「ごちそうさま」と言う幸せ

「ごちそうさま」って言える幸せ!子供に教えたいちょっとイイ話

普段何気なく使っている「ごちそうさま」は、日本人のおもてなしへの感謝の心があらわれた言葉!「頂きます」とセットで子供と一緒に言いたい「ごちそうさま」のちょっといい話、食べ物だけじゃない使われ方から、ホントにあったごちそう様への偏見、ごちそうさまに関するエピソードをご紹介します!

「ごちそうさま」って言える幸せ!子供に教えたいちょっとイイ話

子供と一緒に「いただきます」とセットで「ごちそうさま」

ママが作った毎日の食事。それを食べてくれるときに聴きたいのが「ごちそうさま!」「おいしかったよ!」の声ですね。
この、「ごちそうさま」。特に意識もしないまま、普段から当たり前のように使っている言葉ではありますが、実はいろいろと深い意味があることをご存知でしょうか?

親から子へ。子から孫へと、伝えてゆきたい日本ならではの細やかな気遣い。今も脈々と受け継がれてきた習慣の深意を知っておくことで、口にするときに自然と感謝の気持ちが沸き上がってきます。読み終えたときに、少しでも「ごちそうさま」と言うのが楽しくなれば幸いです。

子供が好き嫌いする原因は?一緒に楽しく食べる克服方法
子供が好き嫌いする原因は?一緒に楽しく食べる克服方法
子供の好き嫌いは栄養が偏り成長にもよくないばかりか性格にも影響がでると言われています。年齢ごとの好き嫌いの直し方、トマトやピーマンなど嫌いな野菜を調理の仕方で克服する方法です。

食育からの「ごちそうさま」

ごちそうさまを言える小学生

当たり前のように、毎日いろいろなものを食べている私たち。それらがどのように生まれ、運ばれているのか、考えたことはありますか?当たり前ではない食べるお話、子どもの食育にも役立つエピソードをご紹介しますね。

「ごちそうさま」の意味

ある往年のタレントさんの人気ラジオ番組に、このような手紙が届いたそうです。
「給食の時間、うちの子には『いただきます』『ごちそうさま』を言わせないで。給食費を払っているのだから言わなくても良いではないか」とわざわざ学校に申し入れをしてきた母親がいたというのです。

あなたはこの話を聞いてどう思いますか?実際に、レストランなどで「こっちからいただきますとかごちそうさまというのはおかしい。お金を払っているんだし、店の方こそ客に感謝すべきでしょ」という客も実際にいるのだとか。

いのちをいただくことへの感謝

これらのエピソードからうかがえるのは、「お金を払っているから、客なのだから」という表面的なことだけにこだわる不遜な態度でしょう。

そもそも、生きとし生けるものを育んでくれる太陽や水や大地といった自然界、そのもとで作物を作ってくれる農家さん、収穫した作物をスーパーまで運んでくれる問屋さん、それを美味しい料理に仕立てて提供してくれる料理人、それらの人がいて初めて、私たちは美味しい食事をいただくことができる、生命活動を維持することができるのです。
家庭菜園で作物を作ってみるとよくわかります。私たちは、決して一人で生きているのではないということを。

ほんの少し想像力を働かせて、自分のなかにそのような考えや枠がないか、見てみましょう。
我が子に「ごちそうさま」の意味を伝えるときには、このような背景も教えてあげるといいかもしれません。

食育を促すかんたん家庭菜園のススメ

命の素晴らしさを伝えるためにも、お子さんと一緒に野菜作りをするのもおすすめですよ! ミニトマトや小松菜など、マンションやアパートなどの住まいでもプランターで簡単に作れることもあり、最近はすっかり人気です。
小さな種に水をやり日に当ててあげると、やがてかわいい芽が出て大きくなる。命を育てることの楽しさを、味わってもらいたい、その命をいただくことを、ぜひ体験してもらいたいと思います。

「いただきます」「ごちそうさま」は日本独自の誇るべき言語習慣であり文化

昼食を食べるピクニック中の家族

実は海外には、日本のように食事のときに使う「いただきます」「ごちそうさま」といった特別な言葉や習慣を持つ国が意外に少ないのです。

キリスト教では食前に神様に祈り、最後に「アーメン」と結んでいます。アーメンは「確かに、その通り」という意味で、食事と祈りそのものにかかる言葉になります。韓国では「よく食べましたね」という意味にあたる「チャル チャルモゴスムニダ」など。

フランスや英国では日本における「ごちそうさま」といった特定の言葉はないそうです。

日本独自の文化が生んだ「ごちそうさま」

日本には昔から「八百万(やおよろず)の神」といって、自然万物、つまりすべてのものや現象には神が宿るという日本人独特の思想がありました。
ここには、目の前に料理として食卓に届くまで、「ごちそうさま」に至るまで、どれほど多くの手を通してきたのかに対する感謝と畏敬の念も含まれていることでしょう。

食べることは、命をいただくこと、いただいた命を次の世代へとつなげること

食事は、私たちのご先祖様、子孫たちの命がいまここにあることに感謝していただく行為でもあるのです。

子供と知って楽しい「ごちそうさま」のいろんな話

普段は意識しないで口にする「ごちそうさま」は、食後に使うだけじゃなかった!?語源から、意外な使われ方までごちそう様のあれやこれもご紹介していきます。
小学校中学年から高学年には、こんな話を親子で知ってみるのも良いと思いますよ!

「ごちそうさま」の語源は?いつから使われるように?

みんなで食事をとる仲良し家族

突然ですが、あなたが「ごちそう」と思うのはどのようなものでしょうか?
割烹でいただく懐石料理や一流フレンチのフルコース?それとも、めったに味わえないような珍品の類でしょうか?

この「ごちそう」。漢字では「御馳走」と書きます。
馳走とは、江戸時代の頃、大切なお客様をもてなそうと、家人が馬を走らせ駆け回るさまが語源と言われています。
当時は冷蔵庫もなく、現代のように生鮮品を貯蔵しておくことは叶いませんでした。また、水道、ガス、電子レンジも当然ながらありません。薪を集め、かまどに火を入れ、井戸で水を汲む…いまでは考えられないような労力が、食事ひとつ作るにもあったことでしょう。
そんな時代のこと、客人があるとなれば、少しでも新鮮で良い食材を求めて、急ぎ方々へ奔走したはずです。

大切な客人を精一杯の気持ちでもてなしたい。その気持ちに応える側の挨拶として、「馳走」に丁寧語の「ご」を加え、「ごちそうさま」と言われるようになりました。

料理の良しあしというよりは、苦労して用意してくれた方の気持ちに感謝する言葉が始まりだったのです。
時代劇などで「馳走になる」「馳走にあずかる」などというセリフを聴いたことがある方もいるのではないでしょうか?昔の人は、自分をもてなすために苦労して用意してくれた食事やそれまでの行為に想いを馳せ、心からの気持ちを「ごちそうさま」に込めたことでしょう。

〇〇〇のときも「ごちそうさま」?

ちなみに、「ごちそうさま」を使うのは、食べるときだけではありません。自宅以外でお風呂にあずかったときにも、「ごちそうさまでした」などと言います。
今は各家庭にあって当たり前のお風呂ですが、昔はお風呂がない家も多くありました。隣近所に「もらい湯」に行くことも、決して珍しくはなかったのです。

この風呂焚きも、当時は食事を作るのと同じような手間がかかりました。何往復もして湯船に水を張り、薪をくべ、湯を沸かす。湯加減に気を配る……。お風呂を借りたうえにもてなされるシチュエーションと人の温かみに、「良い風呂をありがとうございます」という感謝の言葉につながったのではないでしょうか?

もっとも今では、温度調整も湯量も簡単になり、各家庭にお風呂があたりまえのようにあるためにもらい湯に行くこともなくなり、最近はあまり使われなくなったかもしれません。それでも、よその家に泊まってお風呂を貰ったときは、「いいお湯でした、ごちそうさまです」といいたいものですね。

〇〇〇話のごちそう様とは?

公園で休憩する仲良しのママと娘

お友達の恋愛や彼氏とののろけ話を聴いて、「はいはい、ごちそうさまです」と言うこともありますね。この場合の「ごちそう様」はどのような意味かというと、これまでの使い方とはちょっとニュアンスが異なります。
「もうその話はお腹いっぱいだよ」という冷やかしや、場合によってはちょっぴり皮肉の含まれたものになるそうです。

人の恋愛話は、最初はうんうんとほほえましく聞いていられますが、何度も同じことを話すなど度を越してくると、聴いている方も少なからずうんざりしてくるもの。
恋は盲目というように、恋愛最中は周りのことはなかなか目に入らないものですが、他人にのろけ話をするのはほどほどにして、相手の信頼残高や時間を奪いすぎないようにしましょうね。

地方色もいろいろと。「ごちそうさま」への返事

仲良く給食を食べる男の子と女の子

普段の生活の中で、ごはんを食べ終わった後、子供たちの「ごちそうさま」に対して、どんな返事をしていますか?
一般的には、関東より北の方は「お粗末様(さん)でした」「お口に合いましたか?」、関西方面では「よろしゅうおあがり」「ようおあがり」などと返すようです。とはいえ、こちらも時代の流れとともに、使われなくなってきた言葉。
特に現代では、お粗末という言葉自体に、あまり良い印象を持つ人がいないこともあります。

もちろん、もてなす側が本当に粗末なものを出したわけではありません。
「こんなに美味しい料理を大変な思いをして用意してくださり感謝しています」という「ごちそうさま」に対し、「いえいえ、なにもおもてなしできず申し訳ございません」という意味での「おそまつさま」と謙遜して返しているわけです。

日本には昔からこのように自分が前に出る言葉より、謙遜やへりくだるという、一歩下がることが美徳であるという思想がありました。そこからの「お粗末様」なのかもしれませんね。

おわりに~あなたのごちそう様が聴きたくて

おなかが空いたら自分で作らなくても、スーパーやコンビニが深夜まで開いている現代の日本。
今でこそ、誰かが遊びに来れば、わざわざ手作りしなくても、ネットや電話一本で寿司からピザ、ラーメンなどなど、その時々に食べたいものがすぐに届きます。けれど、そんな便利なサービスが充実してきたのは本当につい最近のこと。

豊かさしか知らない今の私たち、子どもたち世代には、昔の人々の苦労など、なかなか想像もつかないことになりがちな現状は少し寂しいものがあります。
だからこそ、いま自分が必死に何かを作ったり走り回らなくても、何もかもが揃う現代に感謝することを忘れてはいけません。誰かがやってくれるからこそ、いまの豊かな暮らしがあること。飢えずに生きていられること。

とはいえ、毎日のようにコンビニごはんや甘いだけの菓子パンばかりを食べていると、どこか心がすさんでくるのは、思いを込めて作る料理を味わいたいから、それを体が、心が欲しているからではないでしょうか?
飽食の時代と言われて久しい現代だからこそ、日々の食事を少しでも丁寧に、を心がけてみませんか?(ときにはゆるく、コンビニごはんもOK!)

たった6文字のなかに想いを込めて、感謝とともに「ごちそうさま」と言える、そんな我が子に育ってもらいたいものですね。