ごめんなさいが言えない子ども

ごめんなさいが言えない子供の心理や強要はNGの理由

悪いことをしたときにごめんなさいが言えない子どもに対して、ハラハラしたり気持ちが焦ってつい「ごめんなさいは?!」と謝罪を無理強いしたり…。ですがごめんなさいの言葉を強要しても子供には大切なことは何一つ伝わっていません。ごめんなさいが言えない子供の心理と理解を促す親の接し方とは?

ごめんなさいが言えない子供の心理や強要はNGの理由

ごめんなさいと言えない子供の謝れない心理とは?ベストな接し方を探る

兄弟げんかやお友達同士でのけんか、親の言うことを聞かない、家でのいたずらや理由のないわがままなどなどは、子育てをしていると日々必ず起こることです。ですが、悪いことをしてしまったそのとき、すぐに「ごめんなさい」と言えない子供がいます。

そのとき、あなたはどんな態度で接し子供への言葉がけをしていますか?「ごめんなさいは(怒)?」など謝罪の言葉を促す命令をしてしまってはいないでしょうか?頭ごなしはいけないと思っていても、実際に子供に反省させるべきトラブルが起きたとき、どんな接し方がベストなのかはいつも答えが見つからないと言うこともあるでしょう。

子供がなかなか「ごめんなさい」と素直に言えないのには何か理由あるからです。
ここでは、ごめんなさいを言えないときの子供の心理状態や、知っておくと子育てが楽になるいけないことをしたときの子供の導き方を5つ、具体的な事例とともにお伝えします。ぜひ参考にしてくださいね。

なぜウチの子はごめんなさいが言えないの?

思うように謝れない男の子

2、3歳位の子どもは、まだまだ社会的なルールが備わっておらず、やりたいことをやろうとし、本能のままに動きます。そもそも、やって悪いことと良いことの区別が殆どつかないのが、この年齢の子供たちなのです。それだけに厄介ともいえますね。「子供のしたことだから…」で済ませると、親の間でもトラブルになる可能性があります。

ですが、例えば公園で子供を遊ばせているとき、一緒に遊んだお友達とトラブルになったなら、親はとっさに「早くごめんなさいを言わせなければ!」と思ってしまいますが、親の体面を考えたような理屈を持って接しては、子どもには大切なことが何も伝わりません。

2、3歳の子供が「ごめんなさい」ができない理由

赤ちゃんを卒業したての年頃はやって良いこと悪いことの区別がつかない

幼いうちであるほど、良いことと悪いことの区別はつきにくいもので、乳児期から幼児期にかけての子供は、自分の欲求のままに行動しようとします。特に問題になるのがよちよち歩きを卒業し行動範囲が広くなる2歳頃の子供。
赤ちゃんを卒業したてのこの時期の子供は、親をはじめ、周囲の人たちとの会話もある程度成り立つにもかかわらず、善悪の判断すらもたない状態でかつ自分の感情をコントールしたり的確に伝えたりはできないため、もっとも手のかかる年齢と言われています。

例えば、よその子がおもちゃやブランコなどの遊具で遊んでいるのを見て、自分も遊びたい!となれば、その子が先に遊んでいようがお構いなしに、取り上げたり割り込んだりします。
本人にしてみれば、悪気もなければ理由も理屈もありません。「いま遊びたい」→「即行動」なのです。おもちゃや遊具の順番をめぐり、ときには子供同士のもめごとも起きるでしょう。相手が大人しい気質の子供なら、本人に悪気がなくてもただ我慢をさせてしまうことにもなります。

物心がつくと逆に謝れなくなる子供も

3歳以降になると、大人のお話の内容に対する理解も進み物事の分別はつくようになりますが、基本的には自分の気持ち優先で行動するのは変わりません。性格によっては、自分が悪いということがわかっていても、意地をはってみたり、ママの対応によっては、ごめんなさいを言いたくても言えない事態も生じるのです。

自分の非を認めて謝るということは、大人にとっても難しい問題になることがあります。「ぼく(わたし)が悪かったな、○○ちゃんごめんね」と表現するコミュニケーションには、「自分を許してくれる?」というメッセージ性を含みます。
つまり、万が一相手が許さないなら、自分の意見は認められなかったということになりますが「相手に悪いことをしてしまった自分は分が悪い(承認欲が満たされる可能性は低い)」というのをなんとなくでも理解しているからなのではないでしょうか?

それを乗り越え、相手に対して思いやりを持ち素直に「ごめんなさい」と伝える勇気はとても大切です。ですが、勇気を持って「ごめんなさい」を言えるかどうかは善悪の判断がつきはじめた頃には一層難しい問題となるのです。

ごめんなさいは誰のため?

妹に謝ろうとするお兄ちゃん

トラブルは起きた瞬間にできるだけ早く収束に向かわせたいと思うのは、大人の心理というものです。
「人に迷惑をかけてはいけない」という認識を持った大人は、自分の子供がほかの子に迷惑をかけてしまったとき、一刻も早くその場を収めようとするあまり「ほら、ごめんなさいは?」と促してしまいがちです。

ですが、これでは子供自身は「わたしは友達に悪いことをしてしまった」「友達は悲しかった」「ごめんなさいを言おう」という考え方はできません。子どもの口から出た「ごめんなさい」の音で表面的な大人の体面しか取り繕っていないといえます。

私たち親が子供に教えるべきことは、「ごめんなさい」が言えない子供に対して「ごめんなさい」というフレーズを強要するのではなく、相手に対して「ごめんなさい」と思える思いやりの気持ちを育てることではないでしょうか?

悪いことをした自覚がないまま叱られてしまうと

自分で悪いことをしたという自覚がないまま叱られたら、子供はどんな気持ちがするでしょう。
びっくりするでしょうし、パパママの表情や口調によっては怖くてどうしていいのかわからなくなります。パパママの言うとおりにすることを最優先し思考をやめてしまうでしょう。

黙ったまま、うつむいて、むっとしたり、怒ったような顔をしてしまったり、びっくりするあまり、声を失ったり泣き出す子もいるかもしれません。
そのような精神状態で、すぐに「ごめんなさい」が口に出せるはずがないのです。

謝れないからダメなわけではない(謝れば良いものではない)

子供がごめんなさいを言えないからと言って、焦って叱る必要はありません。周りの目が気になることはあっても、「それが子供の自然な行動」と受け止めましょう。
むしろ、感情優先で生きている子供が、理性をもってか持たずかすぐに謝る方が不自然だともいえます。また、気持ちを蔑ろに「ごめんなさい」と言ってみたところで、相手の子供だって納得はしないでしょう。

大人が子供の感情を無視してごめんなさいを強要するように親が抑圧的に接していると、子供自身の自由な心が抑圧されてしまい、長い間にはストレスとなることも考えられます。一部の有識者は、この抑圧が長期にわたると、精神的な弱さにつながりやすいとも伝えています。

勇気を持って謝れない子供がいて当たり前だということは、我が子だけでなく、相手の子供も同様です。人間が形成するコミュニティでのトラブル発生は付き物であり、子供たちは壁にぶつかるごとに成長していきます。おおらかに、楽しく我が子や周りの子供たちと接していきましょう。

ごめんなさいが言えない子どもに理解を促すには

ママにごめんなさいを言って許してもらう男の子

親の立場からすると、もしも我が子が悪いことをしたのを目撃したとき、一刻も早くごめんなさいと謝らなければ!となりがちですが、大好きなママ(パパ)から突然怖い顔で迫られたら子どもは逃げ道を失います。

子どもは何がいけなかったのか、どうして謝らなければならないのか、頭の中は「?」だらけでも、大好きなママ(パパ)に嫌われたくないから、とりあえず「ごめんなさい」と言うかもしれませんが、何度も繰り返すようにそれでは何の解決にもなりません。

子供がいけないことをしたとき、できればただ叱るのではなく説明して納得の上で次なる行動を誘導していきたいもの(それができる状況である限り)。我が子の最大の理解者である親がとるべき言動を探っていきましょう。

1.迷惑をかけた相手に謝るのは親から

理由は何であれ、我が子のミスを認めたら、先に謝るのは親であるあなたです。
幼い子であるほど、自分のミスに気づくのは難しく、理解させるにも時間ばかりがかかってしまいがち。ですが、相手の親子は子供が実際に謝るまでの過程(我が子が自分のミスに気づき謝る必要性を認識し勇気をもってごめんなさいと言うまで)を待てませんので、まずは親であるあなたから、心からの謝罪を相手の子(と親)に示し、我が子にもその姿を見せましょう。

お母さんが謝る姿を見ることで、子供の心に(あの子にいけないことをしたんだ、あやまらなければいけなかったんだ)という気づきが生まれます。

2.怒らずに、起きた事実を伝えよう

悪いことをしたと思っていない子供に対して「それはいけない」と力ずくで分からせようにも上手く行きませんし、自分目線で話をしても全く伝わらないため非常に労力を要します。真っ白の画用紙にイチから絵を書いていくように、子供に行動基準となる価値観を植えていく作業だと思って、感情的に怒るのではない対応をしましょう。

我が子の過ちに対しては、ついつい感情的になりがちですがぐっとこらえて、悪いことをした自覚がない子供に対しては、起きた事実を起きたままに淡々と伝えるようにします。

【例】

「いま、〇〇ちゃんが先にこのおもちゃで遊んでいたのに、□□くんがとっちゃったね。びっくりして悲しくて、〇〇ちゃんが泣いたのよ」

「淡々と」というのがポイント。感情を込めて伝えるなら、子供はその感情に気がいってしまい、ことの本質がわかりにくくなります。

幼い子には話しても分からないだろう、とつい思いがちですが、子供は日々成長するもの。頭ごなしに叱ったりなど親が子供の行動を制御するのではなく、自分で考え判断していくために理解してもらおうと前向きに接していきましょう。

3.子供の想いを聴いてあげる(感情を出させてあげる)

友達と喧嘩をしてママに相談する女の子

起きたことを話したうえで、次にするのは子供の声を聴くことです。
今起きたこと、話したことで何を感じたのか、子供のなかにある感情を出してあげることで、自分の起こしたこと、それに伴う心の様子に自分で気づけるようなサポートをしていきましょう。その先に、相手の痛みを知るプロセスがあるからです。

子供は自分の思考を要領よくまとめられません。「だって、遊びたかったんだもん」などばかりで、なかなか相手の痛みを知るプロセスに進まなくても、辛抱強く話を聴いてあげましょう。子供は必ずそのときの思いを伝えようとします。ここでは言い訳ばかりで、ごめんなさい、と素直に言えなくても、大丈夫なのです。

4.繰り返すうちに「ごめんなさい」の大切さが理解できるようになる

子供がその場でごめんなさいを言えなかったり、そもそも悪いと思っていないようでも、ママはあまり気にしないでください。ですが、「まだ小さいから、ごめんなさいが言えないのね」と甘やかすのとは違います。「いつかわかるでしょう」と放任するのとも違います。

ですが、子供は同じことをしたり、されたりを繰り返すうちに、学習し行動が変わっていく部分は確かにあります。実はトラブルを乗り越えるたびに何を感じ、学んだかが、子供の成長への大きな糧となってきます。だからこそそのときの親の対応が大切なのは言うまでもないことです。

親は「自分で考えて行動に表す」ことができるよう、子供を親の所有物として扱うのではなく一人の人間として真摯に接しながら、謝る姿勢を見せる・起きた事実や相手の気持を淡々と伝える・子供の気持ちを引き出す等の最大のサポートをし続けましょう。

子供の心の成長に対して、親が変に焦っても大きなメリットはありません。子供が自分の行為に対する責任を理解できるくらい成長した頃に、話を聴いてもらった子と、ただ怒られて、無理やりごめんなさいと言われた子と、どちらがより思慮深く思いやりのある子に育つでしょうか?

すぐに言えなくても大丈夫!

ごめんなさいを言う大切さをママに教えてもらう女の子

子供は目に見えないスピードで成長します。
ついこの間までできなかったことが突然できるようになることもあります。同じように分からないだろうと思っていたら、ちゃんといつの間にか理解できるようになっていたり。日々起こるすべてのできごとが子供にとっては経験となり、知恵になるのです。

親であるあなたも、最初はうまくできなかったり都度手探りの子育てで自信がないかもしれませんが、必要なのは愛情です(これなら自信はありますよね?)。
「子供だから」と一方的なスペックを押し付けるのではなく、愛情持って、ただしひとりの人間として対話を続けていくと、「どんなときも、ママやパパは自分の味方となって話を聴いてくれる」という信頼のもと、自分で考え行動につなげる自信もついていくのではないでしょうか?

ごめんなさいを無理強いしても意味はない!一番大切なこと

子育ては、毎日が喜びの連続であるのと同時に、イライラ、ハラハラの毎日でもあります。
ですが、人は誰しも一人では生きていけません。自分達のくらす環境にいるすべての人があってこそ、健全な精神状態を保てている面があります。そして人の輪の中にいるということは、トラブルもつきものですが、これはお互いさま。「人の迷惑になることはいけない!」のではなく、愛情を持って間違いを許す度量をもち接していくことが大切です。

それには自分の気持ちを見つめて相手の立場に立って考えられるスキルが必要ですが、親が言って聞かせて急に持てるようになるものではありません。ですが、子供の頃の積み重ねによって「ごめんなさい」を伝える大切さは必ず備わっていくはずです。

我が子が誰かを傷つけてしまうかもしれない、またけんかしちゃうかもなどと恐れるのではなく、目の前の我が子を信じて、精一杯の愛情を注いでゆきましょう。いつか素直に、心からのごめんなさいが言える子に育ちますように。