりです。

  • 生後3ヶ月:クーイング/「あー」「うー」などの赤ちゃんが発する音
  • 生後半年:喃語(なんご)/「ばぶばぶ」や「だだ」のような同じ音を繰り返す言葉
  • 1歳~2歳:一語文/「パパ」「ママ」のように意味を持った一つの単語
  • 2歳~3歳:二語文/「わんわ だっこ」・「まんま 食べたい」のような、意味を持った二つの単語でできる言葉
  • 3歳~4歳:三語文/「ママ おうち 帰る」というように、3~4つの単語でできる言葉。この頃から「てにおは」などの助詞を使えるようになる子供もいます
  • 4歳~:多語文・会話/4歳頃から一度に話せる単語も増え、助詞も加わるようになり、徐々に大人の会話に近づいてきます

幼児音の原因

幼児音は子供の発音や言葉の発達によって自然と減っていくものです。5歳前後になっても幼児音がなかなか減らない場合は、成長や発達以外の問題が原因となっている可能性があります。

幼児音の原因

言葉の覚え間違い
赤ちゃん返り
家庭内のコミュニケーション不足
舌がうまく使えない
口腔内に問題がある
子供の情緒不安定

きちんと発声することができるようになったのに、下に兄弟が生まれた寂しさから赤ちゃん返りをした場合、意識的に幼児音を使う子もいます。

家庭内のコミュニケーションが不足すると会話の機会が減り、言葉を聴くことや話すことができず言葉の発達が遅れてしまうこともあるので、家族で会話を楽しむことが大切です。

舌の筋力が足りない、唇や口蓋など口に問題がある場合も、発音に影響が出てしまいます。口の障害などが問題の場合は病院などに相談するようにしましょう。

子供が幼児音を使った時の対応

幼児音や言い間違いは子供の成長とともに自然と治ることが多いものです。子供が言葉を言い間違えても無理に正す必要はありません。子供のペースにあわせて、ゆっくりとした気持ちで見守るようにしましょう。

厳しく叱責したり復唱させたりしない

言い間違えるたびに厳しく怒ったり、正しい言葉を覚えさせようと何度も復唱をさせると子供にストレスを与えてしまいます。

話すたびに注意されてストレスを感じると、子供はその言葉を話すことを避けるようになります。話す意欲を削ぐことにもつながるため、言葉の発達に影響が出てしまうケースもあります。

子供が小さいうちは、音の認識能力も成長途中のため、自分の言った言葉と、ママが言う正しい言葉の違いがわからないこともあります。子供は「マネヨーズ」と言い間違え、ママが「マヨネーズ」と何度も正そうとしても、子供にとっては「マネヨーズ」も「マヨネーズ」も同じに聞こえているので、ママから繰り返し注意されても、理由もわからず混乱を招くだけです。

さりげなく言い直す

キッチンで母親の料理の手伝いをしてる女の子

正しい言葉を覚えてもらいたい時は、無理に教え込むのではなく、まず、親が言葉の前後から内容を察してあげて、「マネヨーズ」と言われたら、「マヨネーズ美味しいね」と会話の中で、さりげなく言い直す程度にしましょう。

幼児音を治すポイント

子供がある程度成長したにも関わらず、幼児音が気になる場合は、医療機関などに相談することをおすすめします。発声や復唱などの特定の訓練を受けることで幼児語は改善することができます。また、家庭でできる対策には次のようなことがあります。

家庭でできる幼児音対策

家庭の会話を工夫する
絵本を繰り返しゆっくり読む
舌の運動をする

家庭の会話を工夫する

子供は周りの言葉を聞いて、吸収してから表現できるようになります。コミュニケーションが不足し、家庭内での会話が乏しいと、子供は言葉や音に触れる機会が減ってしまうので、家庭内での会話を増やすようにしましょう。家庭内での会話で心がけてもらいたいことは次のようなことがあります。

家庭内の会話で心がけたいポイント

正しい言葉を使う
単語だけではなさない
ゆっくりと会話をする
会話を楽しいと思える環境作り

周りが正しくない言葉を使っていると、それを真似る子供の発音にも影響が出てしまいます。夫婦間での会話が単語だけや短文でのやりとりになっていませんか?

子供が聞いていると意識して、目の前の動作や気持ちを正しい言葉で表現しましょう。「天気がいいね」「今からご飯作るね」など、日常の中の会話を少し工夫するだけでも子供の言葉の成長に影響します。

子供と話すときは、ゆっくりはっきりと話すことが大事です。子供が聞き取りやすく、理解しやすくなります。発音を治したい気持ちで、焦ってしまう必要はありません。子供が家庭で話すことが楽しいと思えることが何よりも大事ですので、コミュニケーションを取りながら、楽しく会話をする環境を整えていきましょう。

絵本を繰り返しゆっくり読む

絵本は言葉や音にあふれていて子供の言葉や発音のサポートになります。ただ読むのではなく、子供が正しい音を理解しやすいようにゆっくりと読み聞かせることや、子供に読んでもらうようにすることで、より発声のサポートとなります。

舌の運動をする

シャボン玉で遊んでる男の子

舌の運動をすることで、舌の筋肉の発達を促し、話すときの動きがスムーズになります。運動といっても、難しいことをする必要はありません。次のようなことで子供の舌の運動になります。

  • 色々な食感のものをたべさせる
  • うがいやストローを使う
  • シャボン玉や笛などの遊び
  • いろいろなものをたべさせる

食事は、舌だけでなく口や喉の動きの発達を促す機会でもあります。硬いものを食べるだけが必要なのではなく、いろいろな食感のものを食べることで、さまざまな感覚を得ることができ、発達の助けとなります。

うがいやストローで飲み物を飲むことは、口や舌を使う練習になります。シャボン玉や笛は、口や口周り・舌の筋肉を使う遊びです。子供も喜んでくれるのでおすすめです。

焦らずに楽しくすることが大事

言葉や発音は、練習したからといってすぐに上達するものではありません。大事ことは焦らずにゆっくり根気よく行うことです。無理に覚えさせてようとしてしまうと、子供は話すこと自体を嫌になってしまいますので、子供のペースで楽しくできるようにしてください。

正しい発音が出来た時はたくさん褒めてあげましょう。褒められると子供のモチベーションが上がり、話す意欲につながります。

幼児音と構音障害(こうおんしょうがい)

成長の過程であれば子供の発音が周りと比べて完全ではなくても心配する必要はほとんどありませんが、発音するための器官に問題があり発音がうまくできない場合は、構音障害(こうおんしょうがい)の可能性があります。

構音障害は言語障害のひとつで、耳や口・喉の筋肉の運動障害や構造に問題が起こるために発音や発声が上手にできない障害です。構音障害には次のような症状があります。

構音障害の症状

  • 赤ちゃん言葉がいつまでも続く
  • 発音できない音がずっとある
  • 滑舌がわるい
  • 話すと鼻に息が抜けている

構音障害を放っておくと子供の言葉の遅れに繋がり、発音が上手にできないことで周囲とのコミュニケーションに問題が出る可能性もあります。改善するためには、適切な時期に適切な訓練を受けることが大切です。

子供の発声の発達段階での構音障害は判別が難しく、専門の機関での聴覚検査や発達診断が必要となります。5、6歳になっても幼児音が続く場合は専門の機関に相談してみましょう。

幼児音は焦らずゆっくり見守りましょう

子供特有の話し方である幼児音は、子供の言葉や発声の成長過程であり珍しいことではありません。正しい日本語が話せないからといって焦る必要はないのです。子供が幼児音を使った時の対応として心がけてもらいたいことは次の2つです。

  • 幼児音は成長の途中であることを理解し子供の成長のペースを見守る
  • 幼児音を使っても無理に正そうと叱責や復唱をさせない

言葉を正しく話すために大事なのは、子供が話すことは楽しいと思えるかどうかです。ママが焦ると、子供は話すことが嫌いになってしまいます。子供の成長ペースは一人一人違うので、子供の年齢に応じた話し方ができるように、ゆっくりと見守っていきましょう。

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