思春期早発症の女児に現れる症状

思春期早発症の女児に見られる体質変化・症状と治療法

思春期早発症の女児の場合、女の子らしい体の変化や著しい身長の伸びを認める思春期の時期より、2~3年程度早まります。体質的な特発性思春期早発症は女の子に多く発症します。乳房のふくらみや低身長、生理が通常よりも早く始まる思春期早発症の原因、治療方法、遺伝との関係性を紹介します。

思春期早発症の女児に見られる体質変化・症状と治療法

思春期早発症の女児の症状・原因・検査・治療

思春期早発症とは、小児における内分泌疾患および代謝疾患です。

女の子のほうが男の子の約3~5倍多く発症するのが特徴です。
子供から大人になっていく成長過程で、心身共に変化する時期を思春期と言いますが、身長の伸びや女の子は女らしい体への変化が見られます。何かのきっかけがあって思春期が始まるのかは現在でも正確にわかっていませんが、性ホルモンの上昇により結果、差がはっきりしてきます。

女の子の場合、乳房が少しふくらみ始めた時期が思春期の始まりですが、7歳6ヶ月以前より乳房の発育が見られる場合、思春期早発症の可能性が高いと言えます。

一時的なホルモン分泌により、乳房のみの発育で他の早熟徴候が見られない場合は思春期早期症とは違うものもあります。
女児に見られる思春期早発症が基準年齢と比べどれ位早いのか?など「症状・原因・検査・治療」について詳しく解説します。

思春期早発症の女児の身長の特徴

女児を気にする思春期の男児

思春期の開始時期により個人差もかなりあるのが身長です。

思春期開始時期から成人身長と言われる身長に達するまで、女児は約3~4年かかります。この間の伸びは、15~35cmになります。

思春期早発症の場合、身長の成長も標準より早く始まります。一時的には身長が伸びますが、伸びを上回るスピードで骨の成熟が進行し早期に伸びが止まってしまい、結果的には低身長になってしまいます。

思春期早発症の女児の主な症状

女の子に多く見られる主な症状として、

  • 7歳6ヶ月までに乳房がふくらむ発達が見られる。
  • 8歳までに陰毛、わき毛の発育。
  • 10歳6ヶ月までに生理(初潮)が始まる。

等の体質的変化がみられます。

これらの症状で、女児に多く見られる思春期早発症の原因が明確にわからない場合が多く「特発性中枢思春期早発症」と言われています。
思春期以前に性ホルモンが分泌され、成熟が早く出現した症状です。

女児の思春期早発症の発症原因

男児よりも成長が早い小学生の女児

思春期早発症は、早期に性ホルモンが分泌される事により発症する病気で、原因として大きく分け
二つになります。

  • 「中枢性(真性)思春期早発症」
  • 「末梢性中枢性思春期早発症」

これらについて説明します。

「中枢性(真性)思春期早発症」は、さらに脳内腫瘍、脳炎後遺症、水頭症などによる「器質性中枢性思春期早発症」と明確な原因が認められない「特発性中枢性思春期早発症」とに分けられます

特発性思春期早発症

女の子に多いのがこの特発性思春期早発症です。

末梢性中枢性思春期早発症

副腎、性腺の病気によるもので、副腎腫瘍、性腺腫瘍(卵巣・精巣腫瘍)による発症します。

思春期早発症の検査方法

思春期早発症について勉強する女児

どの様な症状が、いつ頃からから現れたのか等の聴取から始まります。
また

  • 在胎週数
  • 出生時の身長・体重
  • 両親の身長・思春期の始まり時期
  • 母親の初潮年齢

等も聴取されます。
性の早熟の兆候を確認するために、全身の診察と外性器の成熟状態の診察が行われます。

ホルモン検査により血液の状態を調べる

血中に含まれるゴナドトロピン、繊毛性性腺刺激ホルモン、テストステロンの値を調べます。

MRI検査で腫瘍を調べる

腫瘍を疑う場合、場所と大きさや圧迫個所等を細かく調べる必要があります。
腫瘍の場合でも、腫瘍の大きさや場所により、お薬のみで済む場合もあります。

腹部超音波検査で卵巣等の腫瘍を調べる

「器質性中枢性思春期早発症」の場合、卵巣・副腎の異常が考えられるので、腹部エコー等の超音波診断をする事が多いです。この検査により卵巣の腫瘍が見つかった場合は、将来正常に妊娠できるための治療が必要になりますので、切除等と並行しお薬等の服用による治療も検討されます。

X線検査で骨年齢を判定する

手と手首のX線検査をする事で、骨端線の状態を確認するためです。
骨端線と呼ばれる隙間があり、軟骨部分で、ここで骨の組織が活発に生成されることにより骨が伸びていきます。年齢に合わせた隙間基準があり、基準よりも狭い場合は思春期早発症と診断されます。

女児の思春期早発症の治療方法

ママパパに悩みを相談する女児

思春期早発症の治療方法は、原因により異なります。

女の子に多い「特発性中枢性思春期早発症」の治療は、特に疾患が無い場合は、薬物療法が中心です。
目的として、思春期早発症の治療は、思春期が進まないようにすることです。ほとんどの症状が止まり、骨年齢が早く進む症状が遅くなる効果があらわれています。
LH-RHアナログと言う薬を使い、通常は皮下注射による治療を月に1回通院にて行います。

このお薬は、性ホルモンが抑えられ、早期の発達の進行を止めます。正常な思春期が始まるまでの性ホルモンの分泌を抑制出来るので、成長の速度も一旦停止される事で身長の伸びも悪くなりますが、生育するまでの期間を長くする事により成人身長の正常化が期待できます。
効果を見ながら、お薬の投与する量を変更し、治療を行います。

LH-RHアナログ副作用について

LH-RHアナログは、性腺刺激ホルモンを選択的に抑制する薬のため副作用の現れにくい薬です。

「末梢性思春期早発症」の治療は、外科手術による治療を行います。
腫瘍の場合、手術により切除されますが、女児における卵巣腫瘍の場合、反対側の卵巣での再発のチェックが必要な為、長期にわたる時間が必要とされます。

「器質性中枢性思春期早発症」の治療は、腫瘍等の外科手術、手術による切除が困難な場合は、放射線治療や化学療法を行います。(腫瘍による圧迫等が見られなければ、薬物療法を行います。脳炎後遺症、水頭症の場合も薬物療法を行います。)

女児の思春期早発症の遺伝との関係性

ママとツーショット写真を撮る女児

思春期早発症の遺伝についてですが、遺伝する要素があるのは「末梢性思春期早発症」です。

副腎腫瘍、卵巣腫瘍の他に、先天性副腎皮質過形症や遺伝子変異で起こるマックキューン・オルブライト症候群。これらの先天性の遺伝子変異で起こる思春期早発症は、遺伝すると知られています。

脳から出るホルモン(性腺刺激ホルモン)の分泌ではなく、性ホルモンを生成している性腺・副腎に原因がある場合に「末梢性思春期早発症」と言います。性ホルモンが生成される副腎・卵巣に遺伝子に異常が見られる特殊な病気が原因と言われています。

思春期早発症の女児とのかかわり方

思春期早発症の発病により早期に体が発育する変化に一番戸惑うのは、発病したお子さんご本人です。

子供の友達とのかかわりの中で違和感を感じるなどのストレスが生じる問題が起こります。
発育した体の部分を指摘するなどの、行動を制限する等は控えましょう。

治療をすれば早期の発育を止める事が出来るので、きちんとした説明をしてあげる事が大切です。子供の心を傷つけない事が一番大切な事で、学校等周辺への理解と協力を得て、きちんとした治療が続けられる環境を作ってあげる事です。

女児の思春期早発症と早期乳房との区別

学校の宿題を自宅でする女児

女児の思春期早発症の症状として、体質的変化の乳房のふくらみがありますが、7歳6ヶ月より前に膨らみ始めると言う症状があります。これよりもかなり前の1歳から3歳頃に乳房のみの発育が認められることがあり、多くの場合2~3年で自然に退縮します。この症状を早期乳房と言い、初期の段階では思春期早期症との区別が困難です。

症状が見られる場合は、小児内科分泌専門医での受診が必要です。

子供にきちんと説明した上で治療することが大切

いかがでしたか?
思春期早発症とは子供の病気で性ホルモンの分泌により、早い年齢で体の成熟が起こってしまう病気です。成長が基準より早く見られる場合、病気が隠れている事があります。幼い時から周囲よりも体格が大きいでは済ませず、少しでも気になる事があれば小児科医に相談しましょう。
治療せず放っておくと、骨年齢が早く進んでしまい低身長になってしまいます

女児の思春期の典型的な始まりは

  • 乳房の発育。
  • 陰毛(恥毛)・わき毛が生える。
  • 初潮(月経の始まり)を迎える。

これらの正常な思春期の発達が早期年齢にて起こってしまいます。

明確な原因が認められない「特発性思春期早発症」が女児には多く見られますが、他の疾患が原因になるものもありますので、専門医で診断する事が大切です。多くの場合薬物療法による治療になります。きちんとした治療で早期の発達を止める事が出来ますので子供本人にきちんとした説明をして、周囲の協力・理解の元で治療が続けられる環境を作ってあげる事が大切です

早いうちから発達をする事で、いじめ等のリスクもあり、不登校等の要因になる事も考えられます。子供本人が精神的負担を感じている事が多い為普段から、そっと子供を見守ってあげる事も大切な大切な治療の一つですよ