子供が帰ってこないときの対応

子供が帰ってこない!警察への連絡や安全を守る親子の約束

子供が帰ってこないとき、親なら真っ先に何かトラブルに巻き込まれてはいないかが心配になりますが、防犯面でも何かと不安の多い世の中において子供の安全を守るためには対策を立てておくべき!もしものときの対応や警察への連絡のタイミングや危険を回避する帰宅や遊びに行くときの親子の約束を解説。

子供が帰ってこない!警察への連絡や安全を守る親子の約束

外はもう暗いのに子供が帰ってこない!予防策と対応

小学生くらいにもなると、子供もお友達との世界が一番になってきて、放課後は毎日お友達と約束して帰ってくる…なんてご家庭もきっとたくさんあると思います。ランドセルを置いて着替えたら宿題もせずにそそくさと家を出て行く光景は、いつの時代も変わらないことなのかもしれませんね。
そして「もう暗くなってきているのに、子供の帰りが遅い!」これもまた、いつの時代にも変わらない親の悩みだったりします。

でも、現代はママたちが子供の頃のようにはいきません。子供たちを取り巻く環境も変わり心配なことが多いこのご時世において、子供とはどのように取り決めすべきなのか、帰りがいつも遅いのはどうしてなのか、今一度整理して普段の放課後事情を見直してみましょう。

昨今の事情は複雑

子供と一緒に登下校するパパ

世界的にみると日本は治安のよい国かもしれませんが、先ほども触れたように、安心して子供が一人で歩かせられる安全な世の中ではなくなってしまいました。
20年30年前にはまだまだ平和だった日本ですが、子どもが巻き込まれるような事件が度重なり、今では子供の安全が脅かされるような事態が次々と起きてしまっているのが現状です。

放課後の公園がランドセル姿の小学生で賑わっていたのは過去の話。今は皆一度家に帰ってから、親との具体的な約束をして初めて外で遊ぶことができます。
公園に監視カメラを導入すべきかどうかは、たびたび議論になる話題ですよね。それほどまでに、親の目の届かない外の世界は、危険に溢れるようになってしまったのです。

また、女性の社会進出とともに共働き家庭も一般的になってきました。親よりも先に子供が家に帰ることが珍しくなくなり、それを補うために学童保育への通所がスタンダードな放課後の過ごし方になりつつあります。つまり、放課後に公園や校区内で気軽に遊んでいる子供たちはどんどん減ってきているのです。

子供はまず家庭が守るべき

「子供は地域の目で守ろう!」と各自治体が見守り隊などの活動を行っていますが、それでも親の責任が第一だということには変わりありません。子供に何かあったとき責任があるのは大人であり、親の私たちです。子供のことは各家庭でしっかりと守っていく姿勢を持つことが最も大切です。

子供が帰ってこないとき、親の対応は?警察への連絡のタイミング

放課後にかけっこをする小学生

いつも帰ってくる時間帯を過ぎても子供が帰ってこない、外が暗くなり始めているのに・・・となると、かなり心配で気が気じゃなくなります。子供が帰ってこないとき、どのように対応していくと良いでしょうか?

小学生の場合を考えてみましょう。
学校によってさよならの時間には多少開きがありますが、だいたい遅くとも3時半には6時間めの授業が終わり、そこから終わりの会をして帰ってくるはず。
低学年であれば3時くらい、高学年であれば4時くらいがまっすぐ帰宅したときの時間でしょうか?放課後のクラブ活動をしている子であれば5時を過ぎることもあるでしょう。

子供の安全が心配になるのは、おそらく門限を超えても子供が帰ってこないときですよね。たまには何かの都合で遅くなることもあるので、子供を信用して門限から30分から通学の距離に応じて1時間半くらいは様子を見ておきたいものです。無事に帰ってきたら門限を守るようにしっかり注意すればいいのですしね。

そういう意味でも、子供の帰宅時間は「なるべく早く帰ってきなさい」と指示するよりも、具体的な門限を設定して遅れないようにさせる方がいいですね。

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まずは学校に問い合わせ

通学路の長さにもよりますが、子供が門限を越して30分経っても帰ってこない場合、何か特別な事情があるはずです。まずは事情を学校側に電話で確認してみましょう。もうすでに学校を出ているということであれば、誰といつ頃帰ったのかを確認して、心当たりのあるお友達の家にも連絡を入れてみてください。学校から出た後の足取りの手がかりをなるべくたくさん手にいれましょう。
そうこうしているうちに門限から1時間が経過しているでしょう。

門限から2時間で警察に電話

あたりをくまなく探して、それでも見つからない場合警察に電話を入れます。目安は門限から2時間。子供の行方不明では、遊んでいて知らないうちに遠いところへ行ってしまうということも珍しくはありません。事件性の有無抜きにしても、子供が間違って衝動的にどこかへ迷いこんで帰れなくなってしまうことも十分に考えられるのです。

門限から2時間ということは、おそらく午後7時〜8時となっているでしょう。行方不明解決にはスピード感が大切ですが、この時間ならまだ街中にも人通りがありますし、夏場であれば日が明るく見通しがきく場合もあります。

小学生の帰宅を守る!危ない思いをしないための親子の約束

子供が帰ってこない!となると、親は寿命が縮む思いをします。
ですが、心配だからといくつになっても監視をするために子供にべったり張り付いてはいられませんし、そのようなことでは子供の責任感や自主性も育ちませんね。
徐々に徐々に子供の自立を促していくためにも、万が一の危険を回避するためにも、帰宅時間や遊びに行くときには親子で「約束」をかわすようにしましょう。

これだけは必ず!最低限の伝達事項

安全のために手を繋いで下校する小学生

遊びに行くときの最低限のルールとマナーです。子供が小さい頃は「友達と遊ぶ!」ということだけに意識が向きがち。家に親がいても、「ママただいまー!遊びに行ってくるねー!!いってきまーす!!!」と、息つく間もなく外に飛び出ていってしまうこともありますが、子供が遊びに行くときは、「誰と」「どこで」「何時までに帰る」の確認を習慣化させましょう。

誰と?

低学年であれば、遊ぶ子の名前を具体的に聞いておきます。全員の名前と人数を簡単にメモしておくと安心です。「〇〇ちゃんって誰?」とならないように、あらかじめクラスメイトの名前と顔は一致させておくくらいの勢いを持って介入しておきましょう。

中学年にもなると、子供側からしても全ての子の名前を言うのが面倒になりますし、なんとなく言いたくない気持ちが出てきます。本人の自立具合にもよりますが、もしだいたい遊ぶ相手が固定されているなら代表の子の名前を聞いておくだけでもいいでしょう。
詳しい友人関係を知っておきたいなら、親の方から積極的に子供の周りにいる友人たちに興味を持つことが大切です。普段の会話の中でさらっと流して聞いてはいないでしょうか

子供が普段の会話の中で発する名前を、自然に深堀していけば、だいたいの友人関係を知ることはそんなに難しいことではないはずです。

高学年は、特に女子が遊ぶ友達の名前を言いたがらなくなります。変に詮索すると嘘をつくようになってしまいます。それでは困るので、つかず離れずの距離感が大事。普段仲良くしている子の名前がころころ変わっても、ある程度はそっとしておいたほうがいいときもあります。

どこへ?

どこへ行くのか、どこの公園で遊んでいるのかは、誰と遊んでいるかを聞き出すよりずっとハードルは低いはずです。そして、子供たちはだいたい縄張りとしている慣れた場所があるものなので、そこを知っておくことができれば安全度は高まります。

低学年の子は、一つの場所で遊んでいることまだまだ多くあります。移動しても狭い範囲の中で完結します。よく行く公園や場所をいくつか把握しておきましょう。
また、低学年のうちはうっかりおそくなることも多いので、家の前以外で遊ぶときは「どこの公園に行く」「誰のおうちで遊ぶ」はかならず確認するように。

中学年以上の子は自転車などの移動手段を身につけて、行動範囲がぐんと広がります。学年が上がるにつれて、安心感も増しますが、親の目の届かぬところで悪さを働きだす子も。
「どこへ行くのか?」の確認と併せて、校区外には出ない、遠くへ行かない約束をする、子供だけで行ってはいけないところの確認をするなど、遊びに行くときのルールを明確にしておきましょう。

何時に帰る?

「何時には絶対家に着くようにする!」この部分はどの年代でも厳しく約束する必要があります。なるべく明るいうちに帰れる時間を設定しましょう。

とはいえ、お友達の中で一人だけ早い時間に帰るというのは、家庭の約束とはいっても子供には不満が残ります。同級生のお母さん同士でだいたいの時間を示し合わせたり、みんなの帰る時間に合わせたりしてあげるのも、子供の世界のためには大切です。

高学年以上の子供との確認の仕方

年齢が上がると交友関係を知られるのがなんとなく恥ずかしかったり、異性も交えて遊ぶのを言いたくなかったりするものです。高学年になるにつれて子供への信頼は強めていっても構いませんが、信頼=放任とは違うので、子供が何時に帰るのかくらいははっきりさせるべき。その他にも子供が遊びに行くときの必要な連絡事項はしっかり行うようにしましょう。
詮索するためのものではなく、万が一のために手がかりが必要だということをしっかり伝えましょうね。

学校から帰ってくる第一門限を作ろう

パパに見送られ学校に行く姉弟

学校から出る時間は曜日によって異なるかもしれませんが、「だいたいこの曜日は何時に帰ってくるだろう」という目安は決まっているはずです。居残り学習があまりない学級なら、学校から帰ってくる第一門限を設定しておくと親も安心です。

放課後遊びに出るとしてもまずはランドセルを置きに家に帰ってくる。これを徹底させるだけでも安全度はぐっと高まります。

いつも通る道を決めよう

通学路が決まっている学校もありますが、決まった道がない場合、子供はついつい寄り道をしたり他の道を通りたくなってしまったりするものです。自分の安全のためだとしっかりと伝え、いつも通る道を決めておきましょう。

子供の通る道は、家への最短距離である必要はありません。なるべく明るく、見通しがよく、交通事情も安全な道を選びましょう。日中の人通りがある道や、商店が立ち並んでいる道は人の目が常にあって安全です。

携帯電話やGPSもときには大事なツール

キッズ携帯を始めとする通信機器を子供に持たせるかどうかについては、賛否両論いろんな意見があります。子供には贅沢品だという意見もありますし、子供の安全のためなら便利なものを使うのは悪くないという意見もあります。

ご家庭によってこの議論の答えは様々で良いのですが、GPSが子供の命を守るツールになりうるということは、頭のどこかにでも入れておいてほしいと思います。
時代はどんどん進歩しています。その一方で、人と人とのつながりは弱くなり、ご近所さんが子供の居場所を知っているというのは遠い昔の話となりました。GPSは昔でいうご近所のおじさんおばさん代わり。そう言った考え方で持たせるのもアリかもしれません。

通り道で顔見知りのお家やお店を作ろう

学校の友達と話しながら下校する小学生

あらかじめ決めた道の途中では、近所の人やお店の人などと顔見知りになって仲良くなっておくとより安全です。特にお店の人は、通行人をよく観察しているものです。同じ時間に同じ子供が通っていると自然と覚えてくれますし、それが馴染みの子供だとなおさら意識してみてくれます。普段から出入りするお店や近所のおばさんを作っておきましょう。

共働きの家庭はどうする?

親の帰りよりも子供の帰りの方が早いことが多い共働き家庭は、放課後の使い方は一つの大きなテーマでもあります。どうすれば目の届かないところでも安全に過ごせるのでしょうか?

学童などを有効活用

学童があるなら、迷わず登録をしておきましょう。昨今、学童は共働きの一般化と共に、どんどん支援が拡大されてきています。いくらなんでも放課後毎日子供を野放しにしておくのは良くありません。大人の目が行き渡る方法を一つ確保しておきましょう。

お友達との関係を密に

学童も高学年になると卒業しなければなりません。そうなると、頼りになるのは塾やお稽古事などの教育施設、そしてお友達との信頼関係です。共働きママ同士でできればタッグを組んで助け合えるといいですね。仲良くなっておけば、急な都合にも快く対応してくれるでしょう。

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子供が帰ってこないのはどうして?子供なりの理由

約束の時間や何時もの時間に子供が帰ってこないなら、親は心配でいてもたってもいられませんが、子供にも子供の事情があるもの。学校から家までの帰り道には、たとえ短い距離であったとしても意外と幾つものハードルがあるようです。

友達としゃべっていた

地域に安全を守られた小学生

中学年以上の女子に多い理由です。おしゃべりが大好きな女の子は、放課後も仲のよいお友達とおしゃべりしたくてたまりません。ゆっくり帰りながらおしゃべりをしているうちに、つい時間が経ってしまった…同じ女性であるママならわかる理由かもしれませんね。

思春期に差し掛かり、友人関係に重きを置き始める高学年女子の事情はもう少し複雑です。自分は早く帰りたいと思っていたとしても「先に自分だけ帰ってしまうと、グループの女の子たちの会話がわからなくなってしまう!」と思うと、帰るに帰られない事情となり得ます。思春期の女の子には一大事ですよね。
お付き合いでおしゃべりして帰らざるを得ないのは、いつでも女子の宿命なのかもしれません。

学校で居残り

熱心な先生の中には、今も放課後指導を丁寧に行っておられる方もいらっしゃいます。子供の帰りがいつもより遅いときには、もしかすると今日は宿題を忘れて居残りしているのかもしれません。作品展に出す工作が間に合わなくて、完成させるために残ってやっているのかもしれません。

居残りかどうかは、先生の普段のやり方とときと場合によるところも大きいのですが、放課後指導を日常的にやっておられる先生の学級なら、割と頻繁にある理由と言えます。
先生からすると、ひとりひとりの遅れに対応することはその子本人のためでもあり、全体の授業を円滑に進める上でも重要であることは、しっかりと念頭に置きましょう。

忘れ物をして戻っていた

下校時刻まで学校に残って勉強したり遊んだりしていて、いざ帰ろうとして門を出ると「あれ、宿題が入った手提げ袋を丸ごと忘れてしまった!」―――ということもあり得えます。
学級でさよならしてからすぐに帰った日には、たとえ忘れ物を取りに戻ったとしても門限より遅くなることはありませんが、下校時刻ギリギリまで残っていたのなら、帰るのはもっと遅くなってしまいます。

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友達の家に寄っていた

ご家庭でどんなお約束をしているかにもよりますが、ランドセルを背負ったまま誰かのお家にお邪魔していて時間が経ってしまった―――というケースも考えられます。
親が在宅していればきっと帰宅を促したり、親同士で何らかの連絡を取り合ったりするのでしょうが、仕事などで不在のときに子供の判断だけでお家へ招き入れたときには、十分あり得る話です。

これを防ぐためには、日頃から「お家の大人がいないときにはお友達の家に上がらない」「どうしてものときは一度家に帰って相談してから」というルールを徹底させておく必要がありますね。

子供とのルールをしっかり決める、セーフティネットを作っておく、この二つで安全性は高まる

子供が帰ってこないようなまさかの事態になる前に、親としてはしっかりと帰宅のルールの基盤を作っておくべきです。門限をしっかり守らせること、遊びに行く際には最低限の情報は伝えることなどを低学年の頃から習慣づけることは基本となります。

また、同時にセーフティネットを作っておくことも子供の安全を守るため非常に大切です。GPSを利用したり、通学路に知り合いを作っておいたりと、ご近所関係が希薄な今の時代に合わせた対応が求められています。二方面からの対策で子供の安全性は格段に高まるはずです。